\n"; ?> JVC - 気仙沼事業 2013年度活動報告 - 東日本大震災被災地での活動 - 5ヵ国での活動
東日本大震災被災地での活動

気仙沼事業 2013年度活動報告

2014年7月31日 更新

JVCは、住民の生活再建と地域の課題解決に向けた取り組みを支えるために、2013年度の活動を下記の内容で実施しました。

 復興支援イベント「和太鼓がつなぐ江戸川と気仙沼」での小々汐打囃子(こごしおうちばやし)保存会の演奏 復興支援イベント「和太鼓がつなぐ江戸川と気仙沼」での小々汐打囃子(こごしおうちばやし)保存会の演奏

【活動1】生活再建を支える

2012年度に引き続き、四ヶ浜(しかはま)地域の大浦(おおうら)・小々汐(こごしお)・梶ヶ浦(かじがうら)で進められている防災集団移転事業(高台移転)や災害公営住宅整備事業について話し合う住民協議会に対し、建築・まちづくりの専門家をアドバイザーとして派遣してきました。2013年度は計13回のアドバイザー派遣を行い、見学会や勉強会などを通じて、主に住みよい高台団地を形成するための「まちづくりルール」の策定に向けた協議を重ねてきました。また、造成工事の完了後すみやかに住宅建設に着手できるよう、共同建設方式の検討を進め、あわせて個別の住宅相談会や融資に関する勉強会を実施してきました。

家づくりに関する勉強会の様子家づくりに関する勉強会の様子

【活動2】地域づくりを支える

2013年4月に発足した浦島地区振興会への支援として、役員会や全体委員会の運営のサポートを行うとともに、旧浦島小学校の清掃活動の企画及び実施、会報紙「うらしま便り」の作成・発行を行いました。また、旧浦島小学校の施設利用の検討に関する取り組みとして、住民とともに市外で開催された廃校施設の活用法に関する勉強会に参加した他、事例視察セミナーを実施しました。加えて、四ヶ浜地域を活性化することを目的に体験型ツアーを開催し、県内外から22名の参加を得ました。

養殖業を体験するツアー参加者養殖業を体験するツアー参加者

【活動3】「仮の暮らし」を支える

仮設住宅での暮らしにおいて閉じこもりがちな住民の孤立を防ぐため、地元を含めた多くの支援団体が住民同士の交流を図る活動を行っています。そうした活動がより効果的なものとなるよう、JVCは鹿折地区の仮設住宅支援に関わる三つの地元支援団体と連携し、2012年6月より交流イベント「趣味のじかん」を継続的に開催してきました。2013年度も同イベントを12回実施し、合計195名の参加を得ました(対象者は約120世帯およそ310名)。実施した活動内容は以下の通りです。

<実施内容と参加者数>

開催日内容参加者数
4/4展示会31名
5/16ノルディックウォーキング7名
6/13ノルディックウォーキング12名
7/18ディスコン18名
8/19ディスコン15名
9/26レクリエーションダンス19名
10/24絵手紙教室11名
11/16連凧作り10名
12/7連凧作り15名
1/11連凧揚げ28名
2/20コミュニケーション麻雀15名
3/14写真上映会・お茶会14名
参加者合計195名
連凧作りの様子連凧作りの様子

また、仮設住宅における自治会(親睦会)支援として、自治会の再編や自治会に代わる住民自治の体制整備のために、総会の開催や班長制の導入に関する話し合いへのサポートを行ってきました。

協力して防風ネットの補修を行う<br/>仮設住宅住民協力して防風ネットの補修を行う
仮設住宅住民

一方、集落に留まり自宅で生活を続ける住民の孤立を防ぐため、定期的な訪問による見守り活動を行ってきました。また、地域の集会場を活用した交流イベントを5回実施し、合計79名の参加を得ました(対象者は約65世帯およそ170名)。実施した活動内容は以下の通りです。

<実施内容と参加者数>

開催日内容参加者数
4/30自治会主催のお花見にて、大道芸人による演芸ショー25名
6/9大道芸人による演芸ショー15名
10/20地元のボランティア団体による紙芝居の披露5名
1/25住民が収穫した野菜を持ち寄ったお料理会17名
2/21餅つき大会17名
参加者合計79名
住民の話に耳を傾ける<br/>JVC伊藤(写真右)住民の話に耳を傾ける
JVC伊藤(写真右)
大道芸人による演芸ショーを<br/>楽しむ参加者たち大道芸人による演芸ショーを
楽しむ参加者たち

【ネットワーク・提言・発信】

必要とされる支援の内容は刻々と変化し、昨今では「ポスト仮設住宅」という用語も多用されるようになりました。週一回の「NPO/NGO連絡会」や月一回の「鹿折地区支援者ミーティング」などを通じて、住民の現在のニーズや将来的に発生が予測される課題について他団体や行政機関とも情報を共有し、その解決を目指した協議を継続して行ってきました。

また、時間の経過とともに震災の記憶が薄れていくことが懸念されるなか、首都圏でも出来る復興支援の一環として首都圏の駅前などで「気仙沼報告会」を定期的に行い、気仙沼の魅力や現状などを紹介する様々なイベントも開催してきました。

東京駅丸の内北口前で気仙沼の現状を伝えるチラシを配布東京駅丸の内北口前で気仙沼の現状を伝えるチラシを配布

【成果と課題】

防災集団移転のアドバイザー派遣を通じて、「まちづくりルール」の策定や共同建設方式の検討を行うことで、暮らしやすい団地形成とすみやかな住まいの再建に向けた環境整備を進めることができました。一方で、防災集団移転事業の完了後、高台移転団地とその周辺住民を含めた新たな集落をいかに再編していくかが今後の課題となっています。

また、浦島地区振興会とともに学校施設の利活用やツアー事業に取り組むことにより、住民主体の地域づくりの活動を軌道に乗せることができました。しかしながら、緒についたばかりのこれらの事業を今後更に発展させていくためには、振興会が地域に浸透し、担い手を増やしていくことが重要となります。

加えて、交流の場づくりや見守り活動を通じて、「仮の暮らし」を余儀なくされている住民の孤立を防ぐことができました。他方、外部支援団体の減少が続く中で、これらの活動を地元の関係機関に徐々に委譲し、新たな支援体制を整備していくことが求められています。

住民の復興に向けた取り組みは道半ばです。JVCは2014年度も引き続き、住民の生活再建と活気ある地域づくりのための支援活動を継続していきます。