12月1日、浦島地区振興会主催による「旧浦島小学校施設利用等セミナー」が開催されました。同振興会の委員(約20名)を対象として実施された今回のセミナーの目的は、浦島地区のまちづくりを見据え、旧浦島小学校の施設をどのように活用するべきかを話し合うことです。同振興会のサポート役であるJVCは、このセミナーに際して浦島地区(大浦(おおうら)、小々汐(こごしお)、梶ヶ浦(かじがうら))の防災集団移転のアドバイザーでもある専門家(2名)を講師として派遣しました。
同振興会は今年4月に発足しましたが、個々の生活再建に追われる住民の状況を考慮し、旧浦島小学校の施設利用の検討に関する活動を控えてきました。しかし、防災集団移転の造成地の計画などに目処がついたこと、市当局に対して旧浦島小学校施設の活用法を伝達する必要があることから、同活動を本格化させるに至りました。
「旧浦島小学校施設利用等セミナー」では、まず講師から石川県七尾市における地域資源を活かしたまちづくりの取り組みや能登半島の廃校施設を活用した事例が紹介されました。参加者からは「誰が(廃校施設の)運営の主体を担っているのか」などの質問が出されました。
続いて、講師からは、様々な取り組みによりUターンやIターンによる若者の移住が増加している徳島県神山町や島根県隠岐郡海士町(おきぐんあまちょう)のまちづくりの事例が取り上げられ、「旧浦島小学校の施設利用について考える前に、まず浦島地区のまちづくりのことを考える必要があるのではないか」という話がありました。その上で、地域に若者を呼び込むために重要となる「仕事とそれを支える環境」をテーマにしたワークショップが行われました。
「カキ、ホタテ、ワカメ、コンブの養殖が盛ん」「ご近所同士、おすそわけをする習慣がある」「(交通の面で)不便なところがある」といった浦島地区の良い点や不便な点が参加者により挙げられ、「どうしたら不便な面を改善することができるか」「浦島地区のまちづくりを考えた場合にどのような(旧浦島小学校施設の)活用法があるか」などについて話し合いが行われました。
旧浦島小学校の施設利用の検討に関する取り組みはまだまだ始まったばかりです。次回、来年2月には地区住民を対象として旧浦島小学校の施設利用について考えるセミナーが開催される予定です。JVCは、旧浦島小学校の施設利用を軸とした浦島地区のまちづくりに関する話し合いが活発に行われ、延いては地域資源を活かした浦島地区のまちづくりが実現されるよう、浦島地区振興会へのサポートを継続していきます。