カレンダー担当の伊藤圭です。
2011年3月に発生した東日本大震災で宮城県気仙沼市は被災し、人的被害は1,357人、住宅被災棟数は15,815棟に及びました。JVCは2011年から2018年3月までの7年間、気仙沼市で支援活動を行っていました。
8月に機会があり、活動が行われていた現場を訪問することができました。震災から8年が経った今も、気仙沼市では至る所で工事が行われていました。
復興は進んでいるのか、現地の様子をお伝えします!
気仙沼市内は至る所で工事が行われ、まだまた復興の途中という印象を受けましたが、その中でも特に目についたのが道路、防潮堤、かさ上げした土地です。
あちらこちらで行われている道路工事
気仙沼に入り、まず目に留まったのが、気仙沼湾横断橋の工事でした。現在、宮城県仙台市から青森県八戸市まで通じる予定の三陸沿岸道路の橋脚工事が行われています。海の上を車が走るようなので、眺めは良さそうです。せっかく作るなら歩いて渡れるようにすると観光ポイントになるのではないかと思いましたが、そのようにはなっていないようです。
また、市内のいたるところで道路工事が行われていて、カーナビや地図があてになりません。まだまだ復興は続いているのだと実感しました。
海岸線で進められる防潮堤の工事
今回は南三陸町から海岸の様子を見ながら入りました。南三陸町~気仙沼市間は約35キロありますが、ほぼ全域で防潮堤の工事が行われていて、完成しているところの方が少ないという印象で、まだまだ工事は続くようです。
防潮堤ですが、数十年から百数十年に1度起きる津波を「L1」、数百年から千年に1度程度とされる最大クラスを「L2」として、L1を防潮堤で守ることが基本的な考え方です。そのため、東日本大震災クラスの津波では、現在建設中の防潮堤は越える可能性があるということは覚えておいた方がいいかもしれません。
震災後の混乱の中で「命を守るために必要」と言われたら住民は決して「No」とは言えない。その進め方に問題はなかったか。
かさ上げされたまま使われない土地
市内には空き地が多くありました。かさ上げされたものの利用されていない土地です。工場、商業施設に比べ住宅地のかさ上げは遅かったため、もともと住んでいた土地での再建をあきらめてしまった地権者が大勢いるそうです。
JVCが進めてきた住民に寄り添う支援
JVCは震災後、気仙沼市の鹿折地区という場所で生活再建のための支援を2011年から2018年まで続けてきました。最初は仮設住宅での活動がメインでしたが、その後は自分の家を津波の被害に合いづらい高台に移転する住民の方の要望を受けて、高台移転の支援を行いました。専門家のアドバイザーチームを作りおよそ月に1度派遣して、震災前の広い敷地から限られた土地に移り住むため、どんなまちづくりをするかやルール決めなどを住民と協議を重ねて、高台移転が完了するまでをサポートしました。
また、自宅を再建せずに災害公営住宅に住む方たちへの支援も行いました。市内最大規模の全戸数284戸が入る災害公営住宅「鹿折南住宅」で自治会結成を支援を行いました。入居者は市内各地から集まるので、住民同士のつながりはありません。震災前は密な関係がある地域で暮らしていた方たちが、つながりのない集合住宅に暮らさねばならなくなることで誰にもみとられずに亡くなる『孤独死』が増えることが懸念されていました。そのため住宅の完成以前から入居予定者の顔合わせを行い、コミュニティ作りのサポートを行いました。
街の様子を見ると、2011年の震災からもう8年経ったというべきなのか、まだ8年しか経っていないというべきなのか私にはわかりませんが、当時1歳だったうちの娘は、今は4年生になりました。確実に時間は流れています。
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