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ガザ地区での軍事侵攻に関する要請文 
2006年7月4日 更新
 

6月28日未明のイスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への軍事侵攻によって、現地の状況は非常に悪化しています。電気が絶たれ、浄水システムなどもマヒしつつあり、これまでも既にひどかった人道状況がさらに悪化することが懸念されます。
JVCはこの状況において、イスラエル政府に対して抗議の意を表明する旨の日本政府向けの要請文を作成し、6月30日、これを外務省に提出しました。以下にその要請文の全文を掲載します。


2006年6月30日

内閣総理大臣 小泉純一郎 殿
外務大臣 麻生太郎 殿

ガザ地区での軍事侵攻に抗議するよう要請します

特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター

6月28日未明のイスラエル軍のガザ地区への軍事侵攻により、イスラエル・パレスチナの状況は混迷を極めています。私たち日本国際ボランティアセンター(JVC)は、占領下のパレスチナで、14年以上にわたり現地の人々への人道支援などを行ってきました。私たちは現地の人道状況の悪化を憂慮し、パレスチナ武装抵抗組織によるイスラエル兵の拉致及びイスラエルへのミサイル攻撃に抗議すると同時に、イスラエル軍のパレスチナ一般住民の生活を脅かす攻撃・侵攻に対して抗議し、日本政府がガザ地区での軍事攻撃についてイスラエル政府に抗議の意を表明することを、以下の理由から要請します。

1. 国際人道法への違反
  28日のイスラエル軍はガザ地区唯一の変電所を破壊しました。これはガザ地区唯一の変電所であり、地区内の約6割の電気をまかなっています。残りの大部分はイスラエルに依存しており、他の小規模の自家発電の燃料もイスラエルからの供給・管理下にあります。ガザ全域が停電状態に近く、電力不足に伴い浄水にも問題がおきており、安全な水の確保も困難になっています。国際人道法(ジュネーブ条約)において一般住民の生活のための権利は保障されており、ライフラインの破壊は国際人道法に違反します。また、イスラエル軍は拉致されたイスラエル兵の救出を目的として軍事侵攻を開始しましたが、変電所の破壊にイスラエル兵救出との直接的な関連はみられず、一般住民のライフラインの破壊はその軍事侵攻目的とも矛盾します。パレスチナ自治政府のアッバス議長はこの攻撃を「集団懲罰」と呼びましたが、国際人道法は、集団懲罰についても禁止しています。

2. 経済危機下の軍事攻撃による一般住民の危機的な生活悪化
 1月の評議員選挙で民主的に選出されたハマス政権発足に伴い、イスラエルが代理徴収する関税の自治政府への送金を凍結し、米国とEUも自治政府への直接支援停止するなどしています。このため3月以降、パレスチナ自治政府職員の給料はほとんど支払われておらず、すでに壊滅状況にあったパレスチナ住民の経済状況はさらに悪化しています。またガザ地区では、今年1月からイスラエルによる物流検問所の封鎖が続き、物資の不足により物価が高騰し、輸入に頼る食料の価格が著しく上昇しています。パレスチナ自治区全体では世界銀行によると貧困率は67%、ILOによると失業率は40.7%です。このような状況下で住民のライフラインを破壊するような軍事攻撃は、一般住民の危機的な経済社会状況を更に悪化させます。すでに乳幼児の栄養失調の増加等、社会的弱者への悪影響が出ています。

3. 日本のODAとの関連
 日本政府は国連開発計画(UNDP)を通して、ガザ地区の中央を縦断するサラハルディン道路の修復を支援、1900万ドルを拠出しています。28日にイスラエル軍によって破壊されたガザ地区北部と南部を結ぶサラハルディン道路の橋は、日本のODAでの補修対象になっていました。今回の攻撃により橋は完全に破壊され、南部から医療施設のあるガザ市内に特に緊急を要する移動することも困難になっています。イスラエル軍がガザ南部に侵攻し、占拠しているガザ国際空港は、日本のODAも多額に投入されて完成しました。1998年に開港したものの2001年には封鎖され、同年イスラエル軍によって大規模に破壊され、空港は閉鎖したままです。日本のODA、つまりは私たちの税金で建設されたものが破壊、加えて軍事拠点となっています。

4. 民間人を巻き込む軍事侵攻
 今回の軍事侵攻では、上記で指摘したとおり、パレスチナの一般住民が多大な被害を被っています。  加えて、ガザ地区では6月以降イスラエル軍の暗殺作戦の巻き添えで女性や子どもを含む死者が続出しています。一般住民の被害に対する公正な調査も行われていません。暗殺作戦そのものも超法規的に実施されている問題があり、さらに、一般市民の被害拡大はイスラエル・パレスチナ間の和解と信頼醸成をさらに困難にしています。

以上の理由により、私たちは日本政府に以下の事項を要請いたします。
・ イスラエル政府に対し、ガザ地区での侵攻に抗議の意を表明すること
・ イスラエル、パレスチナ両者が対話による解決に向うよう、外交による介入を行うこと
・ 国連を通じ、侵攻の即時停止および平和的交渉の再開に向けた働きかけを行うこと

以上

 
 


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