東京事務所の日々の記事一覧
映画がまるまる一本無料公開!
東京事務所インターンの一人に教えてもらったのですが、東京都知事選の争点のひとつに「脱原発」がある、ということで、放射性廃棄物の取り扱いをとりあげた映画『100,000年後の安全』が、なんと以下のページからネット上でまるごと一本無料で観られるそうです(2月10日正午まで)。
映画の予告編はこちら。
この映画は、東日本大震災の発生後に日本で緊急公開されていたもので、その際に私も観に行って映画評を2011年当時発行したJVC会報誌に掲載しました。以下にその記事を転載します。ネタバレはしていないのでご安心を。
映画評『100,000 年後の安全』
このドキュメンタリー映画は、今回の東日本大震災および原子力発電所での事故を受けて緊急上映されたものだ。
現在進行形である日本での原発事故とは異なり、この映画の主眼は、原発の発電過程に出される放射性廃棄物(安全になるまで約十万年かかる)を処理するために地中深く埋めるフィンランドの施設を舞台に、これを二度と掘り起こさせないために十万年後の未来の人類とどうやってコミュニケーションするか(そもそもとれるのか)、ということにある。しきりに「僕の言うことが聞こえるかい?」というナレーションが入り、またこの施設に関わる人たちも、未来の人たちへのメッセージとして、カメラに向かって「ここに近づくな」「幸運を」と、本気かどうかなかばわからないような表情で語りかける。
まるで『2001年宇宙の旅』に出てきたようなやたらと白く無機質なトーンの地下施設と、その奥に広がる硬い岩盤を穿(うが)って地下数百メートルまで掘り進む暗く巨大な坑道。その対比が、効果的な音楽ともあいまって、この「異様な解決策」に対する恐怖感を盛りあげることに貢献している。
今回の震災での個人的な教訓が、いまのところ二つある。ひとつは、「安心しすぎず、心配しすぎず」。もうひとつは、「一見真実や結論に見えるものに安易に飛びつかない」。日本における原発関連の議論では、推進派と反対派との間でお互いに対する不信感が根強く、双方がこりかたまって歩みよることができなかった、と聞く。意見が分かれるこうした議題に関して、「一方が100%正しい」ということはあまりない。そう思えなかったことが、今回の事故をここまでのものにしてしまったのかもしれない。十万年後などと言わず、同じ時代に住む人とのコミュニケ―ションがまずは必要なのでは、と思わせてくれる映画だ。
(総務担当 細野 純也)
12/6に、2014年のJVC国際協力カレンダー「心のお陽さま」に写真を提供してくださったフォトジャーナリストの安田菜津紀さんを招き、カレンダーに選んだ世界各地の写真のエピソードを語っていただきました。
先日、前から観たいと思っていた映画『もうひとりの息子』を観てきました。シネスイッチ銀座での公開の最終日・最終回で、ギリギリセーフ。
イスラエルの家庭で育ったミュージシャン志望のヨセフ。その十八歳の兵役検査の際の血液検査から、両親の実子ではないことが彼の母親に告げられた。後日、湾岸戦争下の混乱で取り違えられた事実を、病院で相手側のもう一組の夫婦と同席の場で告げられた。そしてその相手はパレスチナ人だった――。
「赤ん坊の取り違え」。映画『もうひとりの息子』は、それが現代のパレスチナ人とイスラエル人との間において起こったら、という物語です。最初は本人を含めて家族みなが驚き、混乱します。その後、彼ら彼女らがその事実にどう向き合っていくかを追います。
「歌う」ことで「国際協力」できる!
はじめまして、2013年度JVCホームページインターンの倉持祐香です。現在大学4年で、学業・インターン・アルバイト等しながら過ごしています。JVCでインターンを始めた時期にJVC合唱団にも入団しました。入団した理由は、歌うことがなによりも好きということ、JVC合唱団のHPの『歌うことで国際協力ができる』というフレーズに惹かれたからです。
幼少期のホームビデオを見ると歌を歌っている映像が数多く残っています。中学生の時は有志合唱団でコンクールに出ました。高校生の時はコーラス部に所属していて、毎日合唱ができる環境がありましたが大学に入り合唱をする機会が減ってしまっていました。
そんな時に出会ったのがJVC合唱団です。「国際協力+合唱」と私にぴったり、わたしの為にあるの?と思ったくらいです。入団以降は、12月のコンサートに向けて毎週『メサイア』を練習しています。
歌いどおしの合宿
JVC合唱団の合宿が2013年8月2日(金)~5日(日)に茨城県潮来であり、参加してきました。今年の合宿はJVC合唱団に加えて、本番のステージに一緒に立つNOVA VOCE(ノヴァ ヴォーチェ)、早稲田大学・日本女子大学室内合唱団の方々との合同合宿となりました。
朝から晩までメサイア漬けのこの合宿では、同年代の人や人生の先輩、メサイア経験のある方々から多くの事を学ぶ貴重な時間になりました。団員の練習時の集中力の高さに驚いたと共に、自分自身のレベルアップの必要性も感じました。そしてなによりも3日間、同じ空間を共有にしたことで、本番のステージに立つ仲間とさらに距離を縮められる良い機会になりました。
個人的には、まだまだ歌い足りないので1週間くらい合宿しても良かったかなと思いました。
昨年11月の「秋の叙勲」で、JVC創設の中心メンバーである星野昌子特別顧問が旭日小綬章を受章しました。
青年海外協力隊の初代隊員として活動後、インドシナ難民救援のためJVCの設立で中心的な役割を担い、その後も神奈川県立かながわ女性センター館長、日本NPOセンター代表理事等を歴任。これらを通して日本社会に国際ボランティアの潮流を生み出し、国際協力NGOの発展に寄与したことが評価され、今回の受章となりました。
JVC会報誌で「中東」を特集しました
あけましておめでとうございます。JVCで会報誌Trial&Errorの編集を担当しております細野です。今年もよろしくお願いいたします。
このTrial&Error(以下T&E)とは、全国のJVC会員の皆様に隔月でお届けしているもので、創刊はJVC創設年1980年の12月。以降32年にわたりまして、JVCの各国現地での活動報告はもちろん、その時々の出来事に関する記事や国内でのイベント情報などを掲載しているものです(JVC会員の皆様には、最新号を除くバックナンバーをこのウェブサイト上で順次公開しています)。
さて、先日バックナンバーを公開しました今年10月末発行のT&E no.298の特集では、『「アラブの春」から改めて中東を考える』と題しまして、2011年に大きく報道されたいわゆる「アラブの春」と呼ばれる中東地域での一連の動きから、あらためて過去20年、今、そして今後の中東の展望も含めて捉えてみました。これにあたっては、中東地域に造詣の深い朝日新聞の川上泰徳記者を迎えまして、JVC代表の谷山、中東地域の担当スタッフをまじえての座談会を設け、これを収録しました。A4誌面で6ページ、とても密度の高い記事となりました(イヤほんとに)。
その記事本文は上のリンク先からお読みいただくとして、このテーマで特集を組むことが編集会議で決まった時から、ひとつやってみたいことがありました。それは、中東諸国/諸組織間の関連を図示してみる事でした。
11月11日から12月3日まで、南アフリカ現地に出張に行ってきました。
JVCが南アフリカでHIV/エイズに関する活動を始めたばかりの2005年に出会ったデンゼル君。当時ご両親はすでに亡くなり、お姉さんやその子どもたちと、木枠にプラスチックシートを貼っただけの簡素な家に暮らしていました。それでも当時14歳だった彼はJVCが行う家庭菜園研修に参加して熱心に頑張っていて、大人顔負けの菜園をつくっていました。
当時「将来は(当時研修トレーナーの)ジョンのようになって、子どもたちがちゃんとご飯を食べられるような社会をつくりたいんだ」と夢を語ってくれていました。研修開始当初、悲しそうな表情をした少年が、研修を経るにつれて笑顔を見せるようになってくれたことを今でも覚えています。
しかしその後、JVCが当時の活動地を離れてまもなく、デンゼル君は家を出てしまい消息がわからなくなっていました。
後に、学校も辞めてしまい、乗り合いタクシーの運転手の手伝いをしていると噂に聞き、彼の村のそばを通るたびに気になっていました。
関東ではもうすぐ紅葉のシーズンですね。
少しずつ葉の色が変わり始めた、東京八王子市にある通所授産施設「希望の里」を訪問してきました。この施設は知的障害を持つ方々が集まり、企業や様々な団体などから受ける仕事を通して自立を目指す場です。JVCではこの「希望の里」に、支援者の皆さんにお送りする郵便物の封入作業を発注しています。
この時期は「冬の募金」のお手紙を封入していただいており、お仕事の様子を見せていただきました。38名の利用者の方たちは、みなさん得意分野で役割分担をしているようです。封入ミスの無いよう、何重ものチェックのなされる丁寧な体制で進められています。
これからも連携してお仕事していきたいと思います。12月の冬の便り、お楽しみに!
この8月23日にリビアではNATOを中心とする多国籍軍と連携した反体制派の「暫定国民評議会」が首都トリポリを制圧し、カダフィ政権が崩壊しました。
リビア情勢に対しては、JVCは5月2日の段階で、これまでの経験を踏まえて、「いま改めて、リビアを考える」と題した記事において、「人道危機の回避は外部からの介入によるレジームチェンジでは達成されない」という問題提起をしました。
その後、事態は進み、カダフィ政権は崩壊し新しい状況に入りましたが、問題点は基本的には変わっていないと考え、軍事介入によるリビアの体制変更の問題点を今一度振り返りたいと思います。JVCでは、ここで触れた主要な論点のうち、人道的介入の是非については今後も議論を続け、人道的危機状況に対して市民としてできることの模索を続けて行きます。また、今後も引き続きリビア情勢の推移に注目して行きます。
震災の発生から2ヶ月。復興の息吹が感じ始められているものの、いまだ手つかずのままの被災地も多く残ります。JVCが運営支援をしている気仙沼市災害ボランティアセンターには全国から毎日多くの市民が訪れ、被災された方から求められる様々な作業に取り組んでいます。ちょうど被災から2ヶ月の節目となった5月11日、JVCのスタッフやインターン、ボランティアなど24名が気仙沼市での災害ボランティアに参加しました。