気仙沼支援活動レポート
5月31日、浦島地区振興会(以下、振興会)の総会が旧浦島小学校で開催され、役員や委員など約20名が出席しました。総会では、2014年度の事業報告や2015年度の事業計画、役員の改選についての協議が行われました。
昨年度、振興会では、旧浦島小学校施設の有効利用に向け、廃校施設の活用や地域づくりに関する講演会を開催するとともに、新潟県および高知県への先進事例の視察や旧浦島小学校の施設利用に関するアンケートを実施しました。さらに、養殖作業体験ツアーや鶴ヶ浦地区での「まち歩き」といった地域資源を生かした事業にも取り組むなど、活気ある浦島地区の実現に向け、歩みを進めてきました。
総会での協議の結果、設立から三年目となる2015年度の事業計画には、旧浦島小学校の施設利用の検討や養殖作業体験ツアーに加え、旧浦島小学校の閉校以来、開催が見送られていた運動会が盛り込まれることになりました。
5月24日、梶ヶ浦地区の在宅住民および防災集団移転参加者を対象に「新緑を楽しむ会」を開催しました。
現在、梶ヶ浦地区では防災集団移転による住宅建設が進められており、今年度内には一時的に地域を離れていた住民が地元回帰を果たす見通しとなっています。そのような状況から、今後梶ヶ浦地区に戻ってくる住民と現在地区内で暮らしている住民との繋がりを再び深めるべく、今回は両者の交流を図るイベントを企画しました。
4月19日、今年度最初の防災集団移転のアドバイザー派遣を実施しました。今回は、大浦地区協議会の総会が開催され、住民約20名が参加しました。
総会でははじめに、造成工事業者から現在の工事の進捗状況が報告されました。また、市の担当課によって、水道管の引き込み位置や電柱の配置に関する説明が行われました。
2月27日から3月1日の日程で高知県への視察を実施しました。この視察の目的は、廃校活用に関する知見を深め、今後の旧浦島小学校の施設利用の検討にそれを生かすことです。視察には、JVCスタッフのほか、浦島地区振興会の役員および地区住民10名が参加し、三つの廃校活用事例について学びました。
3月8日、防災集団移転のアドバイザー派遣を実施しました。今回は、大浦地区協議会を対象とした先行事例の視察および総会を開催し、住民約20名の参加を得ました。
8日の午前中、気仙沼市大沢(おおさわ)地区の高台移転団地を視察しました。大沢地区の団地が視察先として選ばれたのは、同地区が大浦地区と似通った形状で造成されているためです。当日は、同行した大沢地区協議会のメンバーによる説明を受けながら視察を行いました。
造成が完了した団地内にはすでに数軒の住宅が建設されており、住民からは「宅盤の高さは何cmか?」「隣地から何m離して住宅を建てているのか?」といった質問が出されました。また、整備された公園や電柱、フェンスの様子などが確認されました。
大浦地区協議会において検討が続けられている隣地間段差の土留め工事については、特に念入りにその状況が確かめられました。一方、アドバイザーからは、「家が建つと歩行者の目に入るのは道路側だけになります。今日視察して、道路際を皆で一緒につくっていくという意識が大切だと改めて思いました」との話がありました。
2014年12月、浦島地区振興会(以下、振興会)は、浦島地区住民や浦島地区出身者を対象に、旧浦島小学校施設の活用方法に関する意向調査を実施しました。
この意向調査の目的は、防災集団移転事業や大島架橋事業といった公共工事により、著しく変化した浦島地区の状況を鑑み、改めて地区住民の意向を吸い上げ、その結果を今後の活用方法の検討に生かすことです。
振興会では、意向調査の内容に関する協議を重ね、「旧浦島小学校の施設をどのように活用するべきか」、「将来、浦島地区をどのような地域にしたいか」などの質問事項を盛り込んだ意向調査を作成しました。意向調査は、およそ300名(約140世帯)に配布され、その内、77名から回答を得ました。
1月29日、鹿折中学校仮設住宅の集会場にて第7回「あづまっぺ!『趣味のじかん』」を開催しました。今回は「新年会」を企画し、福笑い、カルタ取り、花札や健康麻雀など数種類のゲームを行いました。
イベント当日、参加した方々はそれぞれが興味のあるゲームで遊び、会場は和気あいあいとした雰囲気となりました。
これまで実施したイベントでは女性住民の参加が多く、男性住民の参加についてはごく限られたものとなっていました。そのため、今回は健康麻雀を取り入れました。その結果、これまでより多くの男性住民の参加を得ることができました。
2015年1月31日(土)~2月1日(日)にかけて、「週末は気仙沼。~海の仕事と人に出逢う旅~」の第1回を実施しました。
これは、養殖体験や見学を通して、JVCが活動を行っている浦島地区(四ヶ浜地域) の暮らしを参加者に満喫してもらうと同時に、地元に暮らす人々との交流を通して、地域の魅力や震災後の今の暮らしを感じてもらうことなどを目的に、昨年から行っているものです。
ツアーは、浦島地区振興会 と日本国際ボランティアセンターの共同企画のもと、地元旅行会社によって実施されました。催行当日は2日ともあいにくの雪模様でしたが、今回のツアーには20代から70代まで計16名が参加してくださり、盛況の中での実施となりました。
東日本大震災からまもなく4年が経過しますが、宮城県気仙沼市では、現在でも、約8,300人の住民が、仮設住宅やみなし仮設などでの「仮の生活」を強いられています。
市内の鹿折地区は、震災による津波と火災のために、甚大な被害を受けました。現在、この地区では、住居や商店街などを新たに建設するため、土地区画整理事業による大規模なかさ上げ工事が進められています。鹿折地区の中心部には市内最大規模となる284戸の集合型災害公営住宅の建設が計画されています。しかし、入札不調により工期が遅れ、その完成は2016年12月まで待たなければなりません。
12月14日、防災集団移転のアドバイザー派遣を実施しました。今回は、大浦(おおうら)地区協議会の総会および見学会を開催し、住民約20名の参加を得ました。
14日の午前から午後にかけて、各地区の高台移転予定地の見学会を行いました。まずは大浦地区の高台移転予定地を訪れ、造成工事の進捗状況を確認しました。高台に至る工事用道路が新たに整備され、土の搬出がいよいよ本格化する様子がうかがえました。続いて、宅地の引き渡しの段階を迎えた梶ヶ浦(かじがうら)地区の高台移転予定地を見学しました。
ここでは特に、大浦地区協議会の中で検討事項となっている土留め工事の状況が確認されました。また、「まちづくりルール」に沿って造成された1mのセットバックゾーンの様子もあわせて確認されました。