2015年1月31日(土)~2月1日(日)にかけて、「週末は気仙沼。~海の仕事と人に出逢う旅~」の第1回を実施しました。
これは、養殖体験や見学を通して、JVCが活動を行っている浦島地区(四ヶ浜地域) の暮らしを参加者に満喫してもらうと同時に、地元に暮らす人々との交流を通して、地域の魅力や震災後の今の暮らしを感じてもらうことなどを目的に、昨年から行っているものです。
ツアーは、浦島地区振興会 と日本国際ボランティアセンターの共同企画のもと、地元旅行会社によって実施されました。催行当日は2日ともあいにくの雪模様でしたが、今回のツアーには20代から70代まで計16名が参加してくださり、盛況の中での実施となりました。
「人に出逢う」ことを大きな目的としているのが、このツアーの特徴です。初日の午後には、早速鶴ヶ浦地区において、参加者の皆様に「まちあるき 」を体験していただきました。地図を見ながら、案内人を務める住民と一緒に鶴ヶ浦のまちを歩くまちあるき。道端に何気なく置かれた石碑や看板、そこから見える風景について「これはなんですか...?」と参加者が案内人の住民さんに質問をすると、そこから鶴ヶ浦の歴史、魅力、震災時の様子など、住民の方からどんどんと興味深いお話が出てきます。各々がただ訪れただけでは体験できない、貴重な体験となったようです。
まちあるき体験の後は、2013年3月をもって閉校となった旧浦島小学校(以下、旧浦島小)に移動して、地元の語り部から震災当時の体験談を聞きました。東日本大震災の発生後、旧浦島小の体育館は避難所として活用されましたが、その時の様子を段ボールを使って再現し、参加者に避難所生活の様子を実際に体験していただきました。
旧浦島小でお話を伺った後は、校庭に建てられている仮設住宅の見学を行いました。談話室にお邪魔させていただき、実際にお住まいの方にお話を伺いました。皆さん熱心に質問をしておられ、時間が足りないほどでした。
そして、今回のツアーの一番の目玉となったのが、2日目の午前に行った養殖体験。地元の漁師さんの御指導の下、梶ヶ浦地区の漁港にて、ワカメの刈り取り体験を行いました。漁師さんのお話によると、長さ数cmの種から養殖を始めるそうですが、それから2か月で2mほどに成長するそうで、間近で見た2m越えのワカメは圧巻の大きさでした。
さらに、2日目の午前には海上見学や牡蠣の殻むき体験も行いました。海上見学では、漁師さんに海に出てきていただき、ワカメの刈り取り作業の様子を見せていただきました。雪が降りしきる中での実施となりましたが、実際に船に乗って、海上からワカメの刈り取りを間近に見た参加者からは、感嘆の声が上がりました。
また、牡蠣の殻むき体験では、これまで食べていたものとは比べ物にならないくらい大きな牡蠣の殻をむくという作業を、漁師さんの御指導の下、実際に行っていただきました。初めは戸惑っていた参加者も、「貝柱を切ると上手に殻がむけるわよ」という漁師さんのアドバイスのおかげで、徐々にコツをつかんでいったようです。
その他にも、気仙沼復興商店街 南町紫市場の訪問、大浦地区にある水産加工場の見学、大谷海岸に建設されている防波堤と、東日本大震災で津波の被害を受けた気仙沼向洋高校の見学など、盛りだくさんの2日間となりました。
参加者からは、「二ノ浜、三ノ浜の漁師の皆様のお話が直に聞けて良かった。復興に向かって前向きな地元の方々が、『今自分達が出来るのは、皆様のお蔭』と言って、底抜けに親切にしてくれた事に感激した」「人のあたたかさに感銘をうけました。また来たいです」といった声が聞かれました。
参加者の皆様には二日間、多くの地元の方と出会い、交流していただきました。皆さんも是非一度、気仙沼に足を運んでみてください!