気仙沼支援活動レポート
11月3日、旧浦島小学校にて、「懐かしの写真展」が開催され、40名以上の住民が来場しました。会場には、旧浦島小学校の学校行事や今年7月に開催された運動会の写真約400枚が展示されました。今回の写真展を開催するにあたり、JVCは、この企画を主催した浦島地区振興会の環境・文化部のメンバーとともに写真展の段取りや展示方法について協議を重ね、準備を進めてきました。
11月1日、防災集団移転のアドバイザー派遣を実施しました。今回は、大浦地区協議会の造成地見学会および総会が開催され、住民約30名が参加しました。
見学会では、10月に造成工事が概ね完了し、宅地の引き渡しが開始された高台移転団地の状況が確認されました。団地内の道路はきれいに舗装が施され、いくつかの宅地ではすでに住宅建設が開始されていました。当日は、大浦地区災害公営住宅の入居予定者も見学会に同行しました。初めて見学会に参加した入居予定者からは、「ようやく住宅地のイメージを掴むことができた」、「災害公営住宅が建つ場所には木々に囲まれているところもあって、住みやすそうだ」といった感想が寄せられました。
四ヶ浜地域の梶ヶ浦地区では、2015年度より防災集団移転による住宅建設が本格化し、震災の影響によって一時的に地域を離れていた人々が地元回帰を果たしました。震災後も地域で暮らし続けてきた在宅住民と防災集団移転参加者(以下、防集参加者)との交流を図るため、JVCはこれまで両者を対象としたイベントを実施してきました。
5月24日、「新緑を楽しむ会」を開催し、9月30日には防災集団移転団地内に建設された梶ヶ浦地区の集会場にて郷土菓子作りを行いました。
10月10日から12日の日程で富山県および石川県への視察を行いました。この視察の目的は、廃校活用や地域づくりに関する事例について学び、視察を通じて得た知見を旧浦島小学校の施設利用の検討や地域づくりの取り組みに生かすことです。視察には、JVCスタッフのほか、浦島地区振興会の役員や地区住民ら8名が参加しました。
視察初日、富山市で閉校した小学校の運営を行う「NPO法人こば」を訪問しました。(今年5月の講演会では、「NPO法人こば」理事長の水本三郎(みずもとさぶろう)氏、事務局長の平沢義孝(ひらさわよしたか)氏を講師として招きました。)築60年ほどの趣のある木造校舎を見学した後、「NPO法人こば」のメンバーと廃校施設の活用に関する意見交換を行いました。「もし、お金や使途の制約がなかったら、廃校施設を活用してどのようなことをやってみたいか」というテーマで、参加者がそれぞれに意見を発表しました。浦島地区から参加したメンバーからは、「浦島地区の歴史や文化を伝える資料館」、「新鮮な海産物を使った料理を提供する食堂」、「授産施設(障害者や高齢者が水産加工の作業を行う場)」といった様々なアイディアが出されました。また、平沢氏からは、「失敗を恐れず、使いたい人がやりたいことに校舎を使うことが大切」というお話がありました。
9月13日、防災集団移転のアドバイザー派遣を実施しました。今回は大浦地区協議会の総会および造成地見学会が開催され、住民約30名が参加しました。 約3ヶ月ぶりに実施された造成地見学会では、宅地の引き渡しを目前に控えた高台移転予定地の様子が確認されました。ここでは特に、宅盤と道路の高低差が確かめられました。また、見学会には、高台移転予定地に併設される災害公営住宅の入居予定者も参加し、宅地の整備状況を確認する姿が見られました。
8月9日、防災集団移転のアドバイザー派遣を実施しました。今回は、大浦地区協議会の総会が開催され、住民約25名が参加しました。
総会でははじめに、電柱およびゴミ箱の整備計画に関する変更点が確認されました。また、前回の総会で合意された隣地間段差の土留め工事の共同発注について、申し込み希望者の最終確認が行われました。
続いて、「まちづくりルール」に関する協議が進められ、アドバイザーによって、前回の総会で見解の相違が生じた内容の整理が行われました。大浦地区の「まちづくりルール」では、隣地境界線から1.5m以内、北側の敷地境界線から1.5m以内、南側の敷地境界線から3.5m以内をセットバックゾーンとして設定し、建築物の壁面がはみ出さない様に計画することが定められています。前回の総会では、このセットバックゾーン内に、車庫や物置を設置してよいかという点が議論となりました。
JVCは、2014年11月より鹿折地区7ヶ所の仮設住宅を対象に、3回の連続企画となる「さわやか健康相談」を開催してきました。この交流会を通じて、生活習慣の改善に効果的な情報を提供するとともに、心身の健康状態が懸念される住民を保健師、看護師、栄養士といった医療分野の専門家につなぎ、継続的にサポートすることができました。
また、「さわやか健康相談」の終了後は、「いきいき交流会」と名称を改め、医療分野の専門性を有する気仙沼地区サポートセンターとみやぎ心のケアセンターの協力を得て、交流会を継続することになりました。「いきいき交流会」では、「さわやか健康相談」と同様に、看護師などによる血圧・脈拍の測定および高血圧や不眠についての健康講話等を行ってきました。
7月5日、旧浦島小学校の体育館にて「第1回浦島地区大運動会」が開催されました。
2012年度をもって閉校となった同小学校では、かつて集落対抗の運動会が毎年行われ、4集落の住民の交流が図られていました。しかし、浦島小学校が閉校したことによって運動会は休止となり、集落間の交流の機会は失われてしまいました。そのような状況から、今回、浦島地区振興会の環境・文化部によって4集落合同の運動会が約3年ぶりに開催されました。運動会の再開にあたり、JVCは環境・文化部への側面的支援を行ってきました。
7月5日、防災集団移転のアドバイザー派遣を実施しました。今回は大浦地区協議会の総会が開催され、住民約30名が参加しました。
総会でははじめに、市の担当課によって宅地の引き渡しに係る説明会が行われました。ここでは、宅地の賃貸又は売買契約に関して、今後のスケジュールや契約金額、必要書類等の説明がなされました。現在の予定では、今年の10月には宅地の契約が可能になる見通しとなっています。また、当日は大浦地区協議会の災害公営住宅入居予定者も集まり、区画の希望確認が行われました。参加者からは「この区画を希望する方がいれば、譲ってもいい」「仕事の帰りが遅いから、どの区画でも構わないよ」「○○さんと隣同士がいいな」といった意見が出され、話し合いは終始和やかに進められました。災害公営住宅の完成を心待ちにしている住民は、ようやく入居が近づきつつあることを実感し、明るい表情を浮かべていました。
6月7日、防災集団移転のアドバイザー派遣を実施しました。今回は、大浦地区の造成地見学会と総会が開催され、住民約30名の参加を得ました。
7日の午後、造成工事が進められている高台移転予定地の見学会を行いました。工事着工から1年以上が経過し、ようやく道路や宅地の形が目で見て確かめられるようになりました。見学会では、設置された側溝の様子や宅地の広さ、法面(のりめん)の状況などが確認されました。見学会に参加した住民からは「道路の曲がりが意外に緩やかだな」「宅地と道路の高低差がかなりあるね」「高台からの眺めは本当に素晴らしいわ」といった感想が寄せられました。現在の見通しでは、今年の秋には造成工事が一段落を迎え、宅地の引き渡しが開始される予定となっています。