四ヶ浜地域の梶ヶ浦地区では、2015年度より防災集団移転による住宅建設が本格化し、震災の影響によって一時的に地域を離れていた人々が地元回帰を果たしました。震災後も地域で暮らし続けてきた在宅住民と防災集団移転参加者(以下、防集参加者)との交流を図るため、JVCはこれまで両者を対象としたイベントを実施してきました。
5月24日、「新緑を楽しむ会」を開催し、9月30日には防災集団移転団地内に建設された梶ヶ浦地区の集会場にて郷土菓子作りを行いました。
10月22日に実施した交流会については、今後住民同士で声を掛け合って集まることができるよう、JVCによる個別の参加の呼びかけは行わず、住民間の誘い合わせを促しました。交流会の参加者からは、「家に一人でいてもテレビを観て過ごしているだけなので、こうして皆で話していると楽しい」といった感想が聞かれました。
11月8日には、梶ヶ浦地区の集会場の落成式が開催されました。防集参加者が住宅再建を果たし、また、住民の集いの場となる集会場が完成したことを受けて、住民からは「また皆で一緒に暮らせるようになった。ようやく一段落ついた」といった声が聞かれました。
今後は、在宅住民と防集参加者との繋がりを深め、地域が本来持っている一体感を取り戻していくことが重要となります。しかしながら、梶ヶ浦地区の防災集団移転団地は高台に造成され、また、在宅住民の家々から離れた場所に位置しており、在宅住民からは「団地までは遠いので歩いていけない」、「同じ地区でも二つに分かれたような感じだ」などの声が聞かれています。そのような住民の声から、今後、在宅住民と防集参加者との日常的な交流がなくなり、両者の繋がりが希薄となることが懸念されています。
住民同士が寄り添いながら暮らしていける地域をつくっていくためには、在宅住民と防集参加者が日常的に顔を合わせられる仕組みを作り、両者の繋がりを深めていく必要があります。
これまで、JVCはイベントを通じて住民間の交流を図ってきましたが、今後は、将来にわたり梶ヶ浦地区で暮らす人々が互いに寄り添っていけるよう、住民同士の日常的な交流を生み出すための取り組みを行っていきます。