\n"; ?> JVC - 将来のご近所さん同士の顔合わせ ~災害公営住宅の入居後を見据えて~ - 気仙沼支援活動レポート

将来のご近所さん同士の顔合わせ
 ~災害公営住宅の入居後を見据えて~

震災支援担当 伊藤 祐喜
2014年8月 5日 更新

気仙沼市では、災害公営住宅の建設が28地区にて計画されており、市街地部では「集合住宅タイプ」、郊外部では「戸建住宅・長屋住宅タイプ」が建設される予定となっています。鹿折地区については、市街地部に284戸の集合住宅タイプの災害公営住宅(以下、集合型災害公営住宅)の建設が計画されており、入居開始時期は平成28年3月の予定となっています。

災害公営住宅への入居を予定している仮設住宅やみなし仮設の住民にとって、災害公営住宅は、長期にわたる「仮の暮らし」を終えた後の新たな生活の場となります。一方で、災害公営住宅では、各地域から入居を募ったことにより面識のない人々が集まるため、入居者の間で孤立が発生することが懸念されています。

鹿折地区に建設される集合住宅タイプの災害公営住宅のイメージ図(気仙沼市H.Pより)鹿折地区に建設される集合住宅タイプの災害公営住宅のイメージ図
(気仙沼市H.Pより)

そのため、JVCは、鹿折地区の集合型災害公営住宅の入居後のコミュニティ形成が円滑に行われるよう、交流イベント「あづまっぺ!『趣味のじかん』」を開催し、入居予定者の事前の顔合わせと交流を図っていきます。また、当イベントの企画・実施については、昨年度まで実施してきた「趣味のじかん」における実施体制と同様、JVCと三つの地元支援団体と協同で行っていきます。

健康体操の様子健康体操の様子

「あづまっぺ!『趣味のじかん』」は、鹿折地区の仮設住宅8ヵ所の住民を対象として今年6月より開始し、6月26日、7月18日、鹿折中学校仮設住宅の集会場にて開催しました。

当イベントを実施していくにあたり、鹿折地区の集合型災害公営住宅への入居を予定している仮設住宅住民を把握する必要があります。そのため、地元支援団体と協力し、各団体が個別訪問などで把握した住民の退去後の予定に関する情報共有を行いました。

健康体操終了後のお茶会の様子健康体操終了後のお茶会の様子

第1回目となる6月のイベントでは、地元の講師を招いた「健康体操」を行いました。当日は、4ヶ所の仮設住宅の住民が集まり、鹿折地区の集合型災害公営住宅の入居予定者については、11名の参加を得ました。二人一組で体を動かす場面では、初対面の方々でも動きを合わせて楽しんでいる様子がみられました。また、健康体操の終了後には、お茶会を行いました。イベント終了後、参加者からは、「初めて会う人と話せて楽しかった」などといった感想が聞かれ、また、帰り際には、「また会いましょうね」と声を掛け合う方々がみられました。

参加者への送迎を行うJVC伊藤(写真右側)参加者への送迎を行うJVC伊藤(写真右側)

尚、当イベントでは、地元支援団体の協力を下に、各仮設住宅から会場までの送迎を行っています。会場の場所によっては徒歩で移動することに負担を感じる住民がいるため、送迎を行うことで移動手段の選択肢を増やし、会場までの移動の面における住民の負担感の軽減を図りました。

第2回目となる7月のイベントでは、栄養士会の方々にご協力頂き「お料理会」を行いました。今回も4ヶ所の仮設住宅の住民が参加され、鹿折地区の集合型災害公営住宅の入居予定者については、12名の参加を得ました。調理の際には、初対面の方々でも協力し合う様子がみられました。

調理時の様子調理時の様子
栄養士会による説明に聞き入る参加者栄養士会による説明に聞き入る参加者

第1、2回目のイベントでは、本活動の目的である鹿折地区の集合型災害公営住宅の入居予定者間の顔合わせと交流を図ることができました。しかしながら、その参加者数は限られたものであり、今後は、イベント内容の充実化や住民間の誘い合わせを促すなど、住民の参加意欲を高め参加者数の増加を図っていく必要があります。

JVCは、鹿折地区の集合型災害公営住宅入居後のコミュニティ形成が円滑に行われるよう、今後も「あづまっぺ!『趣味のじかん』」を継続的に実施していきます。