2014年12月、浦島地区振興会(以下、振興会)は、浦島地区住民や浦島地区出身者を対象に、旧浦島小学校施設の活用方法に関する意向調査を実施しました。
この意向調査の目的は、防災集団移転事業や大島架橋事業といった公共工事により、著しく変化した浦島地区の状況を鑑み、改めて地区住民の意向を吸い上げ、その結果を今後の活用方法の検討に生かすことです。
振興会では、意向調査の内容に関する協議を重ね、「旧浦島小学校の施設をどのように活用するべきか」、「将来、浦島地区をどのような地域にしたいか」などの質問事項を盛り込んだ意向調査を作成しました。意向調査は、およそ300名(約140世帯)に配布され、その内、77名から回答を得ました。
2015年2月15日、高知県高岡郡津野町で農村交流施設「森の巣箱」を運営する大﨑登氏を講師に招き、講演会を開催しました。講演会では、廃校施設を宿泊施設、集落コンビニ、居酒屋として活用し、交流人口の拡大に成功している「森の巣箱」の事例について紹介されました。
はじめに「過疎化が進み、集落が消滅するのではないかという危機感から住民主体の取り組みが始まった」と、廃校施設の活用に至るまでの取り組みが語られました。また、後半には参加した浦島地区住民との意見交換も行われ、参加者から「森の巣箱」の運営方法等に関する質問や「浦島地区は地域資源が豊富なので、逆に(活用方法の)模索するのが難しい」という声がありました。
これに対して、講師から「あるもの探しを上手く活用したら面白いものになるのではないか」と、旧浦島小学校の施設利用を考える上でのアドバイスがありました。
浦島小学校の閉校から間もなく2年が経過しようとしています。今後、振興会では他の先進事例について学ぶとともに、取りまとめた意向調査の結果を参考にしながら、旧浦島小学校の施設利用の可能性を模索していきます。JVCは、振興会のこうした取り組みを引き続きサポートをしていきたいと思います。