この日の午後は、朝市に参加しているヤナーン村・ノンテー村の共同農園を訪れました。
ここの共同農園に参加しているのは約20世帯の村人たちで、一世帯一畝(うね)を任されています。炎天下の中、お母さんたちが黙々と作業を続けていました。
よく見るといろいろなところに工夫が見られました。
たとえば、畝の周りにマリーゴールドを植えて虫除けにしたり、葉物野菜の間に、サトウキビの残りかすを利用して、ベトベトさせたものを板に塗りつけたものを立てて、虫がくっ付くようになっていたり、土の上にワラを乗せて雑草が生えるのを防止・土の湿気を逃さない・ワラが分解されて土に還っていくという方法をとっていたり。農民の人たちの知恵が集まっていました。
午前もお世話になったこの村出身のチュアムさんは言います。

「どんなに偉い人でも毎日ご飯を食べないと暮らしていけない。その食べ物は誰が作っているのか? それは農民だ。だから農民はもっと誇りをもっていいはずだ」
なるほど、確かにそのとおり。ここでは、子どもたちにも興味を持ってもらえるように、親が農園で働きに来るときには自分の子どもも連れて来るようにしているそうです。農園で働くお父さん、お母さんの姿を見て、たとえ大人になって農民にならなくても農業の大切さを知っていてほしい、そんな思いが伝わってきました。