朝7時、コンケン県ポン市で開かれている朝市を見学しました。
この朝市は、ポン郡内の6地域の村から有機野菜や魚、鶏肉、お惣菜(そうざい)が並ぶ市場で、毎週月曜日と金曜日に開かれています。村の中で採れるものとあって、普段、私たちが目にすることのない食材も多く並んでいました。ここ東北タイでは虫も大事なタンパク源として古くから食されてきました。この市場でも、コオロギや小さなイモ虫などが所々で売られています。
初めてのコオロギの揚げ物に戸惑いながらも口に入れてみる参加者たち。「あっ、エビの味に似てる!」という声もあがりました。

朝食は参加者が手分けしてお買い物をしました。タイに来てまだ3日ですが、だんだんに値段を聞いたり数字を聞き取ったりできるようになってきています。すごい!
続いて、この朝市の運営をしている市場委員会の委員の皆さんと交流しました。2005年までJVCと共に協力しながらプロジェクトを進めてきましたが、もう今では自分たちの手で朝市の運営を回しています。
その秘訣を市場委員会の副委員長のチュアムさんはこう言います。

「JVCは何かを教える“先生”として来たのではなくて、同じ目線で仲間としてやってきた。そこが他のNGOとの違いだと思う。JVCはタイ国内外の“自立”や“循環型社会”を目指した活動を進めているいろいろな場所に連れて行ってくれた。そうした研修を通じて、自分たちにとって本当の幸せは何だろう、自分たちが本当に大切にしたいものは何なのかということを真剣に考えてきた」
参加者からは、「市場委員会や朝市に参加しているお母さんたちの元気な姿が印象的でした。小さなきっかけとしての研修の成果がいまこうして現れていることに感激しました」といった声や、「タイのことをあまり知りませんでした。今日、こうして皆さんとお話してタイの農業のことが少し分かりました。知ること、そして人と話をすることはとても大切なこと。タイでもこうした活動を知らない人たちに朝市の良いところを伝えていって、同じようなグループが増えるといいなと思いました」