\n"; ?> JVC - 農村派遣研修 - タイでの活動 - 5ヵ国での活動
タイでの活動

農村派遣研修

2021年9月28日 更新

JVCは2021年3月をもって、タイでの活動を正式に終了しました。 長年にわたるご支援を、誠にありがとうございました。

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国際協力に関心を持つ日本の人々が増えている中、アジアの農村と日本の繋がりを見つめ直し、アジアの農民の視点から開発や国際協力を考えることが必要とされています。JVCは、タイの農村に長期間滞在する研修プログラムのほか、短期訪問型のスタディーツアーを実施して、持続的な社会の実現に向けて実質的かつ積極的に取り組む人材を育成してきました。

この農村派遣研修は大きく二つのプログラムに分かれており、タイの農村体験やタイNGO訪問などの内容を盛り込んだ1週間からのスタディーツアー(春・夏開催)、タイの農村に7ヶ月~1年間滞在し、そこで暮らす人々から国際協力や開発を学んでいく「タイの農村で学ぶインターンシッププログラム」を実施しました。

タイNGOや農民から学ぶスタディーツアー、短期研修

国際協力やNGO、農村・農業に関心がある人を対象に、約一週間程度のスタディーツアーを毎年2回実施しています。スタディーツアーの中では、NGOの活動地訪問や農家のホームステイ、農作業体験などを実施しました。

こんな人が活動に参加していました

タイ事業:スタツア参加者

タイスタディーツアー参加者(2011年2月参加)
参加者:大学生(男性)20代

「ツアーに参加し良かったことは、現地の実態、またそこに住む人の考え方、生き方を肌で感じることが出来たことだと思います。ごみ処理場では炎天下の上、体に悪影響を及ぼす粉塵が舞う中で仕事をしながらも、家族、親戚を支えに頑張っている人たちがいました。ポン郡の農村ではホームステイ先の家庭で本当の家族の一員のように受け入れてもらい、クロントイ地区のスラム街では私たちと同年代の若者と対話し、社会活動を次世代に繋げていきたいという思いの強さや志の高さを知りました。
ツアー参加以前は、自分たちは援助する側という認識でした。しかし、それはとんでもないことで、対等な関係である事を改めて感じました。本やネットの情報ではなく、実際に見て体験したことは、本当に自分の活きた考えとして身に着きます。このツアーで得たことを生きる上での糧とし、人と共有していきたいです」

活動紹介

2011年2月 タイスタディーツアー催行(1週間)
1週間、東北タイにてスタディーツアーを催行。参加者は大学生や社会人を合わせて6名。タイのNGOが活動する現場や有機農業の活動をする農村にホームステイするなどの体験をした。外部のNGOとそこに住む人たちが本当に対等であるべき姿はどういうものかをタイの人々から学んだ。

活動概要

目的タイの農村・農業体験、タイのNGOを通して国際協力を学ぶ
期間毎年春夏2回~3回
活動分野人材育成
活動地域タイ東北部、バンコクなど
関連団体カオデーン農園、NGO-COD イサーン支部、ポン有機農産物市場ネットワーク

タイの農村で学ぶインターンシッププログラム

国際協力や自然環境保護などに関心がある人を対象に、タイの農村に中長期滞在し、そこに暮らす農民の視点から「開発」や「国際協力」がどのように捉えられているのか、どのような影響を与えているのかを学ぶ研修プログラムを提供していました。この研修プログラムを通じて、タイと日本のつながりを見つめ直し、持続的な社会の実現に向けて実質的かつ積極的に活動する人の育成に取組んできました。

国際協力や開発活動を行う上で、「相手の文化・習慣を尊重すること」や「住民主体の開発」といった事がひろく謳われています。しかし、開発学など机上で学んだ知識だけでは現地住民の暮らしぶりや文化、慣習を十分に考慮した活動は行えないばかりか、ときに現地住民の暮らしを壊すことにつながります。

そもそも「途上国」と呼ばれる地域の開発がなぜ必要で、誰が何のために、どのように行うべきものなのでしょうか。本当に役に立つ「開発活動」はどうあるべきなのか、そのために私たちは何を知らなくてはいけないのか。こうした根源的な問題意識に立ち戻って、国際協力の対象となる現地住民の視点に立って、もう一度考えるのがこのプログラムです。

プログラムを実施していく中で、日本で自分が意識せずに行ってきたことや、生活のあり方、自分の考え方が、少なからず途上国と呼ばれる国に影響し、その影響が知らぬま都市と農村の格差を生み出している現状について、当事者の立場に立って感じてもらいたいと考えています。自分のこれまでの価値観や今まで机上で学んだ知識を一から問い直し、これから先の新たな道を見つけるように参加者とJVCが共にプログラムを作っていきます。

こんな人がインターンとして活動していました

タイの農村で学ぶインターンシッププログラム修了者

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下田寛典さん(4期インターン、JVCスタッフ)
「現在、JVCスタッフとして、タイ事業、コリア事業、アフガニスタン事業を担当しています。インターンでの生活は、言葉の壁や習慣の違いにぶつかりながら試行錯誤の毎日でした。熱帯の暑い気候の中、毎日、農園に出て汗を流す農民の逞しさを知りました。国際協力の現場で支援するといった時に、そこに住んでいる人たちの暮らしぶりや地域に対する想いを体感や実感として理解しておかないと、机上の空論で終わってしまいます。国や地域は異なっても、このプログラムで学んだ「そこに住む人たちの声に耳を傾ける」という基本姿勢は今も変わりません」

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吉澤武志さん(6期インターン、地域NPOスタッフ)
「現在、宮城県の農村で地域の住民自治組織の事務局長として、地域づくりに奮闘しています。タイの農村で過ごした中で、『人が生きるとはどういうことか』『人生を楽しむ方法』『自分とタイの農民とのつながり』を学びました。それらは現在の仕事上においても、どのような方法や視点で自分の住む地域を活性化させていったらいいのかという点で生かされています。このプログラムは、講義や本など他人から聞いたことではなく、自分の考えを持ち行動する人を育てるには相当効果を発揮するものだと思います」

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有田ゆり子さん(9期インターン、大学院博士課程)
「現在、大学院で国際的な自然保護の取り組みや自然資源問題について研究しています。このプログラムに参加して、ODA等の外国からの支援が支援される側の人々の視点に立つべきだということを学びました。研究者という立場から、自然とともに生きてきた人々を理解し、その昔ながらの暮らし、そこに息づく文化、貴重な資源を、豊かなままに次の世代に引き継げるように国際協力活動や政治を支持できる人になりたいと思っています」

活動概要

目的タイの農村を舞台として、持続的な社会の実現に取り組む人材の育成
期間毎年(1年間もしくは半年)
活動分野人材育成、経験交流
活動地域タイ東北部、日本
関連団体カオデーン農園、SAF Thailand(タイ持続可能農業財団)、アースネット財団など