\n"; ?> JVC - 日本国内の有機農業運動の実践を学ぶ 2018年度交流プログラム その2 - 農村からの風便り ~日本・タイ~

日本国内の有機農業運動の実践を学ぶ 2018年度交流プログラム その2

タイ事業担当 下田 寛典
2019年4月15日 更新

10月30日から11月3日までの5日間、埼玉県比企郡小川町に滞在した。日本の有機農業のパイオニア・金子美登氏が活動する小川町は今では「有機の里」と呼ばれるまでになった。今回、農家以外にも地元のスーパー、レストラン、豆腐工房、保育園、小川町役場を訪れ、「有機」をキーワードにそれぞれの実践の中から、生産者と消費者の間をつなぐ役割を考えた。以下は小川町で学んだタイ参加者たちの声である。

日替わりレストランの店頭に並ぶ小川町産有機野菜日替わりレストランの店頭に並ぶ小川町産有機野菜

次世代につながる有機農業

金子美登さん(霜里農場)を中心として広がった理念は、小川町の様々なセクター(行政、生産者、商店、スーパー、レストラン等)が繋がり、地域をつくりあげている。

霜里農場の初期研修生であった田下ご夫妻が営む「風の丘ファーム」は、金子さんの次の世代を担う存在となっており、更なる次世代(新規就農者)のよきサポーターになっている。金子さんの思いを受け継いだものが途切れずに次世代に繋がっていっている様子をうかがうことができた。

風の丘ファームの田下さん(右端)風の丘ファームの田下さん(右端)

多様なセクターによる協働

タイにおける有機農業普及の歴史は日本同様に長いが、地域内の多様なセクターが主体的に関わる形はまだ例がない。スーパー、飲食店(ベリカフェ、とうふ、わらしべ、)は、生産者ではない立場から積極的に良い地域をつくりあげようとしている。こうした生産者だけではない各セクターが協力しあい地域全体として地元の自然資源の価値を最大化させている点には非常に学ばされた。

スーパーでは小川町産の野菜を置く特設コーナーがあるスーパーでは小川町産の野菜を置く特設コーナーがある

教育の場としての有機農業

小川保育園訪問では、子どもの教育について考えさせられた。私たちの活動も「有機」をキーワードに地域のキッチンとして、子どもたちに食育の場を提供していくことができると思う。

小川町の農産物を使った給食を試食させていただいた小川町の農産物を使った給食を試食させていただいた

次回は、栃木県・千葉県での交流の様子をお伝えします。

本事業は国際交流基金アジアセンターの助成を受けて実施しました。