南相馬日記
久しぶりにつながっぺ南相馬のサロンを訪問しました。西町第一と寺内塚合、千倉の3箇所の仮設住宅の集会所にあるサロンです。それぞれが、昨年の1月から2月の間にスタートしました。サロン管理者もすっかりそこの『顔』になって、訪れる利用者を和ませています。
震災から2年目。先日の3月11日に築地のライブハウスBLUE MOODでJVC主催の「福島支援 Jazz and Tangoコンサート」が開かれました。演奏をしたのは福島県相馬市出身のジャズ・ベーシスト木田浩卓さんを中心に、3・11以降結成されたJACROTANGS。
震災から2年目を迎えるこの日に福島に思いを馳せ、身近に感じてもらう場としてこのコンサートを開きました。
コンサートに先立ち、冒頭に南相馬担当の谷山由子が現地報告を行ないました。JVCが現地の団体と共同で行なっている仮設住宅における常設サロン活動や、南相馬ひばりエフエム(南相馬災害FM)の活動を紹介しました。
コンサートには50人を越える人が来場。タンゴをベースにした曲が8曲演奏されました。そのほとんどは木田さんの作曲。故郷福島に思いを馳せたオリジナル曲は時に力強く、時に情緒にあふれ、聴衆を彼の美しい故郷福島に引き込んでいきました。

新年初めての南相馬出張3日めで、初雪が降りました。天気予報では、平野部で10センチは積もると言っていたそうですが、それ以上と思うほどの積雪で、なれない弓木道での車の運転にびくびくしながらその日は移動しました。
小正月でもある成人の日の1月14日に、小高区の耳谷(みみがい)地区で開かれた餅つき大会を見てきました。天候の関係で避難先からの移動が難しく地区の方の参加は残念ながら多くはありませんでした。地元の行事というよりも南相馬で稲田を復活させようと福島の有機農業関係者やNGO関係者、研究者の方々が小高区の有機農家、根本洸一さん(75歳)を中心に集まり、気持ちを新たにした、という集まりでした。
去る12月中旬に災害FM局が集うワークショップを開催しました。参加したのは北から大槌災害FM、陸前高田災害FM、おながわ災害FM、なとらじ(名取)、南相馬ひばりエフエムの5局。地元南相馬ひばりFM、特定非営利活動法人FMわぃわぃ、特定非営利活動法人BHNテレコム支援協議会、JVCの四者の共催です。
東日本大震災以降、全国で37局の災害FMが開局。その多くは今後災害情報だけを伝えるに留まらず、市民の意見や思いを共有するコミュニティ・ラジオとしての役割を担い始めています。また、災害情報を伝える際にも現地密着型のきめ細やかな情報伝達が期待できます。
中には震災以降1年を経過して後に発足する災害FM局もあるほどです。
2012年11月21日(水)鹿島区のさくらホール(500席)で開催された南相馬市復旧・復興市民説明会に参加してきました。
標記の説明会は、昨日の原町区での開催に引き続き開かれたもので、ちょうど南相馬に視察にいらしていた支援団体の方と参加してきました。
会は18:30からおよそ2時間開かれ、前半1時間で行政側からインフラや復興計画に沿った新しい事業の進展について、また除染の状況についての説明、後半の1時間をつかって質疑応答が行われました。
この日、南相馬の有機農家、杉内和子さんと市内の放射能測定所2か所を回ってきました。
やはり、日々進歩していますね。
最初に行ったJAそうまの"旬のひろば"では、2週間前から3分で出荷物の食品検査ができる機械を導入したそうです。和子さんもしばらく検査に来ていなかったので初めて見たと言っていました。生産者が出荷しやすく、購入者も安心して地元産の物が手に入れられる仕組みができてきた、ということでしょうか。
JVCは、南相馬市鹿島区の仮設住宅7か所でサロン運営の手伝いをしています。その中で、それぞれの仮設住宅の自治会長さんとの協力は欠かせません。今日、その自治会長さんのうちのお一人、千倉仮設住宅の自治会長である泉 勝明さんに、ご自身の自治会長のお仕事や他の仮設住宅の自治会長さんとのネットワークについてお話しを伺いました(2012年10月30日)。
10月も最後の月曜日、南相馬の山あいの仮設住宅で、またひとつ新たにサロンが開設されました。これまで3つの仮設住宅で一緒にサロンを開設し運営してきた地元の団体"つながっぺ南相馬"が、単独で助成金を受け開設した初めてのサロンになります。
朝9時半から開いたサロンは、昼までに30人以上の人が訪れ、これまで顔は見ても言葉を交わしたことのなかった人どうしが声を掛け合い、テーブルを囲んで話に花を咲かせていたそうです。
今日は「ひばりFM」(南相馬災害FMの愛称です)のチーフ・今野聡さんとの話し合いです。
ひばりFMのもっとも大きな課題のひとつは、南相馬市内の難聴取地帯の解消でした。送信施設の問題で、仮設住宅の多い鹿島区、警戒区域が再編された小高区で、電波が届きにくい地域があったのです。JVCなどは協力して、送信設備の高台移設を進めてきました。9月13日に移設工事が一応終わり、新設備からの送信を開始しました(この機会に、FM放送の周波数を87.0MHzに変更)。その結果、南相馬市のほとんどの地域で、FM放送を聞くことができるようになりました。今野さんからはそのことへの感謝と、新設備がまだ安定していないことへの不安を聞きました。
2ヶ月ぶりの南相馬です。
3月に一区切りつけたあとも、月に1週間程度は南相馬に来ていました。事情があって8月には来れなかったので、できるだけ多くの人に会って、この間のことを聞きます。今夜は仮設住宅の集会室で「癒しのサロン」を運営している「つながっぺ南相馬」の今野由喜さんです。
今野さんは「つながっぺ」の活動を安定的に継続するために、NPO法人化を進めています。と同時に、支援団体に活動資金の提供を働きかけています。