南アフリカ通信
ドロップ・イン・センターのボランティアたちを対象に8月に行った「Pshycosocial Training(カウンセリング研修)」で研修講師団体のFAMSAより「子どもをケアするボランティアたちが知っていることはとっても大切だから」と提案された「メモリーボックス」づくり。10月16~18日、13名のボランティアが参加して、そのワークショップを行いました。
「メモリーボックス」とは、大人が主に子どもたちのために自分が死んだ後に必要な情報を入れておく箱のことです。例えば、自分の人生や家系のこと、親戚で子どもたちの世話をしてくれる人のこと、あるいは世話をしてくれる人に向けてもし子どもが病気を抱えて薬を飲んでいたりすればそうした情報も入れておきます。エイズで若い人が亡くなりがちな南アではとても大切なことで、特に貧困を抱えた家庭などでは、子どもたちが身寄りのないままにならないようにする役割も果たしてくれます。これをまずはボランティアたち自身が作ってみようという企画です。
前回お伝えした「エイズ治療研修」、前回の報告だけ読むとさぞマジメに研修を受けているように思えます。確かにみんな非常に熱心に研修を受けていますが、講師はいかに飽きさせないように情報を伝えていくか工夫をこらしていて、楽しい時間も用意されています。今回は音楽好きな南ア人ならではの一幕がありました。「エイズになった」と診断される基準となる病気の種類とその症状を歌に乗せて覚えようというのです。グループワークが行われ、各グループともゴスペルのメロディやラップのリズムに乗せて作詞したものを披露しました。たとえば・・・
ラップ調で⇒「帯状疱疹、腰の周りに発疹できて、ぐるっと一周するけれど、つながって輪にはならない、なぜならば、帯状疱疹 神経に沿ってできるけど、神経は ぐるっと一周 つながってないから。水ぶくれ、できるけど、治療できる。病院にいこう、病院にいこう」
ゴスペル調で⇒「カンジタ肺炎、カンジタ肺炎、肺の感染症のひとつです~、菌によって感染します~、症状は、咳が出て~、咳のときには背中がとっても痛いです~、そしていつもとっても疲れているの~、歩くのも困難で~、薬は●●を飲みましょう~」
去る9月9~20日、現地パートナー団体・LMCCのスタッフ、在宅介護ボランティア、子どものケアをするドロップ・イン・センターのボランティアに加えて、今回は初めて地域住民の方にも声をかけ、総勢60名を対象に、エイズ治療に関する研修を実施しました。
今回カバーされたトピックは、大人/子どものARV(エイズ治療薬)の服薬方法、母子感染予防、ARVの副作用や新しい薬の種類、HIV/エイズのステージ(症状によって4段階にわけられます)、体の構造と免疫機能など医学的な内容のほかに、栄養とHIV/エイズなど生活に関するトピック、ポジティブ・リビング(HIV感染と前向きな生き方・・といったところでしょうか)、ドラッグとHIV/エイズ、レイプとPEP(Post Exposure Prophylaxis:レイプをされた人の予防方法)など社会的な内容も含まれていました。
ボランティアたちにとっては昨年9月に続いて二度目の「フォローアップ研修」にあたります。このため研修内では、この一年間を通じて疑問に思ったことや困っていることが共有されました。
例えば、
「HIV感染した人とセックスした翌日にHIV検査を受けたら感染しているかどうかわかるのだったっけ?」
⇒No。一日では感染はわからず、あなたがすでに感染していないかぎりは「陽性反応」は出ません。
「初めて受けた検査でHIV/エイズのステージってわかるものなの?」
⇒Yes。症状や免疫力を表すCD4カウントの数値などの情報でわかります。
などなど様々な質問が出されました。
中には
「ARVを飲むと男性の胸が女性みたいに大きくなるってほんと?」
などという質問もありました。これは「Yes」で、南アフリカのHIV陽性者が現在服薬するARVの中にD4Tという薬が含まれますが、この薬の副作用として男性の胸が大きくなると報告されています。このため、現在TAC(Treatment Action Campaign)というHIV/エイズに関する課題に取り組む南ア最大のNGOが南アにおけるこの薬の使用を廃止していくよう政府に要求していますが、一方で、すでにD4Tを服薬して治療がうまくいっている陽性者も多くいるため、政府としてはすぐに廃止するのは難しいとしいています。実際、私たちが活動している村でもこの薬を飲んでいる陽性者の方がたがいらっしゃいます。
パートナー団体LMCCの運営するドロップ・インセンターで、地域の子どもたちのケアにあたるボランティアを対象に実施した「Pcychosocial Training(カウンセリング研修)」の修了証授与式を、8月29日に実施しました。
当初は、授与式を事業地の一つボドウェ村で実施する予定でしたが、研修を提供してくれた団体FAMASAから一本の電話が。
「今までいろんな研修をしてきたけど、こんなに一生懸命とりくんだグループははじめてだったの。何かスペシャルなことが、できないかしら?」 と。
2日間電話であ~だ、こ~だと相談した結果、FAMSAが事務所を置くザニーン(Tzaneen、JVC事業地から車で2時間ほど)に出向くことに。そして、そこまで行くのならと、FAMSAの紹介で近隣で菜園活動や地域の子どものための活動をしている団体を紹介してもらい、交流の機会も企画することになりました。
JVC南アフリカ事務所では、外部から研修講師などを呼ぶと、一度は事務所で夕食をともにする機会をもつのが恒例になっています。研修は一回だけではなく、そのあとのフォローアップも含め、講師のみなさんとは長いお付き合いになることも。仕事からちょっと離れてお互いを知り合ったり、情報交換をする場として、そしてお互いの食文化を知る場として、毎回好評を得ています。
この日は、カウンセリング研修を担当してくれたFAMSA(Families South Africa)のトレーナー3人が、事務所に遊びに来てくれました。「お箸を使ってみたい」「牛肉が食べられない」など事前のリクエストを聞いていたこの日のメニューは、ピーナツソースの棒棒鶏風サラダ、豚大根、チキンケバブ、なすとひよこ豆のカレー、ごはん。南アフリカでもポピュラーなカレーと、ちょっとした日本食も取り入れて、おもてなし。大根とサラダに使ったレタスは、パートナー団体LMCCの有機菜園で育ったものです。
3月に実施された「Psychosocial Training(カウンセリング研修)」の第一回目に続いて、二回目の研修を、7月22~26日の5日間で実施しました。
今回の研修は、とくに「子どもの保護(Child Protection)」に焦点をあてます。研修に参加したドロップイン・センターのボランティアの中には、長い人で5年以上活動をしている人もいます。それでも、子どもの権利や、虐待が疑われる子どもにどのように対応したらいいのかなど、今まできちんと学んだことはありませんでした。そのせいか、研修はじめの期待を共有するセッションから、みんなの関心の高さがうかがわれます。
今年1月に入ったばかりの経理担当職員アルバートが、6ヵ月で退職しました。といっても、なんと公認会計士になるための奨学金に選ばれてのこと。全国で25名、リンポポ州からはたった一人だけ選出されたそう。
南アフリカでは、歴史的に教育の機会が限られていたことや、今でも高額な学費が理由で、未だに黒人の公認会計士は数百人程度しかいないと言われています。彼の掴んだチャンスは、本当に人生を大きく変えるもの。これから4年間、首都プレトリアの大学で、家族と離れて勉強に励むことになります。
一つの国に暮らす3分の1をもの人に影響を与えるような惨事でも、なかなかニュースにはならない。日本でもあまり報道されていないようですが、ここ南アフリカのニュースでもあまり取り上げられていません。
南アフリカの隣国ナミビアで、30年ぶりの大干ばつに襲われ、国民の3分の1にのぼる78万人が食料不足に、10万人以上の子どもが栄養不良に陥る危機にあるという。ナミビア政府はすでに5月の段階で緊急事態宣言を出していたが、十分な支援が集まっていない。
ナミビアは90年に南アフリカから独立。人口200万人。農業は主要な産業ではないが、国民の約30%が自給農業に頼って暮らしていると言われている。ダイアモンドなどの鉱山資源が豊富ではあるが、国民の4分の1が貧困層。
ロイターの記事はこちらです。
Northern Namibia suffers worst drought in 30 years
今日は、今週からはじまる子どもの世帯調査にむけたミーティング。
ドロップイン・センターのボランティアが一同に集まり、調査内容を確認し、家庭を訪問するとき、質問をするときの注意事項などを話し合いました。
9:00からはじまったミーティング。11:00を過ぎて休憩をとると、みんなそそくさに木陰に消えていきます。着いて行ってみると、おべんとうを広げて少し早いお昼を楽しんでいました。そこでちょっと覗き見。
JVCが活動するリンポポ州は、フルーツの産地としても有名。
とくに南東地域は「Doll」など大手企業の委託農場も立ち並びます。
私たちが事務所を置くベンベ地域は東南部に比べ雨量が少ないものも、どの村でもさまざまな果樹が季節ごとに実をつけます。
6月は、一番待ち望んでいるシーズン!
それは、アボカドの季節です。
この時期マーケットでもアボカドは10個で約200円ほどで買えます。事業地に行けば、木の下に熟れたアボカドがごろごろ落ちていて、「いくらでも持って行っていいよ」と言われ、お土産に、困ってしまうほど持たされることも。
そしてこの季節、村で出される昼食の定番は「アボパン」。食パンにアボカドを塗り付けていただきます。日本の私たちにとってはなんて贅沢!こちらでは、普段安いマーガリンをパンに塗って食べることが多いので、栄養化を考えても抜群!同時に、「今日は研修にくる交通費が手元になくて、朝道端でアボカドを売ってから来た」という話しを聞くことも。貴重な収入源にもなっているのですね。
このあとも、オレンジ、パパイヤ、ライチ、マンゴーと、嬉しい季節のフルーツが続きます。