3月に実施された「Psychosocial Training(カウンセリング研修)」の第一回目に続いて、二回目の研修を、7月22~26日の5日間で実施しました。
今回の研修は、とくに「子どもの保護(Child Protection)」に焦点をあてます。研修に参加したドロップイン・センターのボランティアの中には、長い人で5年以上活動をしている人もいます。それでも、子どもの権利や、虐待が疑われる子どもにどのように対応したらいいのかなど、今まできちんと学んだことはありませんでした。そのせいか、研修はじめの期待を共有するセッションから、みんなの関心の高さがうかがわれます。
5日間の研修でさまざまなトピックをカバーする中、印象に残ったのは、子どものResilience(リジリアンス=回復力)について。HIV/エイズで親を亡くしたり、遺児として預けられ経済的に困難な状態にあったり、虐待を経験したり、そんな子どもたちがそれでも希望を持って前に進んでいくためには、どのようなサポートが必要なのかを考えました。
研修の中では、聞き慣れないResilienceという言葉を、小さなゴムボールを使い、そのボールが床に落ちても跳ね返ってくる様子に例えて、「辛いことがあってもそれを跳ね除けるチカラのこと」と説明していきます。では、そのような子どもを育てていくには、なにができるのか?
子どもたちが安全と思える場を提供すること
子どもたちの話しに耳を傾け、関心を示してあげること
さまざま々な人とコミュニケーションをとるように促すこと
間違えるチャンスを与えること
毎日の生活の中で一定の(繰り返される)リズムをつくること
毎日放課後にやってくる子どもたちに、ドロップイン・センターで提供できることが意外と多くあることに気づいたボランティアたち。
ボランティアたちにとって、子どもたちの直面する困難な状況を未然に防ぐためにできることは限られていることも多く、無力感を感じるという声を聞くことがあります。でも、何か起こった時に、また前に進めるための手助けならば、自分たちにもできると目を輝かせて聞き入り、具体的な子どもたちの例を挙げて、質問をしていました。
子どもたちと一緒にできるアクティビティの一つとして提案され、時間がなくできなかった「メモリー・ブック」つくり。楽しかったことや、両親や周りの人が与えてくれたギフト(心に残る想い出)をアルバムのような形にして残すことで、自分のアイデンティティーを確認したり、大切な人たちへの帰属意識を強め、安心感をもつ作用があると言われています。リジリアンスを高める効果が期待できます。これを研修のフォローアップとして、まずはボランティアたち自身が作ってみようということになりました。
ゆくゆく子どもたちみんなのメモリーブックが出来上がる日が、今から楽しみです。
この研修では、他にも以下の内容をカバーしました。子どもの虐待の報告を受けた際の対処方法などについて、今後実践的な場でのフォローアップも行っていきます。
今回の研修でカバーしたトピック一覧
- 子どものための社会心理的(Psychosocial)サポート
- 子どもの回復力(Resilience)を育てる
- 子どもの保護(Child Protection)
- 南ア国内の子ども保護法、人権法
- 子どものニーズ
- リスク下にある子どもたち
- 子どもの虐待、保護放棄、搾取/サインと兆候
- 性的犯罪法、DV法
- 子どもの虐待の予防、早期介入、法的レファレンス方法、アフターケア
- コミュニケーションスキル
- 子どもケアボランティアのデータ収集