ラオススタッフ徒然日記
7月19日は雨安居入り。この日から90日間は、雨季の盛りで動植物の命が輝き、少し道を歩いただけでも虫を踏んだりして殺生をしてしまうかも知れないので、お坊さんが1か所に留まって遊行に出かけないとされています。この日はJVCはお休み。早朝からあちこちの寺に人々が集まり、お坊さんに托鉢をします。
前回のおばあさんとの会話で出てきたビン(※カゴのような魚を獲る道具)ですが、いったいどんなかたちをしていて、どんなモノが獲れるのでしょうか。まずかたちは丸くて直径はそれなりに大きく、網が張ってあるものです。中を見せてもらうと、小さなドジョウのようなものの他、貝や水棲昆虫が入っていました。
前回脱輪した車を見事脱出させてくれた話、そしてそこで私が感じた"ラオスらしさ"のようなものについて書きました。みんながそうではない、と言われるかも知れませんが、これが日本で起きていたら私はあっさりJAFを呼んでいたかも知れません。それは、日本にそういう素晴らしいシステムがあるからでもあると同時に、気軽に人に、ましてたまたま通りがかった人にも、助けてもらうことを、色々な意味で日本では期待しないからでもあります。
久々に執筆再開の徒然日記ですが、実質最初の日記はご覧の通り町中の写真。ラオスときて、特にJVCのラオス事業ときてみなさんがイメージなさるであろう森林でも河川でもない、町中の、しかもなにか脱輪した車の写真。
実は先日車を運転していて、あるお店の前で駐車したら、下水道の蓋の一部が無くなっており、脱輪してしまったのです。さて困った私はスタッフに電話しました。5分で来てくれたスタッフは、近くから木材を見つけてきてタイヤの下に敷き、棒の端に乗っかってテコの原理でタイヤを持ち上げました。そしてあたりにいた人たちに声をかけて車を持ち上げ、見事脱出させてくれました。
みなさん、こんにちは。ラオス事務所現地代表の平野です。2008年11月から2012年5月まで、やはりラオス事務所に駐在し、徒然日記を書いていました。2回目の駐在、久しぶりの執筆再開です。え、なんですか?ラオスがよっぽどお好きなんでしょうね?さて、どうでしょう。旅行先なら別ですが、ある国に何年も仕事で関わって、無邪気に"大好き!"なんてことあるでしょうか。え、なんですか?嫌いなら2回も駐在しないだろう?そうですね。それは否定しません。
そんなこんなで2回目の駐在の平野がお送りする徒然日記。2回目らしく、より読み応えのあるになるでしょうか。それとも様々な驚きに満ちていた最初の駐在と比べフレッシュ感の乏しい、ただの淡々とした日記になるのでしょうか。ま、それでは人様に読んでいただくものではありません。初めての駐在の頃とはまた違った、ラオスへの愛憎に満ちた(?)深みのある内容を目指します。あ、でも徒然日記ですから基本は徒然なるままに記します。
これから週1回程度のペースで日記をお届けしていきます(日記と銘打ちながら週1回ですが、それはご容赦ください)ので、宜しくお願い致します。
お風呂に続いて、トイレ。
私たちの対象村にはトイレがないところが多くあります。私は青空トイレは慣れっこですが、驚いたのは「村にトイレがない」ということです。どういうことかというと、これまで途上国などで青空トイレをしたのは、居住エリアから離れた、木々が生い茂る道中などで、人が集まって住んでいる場所ではなかったのです。ところが、活動対象村は村を形成し、50世帯、大きいところでは100世帯以上もの家族が集まって暮らしているにも関わらずトイレがありません。
村では少し歩いてもすぐお隣の家、あるいは隣の隣の家、と四方をどこかの家に囲まれているため、どこに向かって場所を探せばいいのか見当がつきませんでした。今も毎回場所探しに困り、最近は鈍感になること(人がいても自分から見えていなければOK)で対処しています。ただ雨の時はどうしているのか濡れながら用を済ませるのかどうするのか不思議です。
これは平和の証かもしれません。世界には夜にトイレに遠くに出かけるとレイプされ危険なためトイレが普及している国もあります。
ところが近頃セメントリングが転がっているのをよく見かけ、一体なんだろうと思っていたらトイレの材料であることが分かりました。某NGOの支援で設置中のようです。トイレができたら村の生活が大分変わるかもしれませんね。
フィールドに行く時はサワナケートから離れているので、活動する村の村人の家に泊めてもらいます。なので村人と同じ生活スタイルを送ることになります。
例えばお風呂。当然ホットシャワーはありません。井戸をゴキゴキして水をバケツに貯めて井戸の前で水浴びします。来月から寒そうです。
写真からご覧いただけるように、この井戸の周りに視界を遮るものが何もありません。屋根もないので先日は水浴び中に雨に降られ、着替えがあわやびしょ濡れになるところでした。おまけに写真のすぐ右はご近所さんの家です。
各家庭に一つ、ではなく共同の井戸なので、タイミングをずらして融通して水浴びしています。男性用、女性用という区別もないので、タイミングはよく見計らいましょう。
ちなみにJVCが支援して作った井戸では、衛生面から家畜除けの柵と地面にセメントを入れています。柵は家畜除けだけでなく、着替えなどを掛けるのに便利です。いずれにせよ、大きな空の下で開放的な、青空トイレならぬ青空水浴びもしくは星空水浴びが楽しめます。
やっと少しずつ雨が降り始め、稲の苗の準備を始める姿が見られるようになりました。活動村は中高地ラオ族のブルー族という民族で、今は水田に切り替えていますが伝統的に焼畑を行っていました。その名残か、独特な方法で苗作りが行われています。
一般的な稲の育苗法では、平らな苗床を用意し、そこに種を均一にばら撒いていきますが、彼らの方法では、棒で突いて穴をあけ、そこに種を落としていくのです。
一つの穴にかなりの量の種が入っています。発芽し育っていくとかなり密接した状態になりそうですが、一体どんな風に育つのでしょうか。
ここ2,3年で村にも小さな商店が出来始めているようです。ベトナム人商人が多いですが、中国から離れているこの地にも中国人も進出してきました。
これだけの品揃いのお店がドンサン村にはあります。
お店があると便利ですが、一方でゴミの収集のない農村部で写真にあるような個包装された商品が出回ることで自然分解されないビニール製品が残り、村が汚れていったり、渋味の多い林産物を好むラオスの村人がこういった世界中で出回っている画一的な商品の味に慣れていくことが残念に思えます。
一方、30メートルほど行った所にはラオス人の商店がありますが、このようなオープンスタイルではなく、どのような商品が置いてあるのか分かりにくくなっています。どう見てもベトナム人の商店の方が優勢で繁盛している様子。無理に売ろうとするのではないラオス人の柔和な性格が感じられますが、ラオス人もがんばってほしいですね。