農村からの風便り ~日本・タイ~
2009年から始まった日タイ若手農民交流は、これまでに、日本の農家がタイの若手農家の農園を訪問し、タイにおける農業の問題や社会問題に関して学んできました。
2011年の東日本大震災を受け、その後、タイの農家やNGOと話す中で、JVCはタイにおける原発建設計画を知りました。福島原発事故があったことで、一時的に計画はストップしていますが、これまでの経過の中ですでに4か所ほど建設候補地が挙げられています。タイの原発建設候補地はいずれも農村地域であり、JVCでは2012年から、タイ人を日本に招聘し、福島原発事故の「いま」を知り、原発リスクについて理解を深め、タイの今後の発展の方向性を考えるきっかけを提供するべく、福島訪問をプログラムに組み込み交流を重ねてきました。
6月23日、今年もタイから2名の方が来日されました。ひとりはタイのエネルギー政策の研究者で、もうひとりは原発候補地のひとつに挙げられている東北タイの農村からいらっしゃいました。
次に訪問したのがサムー郡にあるプイさんの農園。プイさんは半農半NGOを実践している31歳の女性。お父さんは有機農業を始めて25年のベテラン農家だ。現在では様々な研修を行なったり、テレビに出たりと大忙しである。
プイさんは有機農業を推進するNGOのフィールドスタッフであり、野菜や果物の自家採取の活動を行っている。有機農業に真摯に取り組んできた両親の元に育ったプイさんにとって、農業を始めることはごく自然なことだったのであろう。有機農業指導のために一年間ネパールに滞在したことのある経験の持ち主でもある。
「若手農民が多いのは北部だね。北部は活発に活動しているよ!」そんな話をタイNGOスタッフから聞いていた。北部は有機農業が盛んな場所でもある。そういうわけで今回、3月17日から20日にタイ東北部から農家4名と農業系NGOスタッフ1名が若手農民訪問 タイ北部ツアーを実施した。
東北部から北部チェンマイまで車で10時間かかる。行き帰りは深夜移動であった。北部は距離的にも遠く、何しろ時間がかかる。農民が自分の畑から数日離れるには腰が重くなる。しかし、北部にはまだ出会ったことのないタイ若手農民がいるのだ。そう皆に声を掛けると、行ってみようと盛り上がって今回のツアーに至った。
2010年から始まった日・タイ若手農民交流。これまで、タイと日本を行き来してきました。島根と千葉の農家がタイに行きました。私としても、殆ど縁のなかった島根。でも、関わってみると面白い人たちが沢山いるんです。
山に囲まれた中山間地の島根県浜田市弥栄町。自給の大切さを考え、弥栄に入ってきた新規就農者3名がいざ千葉へ!
千葉は東京近郊に位置し、都会から新規就農者で入ってくる若い世代が沢山います。また、今回千葉県成田市の農家を訪問しましたが、成田は空港闘争があった地でもあります。大規模開発から持続的な有機農業へ。そんな歴史を持った地でもあり、現在では有機農業に取り組む若い世代を多く見ることができます。
このどちらの地にもこれまで、タイとの行き来があったのですが、『お互いの農場に行ったことないよね』とのことで、そうだ!弥栄の農家が千葉に行こう!即決まり。
日タイ若手農民交流活動では、これまでタイと日本の農民が国を越えた交流を実施してきました。2011年10月1日、お互いの国が抱える社会問題を共に考え、考え方や生き方を伝え合い、国を越えた農家の仲間を作ってくことを目的とし、タイの東北部ヤソトーン県でシンポジウムを開催しました。
いよいよその日がやってきた。昨年の12月から企画をしてきたが、あまりにも前過ぎて実感が沸いてこなかった。ようやく日本とタイの農民による農民のための日・タイ若手農民交流農民シンポジウムが開催される。
1.島根の仲間と出会う(7月2日~4日)
今回、2010年2月と11月にタイで交流を行った島根県弥栄町の仲間が受け入れをして下さいました。所謂、日本の中山間地である弥栄町。タイで出会った人たちに弥栄のどの部分を見てもらおうか、事前にいろいろ訪問先を考えてくださいました。
タイ農家4名来日!!(2011年7月1日)
日・タイ若手農民交流では、若い世代のタイ農家と日本の農家が出会う場を作り、お互いに語り合いながら自分たちの抱える問題や課題を共有しようと取り組んでいます。
今回、タイの農家3名とNGOスタッフ1名が7月1日~7月8日まで来日し、島根と千葉の日本の新規就農者や農家のネットワーク団体を訪問し、交流をおこないました。