食べることが好きです。ここカオデーン農園でも毎日のようにご飯をおかわりしています。美味しいものを食べている時間は私の至福のひとときです。にも関わらず私は今までの人生で自分が食べてきたものが、どこで生まれどのような処理を経て目の前の料理や食材として存在しているのかを考えたことすら、ほとんどありませんでした。それがこのプログラムの参加を決めた理由の一つでもあるのですが、カオデーン農園にいると本当にたくさんの命を感じいただくことができます。
農園に到着した初日には、早速飼っているアヒルを捌きました。手順は以下の通りです。
1.宙吊りにして足を交差させる
2.羽を交差させて固定し、足をロープで結ぶ
3.首(頸動脈)を切る
4.血抜きをする
5.お湯に浸し、羽をむしる
6.焼いて、肉をもぎとる
7.肛門を切らないように注意しながら内蔵を取り出す
首を切られながらも暴れようとするアヒルには申し訳なさを感じましたがアヒルをさばくことに対して思ったより抵抗はなく、自分の手で捌いたことによって命の重みを実感し「いただきます」の意味も理解することができました。
私が家やレストランで食べる鶏肉の料理も(もちろんその他の食べ物も)、その先には同様に与えてくれた命があるはずなのに食材や料理として登場した途端、そんな事を忘れてモノとしてしか見ていなかったり、粗末に扱っていたように思います。
なるべく食べないことで彼らの命を奪わないようにする。と言うのは非現実的で逃避的であると思うので、命をいただくことに感謝して食べることが大切なのだと思います。
他には飼っていた豚も捌きました。こちらは直接最期の瞬間に立ち会った訳ではありませんが、私が朝の餌を与えてから数時間後には叫び声に近い鳴き声が聞こえ、その数時間後には家族みんなで解体し始めていました。
私も肉の切り分けの作業に参加しましたが、あまり実感は湧きませんでした。 このインターン中にもし機会があるのなら、辛いかもしれないけれど、育てた牛や豚の最期の瞬間を見届けてみたいです。そして自分の手で捌き、料理して食べるまでを経験出来たらと思います。
失われる命だけではなく誕生する命もあります。先週は仔牛が生まれ、初めて立ち上がり、歩き始める瞬間に立ち会うことができました。「生まれたての子鹿のようだ」という表現はよく聞きますしテレビなどで目にしたこともありましたが、実際に立ち会ってみると一生懸命頑張る姿は本当に感動的でそれを見守り、仔牛の体を舐めて促したり外敵を見張る母親の牛の姿も愛情を感じました。
カオデーン農園で飼っている犬のクッちゃんも最近娘ができました。三匹生まれた内の一匹が今もカオデーン農園にいます。お父さんのクッちゃんそっくりの模様で、名前は私と同じYuriです。生まれた順番に、私たちインターン生の年功序列制で名前がつきました。
最初は三匹の中でも一番弱々しく、そのまま息絶えてしまうのではないかと心配していましたが、日に日に元気になって最近では走り回ったり甘噛みしたり、一つ一つの動作が可愛くてみんなのアイドルになっています。残り少ないカオデーン農園での日々ですが、私もYuriもたくさん食べて学んで成長していきたいと思います。