タイでのプログラムが始まり約3週間が経ちました。この3週間カオデーン農園では、日本の都心部では経験できない自然との共存をしてきました。また、時に農園を離れて、様々な地域で活動するNGOスタッフや農業関係の方にも話を伺うことが出来ました。今回はその訪問先、朝市とランドフィル(ゴミ集積場)で感じたことを書こうと思います。
まず村の朝市では、農園で育った野菜と雄ブタを調理、加工して実際に販売しました。ここで一つ。野菜は土を耕し種を植え、毎日水をあげ、収穫します。ブタは住処を整え、毎日エサ、水を与え、食用に解体します。作業として表すのは簡単ですが、この一つ一つの作業行程の中にどれだけの時間や人手、知識を要するか。
私自身はそのほんの一部しか関わっていませんが、村の市場で野菜や料理を販売している人たちの大半は、その工程全てを自分たちで行っています。自分で一から手掛けたものを販売しています。町の大きな市場やスーパーマーケット、コンビニでは今や当たり前になっていますが、誰がどんな工程で、どんな思いで作っているかを知らずに販売しているのです。
5ヶ月後、自分が日本に帰ったらどんな食を選択をするでしょうか...。
次にランドフィル(ゴミ集積場)では、そのすぐ周り(スラムと呼ばれる地域)を生活拠点とする人々に交じって、一時間程リサイクルゴミの収集を行いました。ランドフィルには先が見えないほどの大量のゴミが山積みにされており、運び込まれた新しいゴミに人が集まっていました。そこに加わり、リサイクル出来るビニールや缶、ビン、プラスチックを選別していきました。
とはいえ、リサイクル品は腐り濁った水分が滴り、甘いような酸っぱいような臭いに覆われていました。ゴミの中には一般の家庭ゴミに加え、中身の入った缶詰や花火、髪の毛の束、姿そのままの鳥の死骸、点滴の容器等も混在していました。
その中で作業している人たちはリサイクル品を集めてお金と交換する、つまりここでの仕事が生活の一部になり、子どもたちも一緒にここで生活しているのです。そのスラムで活動している方によると、彼らは市からの一部インフラなどの支援もあり、今を生きる為の収入はリサイクル品を売ることにより得ている、とのことでした。子どもたちも学校に通っており、その場では一定の生活を送っていますが、その生活から脱したいという願望はあまり強く持っていないようでした。
本来、スラムとはそこに住む権利のない人の住宅密集地で、私は、そこに住む人はどうにかしてその生活から脱したいと思っているのだと考えていました。ここで生活する人を一概に可哀想だとか、助けたいだとか思うのは何か違うとは思いましたが、現状を維持しているこの状況も疑問に思えてきました。
ただ、言えることは、現状としてゴミ集積地が足りず、近隣の農地を借りて集積地を拡大する予定があるということ。農園での生活ではほとんどゴミは出ず、自然に返しているということ。それを知り、見て、これから私はどんな行動を選択していくのでしょうか。
この3週間、一部ではありますが、農園生活と他の活動訪問で食が産まれる現場から、廃棄される現場を見てきました。自然の循環する営みを知る一方で、人間の活動の矛盾を感じることにもなりました。農園での生活は残すところあと10日程になりました。村への派遣に向けて、農園で更に多くのことを見て学んでいきたいと思います。