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現地ブログ from パレスチナ

パレスチナ最新情報

パレスチナ駐在員が、ガザ地区の様子や東エルサレムでの活動、暮らしをお届けします。
ガレキを運ぶ男性。ガザ北部にてガレキを運ぶ男性。ガザ北部にて

2014年7月7日~8月26日までの50日間にわたるパレスチナ・ガザ地区へのイスラエルからの軍事行動は、パレスチナ側に、死者2,205人(市民1,483人)、負傷者11,099人の被害を出しました。

戦後、ガザでの失業率は50パーセント近くまで膨れ上がり、一日12時間以上の停電が今も続いています。また、封鎖以降の度重なる攻撃への人々の疲労と絶望が色濃い状況から、引き続き人道支援と問題の抜本的解決が望まれています。

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東エルサレムの一角に、2,800個の古タイヤと土で学校を作った人々が暮らしています。

古タイヤと土で作られた学校。壁には埋め込まれたタイヤが顔を覗かせています。2015年3月4日、著者撮影古タイヤと土で作られた学校。壁には埋め込まれたタイヤが顔を覗かせています。2015年3月4日、著者撮影
近くで見ると、壁がタイヤでできているのが分かります。2015年2月18日、著者撮影近くで見ると、壁がタイヤでできているのが分かります。2015年2月18日、著者撮影

この村の住民が古タイヤと土で学校を作った理由は、この村に学校を作ることが、イスラエル軍によって禁止されていたためでした。

イスラエル軍は、ヨルダン川西岸地区での支配を強めるため、多くの区域でパレスチナ人住民を強制的に移住させ、イスラエル人だけが暮らす区域へと変える計画を進めています。この集落も、この地域の中にあるため、学校建設・インフラ整備・住宅建設を禁じられています。

パレスチナ人集落(手前)とイスラエル入植地(奥)。入植地の建設により、住民は水場へ行くことができなくなり、高額な水道代をイスラエルに払わざるを得なくなりました。他方、イスラエル政府が支援する入植地には、学校・診療所・プール等が備えられています。2015年2月18日、著者撮影パレスチナ人集落(手前)とイスラエル入植地(奥)。入植地の建設により、住民は水場へ行くことができなくなり、高額な水道代をイスラエルに払わざるを得なくなりました。他方、イスラエル政府が支援する入植地には、学校・診療所・プール等が備えられています。
2015年2月18日、著者撮影

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バンクシーのグラフィティアートとガザの子どもたち。写真左は、JVC事業の視察に来ていただいた東京大学院医学系研究科の神馬征峰教授、右はJVC今野。(2015年3月6日、JVC金子撮影)バンクシーのグラフィティアートとガザの子どもたち。写真左は、JVC事業の視察に来ていただいた東京大学院医学系研究科の神馬征峰教授、右はJVC今野。(2015年3月6日、JVC金子撮影)

ガザ地区でバンクシーのグラフィティアート(壁の落書き)を見つけました。

バンクシーは、世界的に有名なグラフィティアートのライターで、ベツレヘムの分離壁に描いたグラフィティアートによって、パレスチナでも有名になりました。

この猫のグラフィティアートは、破壊された家で唯一残ったトイレの壁に描かれています。

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ガザの現実(2)-続く困難

現地代表 金子 由佳
2015年2月26日 更新

停戦合意から半年

封鎖後のパレスチナ・ガザ地区への3度目の大規模空爆・軍事侵攻の停戦合意が結ばれた2014年8月26日から約半年が過ぎた。JVCパレスチナ事業では、現地で 2014年10月からジャバリヤ市ビルナージャでの子どもの栄養失調予防事業を再開し、またその傍らで2014年12月末まで緊急支援を行った。

2014年10月1日に再開された子どもの栄養失調予防事業活動の様子2014年10月1日に再開された子どもの栄養失調予防事業活動の様子

「目の前の仕事だけではなく現地便りも書かないと!」と考え続けているうちにあっという間に4ヶ月が過ぎてしまった。ブログを読んで下さる方々には大変申し訳ない。

ガザでは人々の顔から恐怖の色が消えつつある。子どもの顔にも笑顔が 戻り、スタッフやボランティアは日々ジョークを言い合って笑う。しかし、街を見渡すと、域内の状況は相変わらずだ。消えない瓦礫 の山と壊れた家、雨が降ると水没する道、仕事が無い生活、汚れた空気と水。

笑顔が戻った子どもたち笑顔が戻った子どもたち

個人的に「人が死なないことはなんと素晴らしいことか」とは思うが、半年たってもいわゆる域内避難民として避難所で生活する人は11,000人(UNRWA2015年)にも及ぶ。

片付かない瓦礫:シュジャイヤ・ワッハ病院前2014年9月及び2015年1月の様子片付かない瓦礫:シュジャイヤ・ワッハ病院前2014年9月及び2015年1月の様子

だが、戦争直後に堰を切って自分の話をしてくれた人々も、苦しい体験を早く忘れ去りたいという思いが強いのか、戦争から2ヶ月ほどで当時の話を避けるようになった。それは「次の戦争まではせめて明るい時間を過ごすのだ」と無言のメッセージのようでもあり、また忘れないとやっていけないと思っているのかもしれない。私もそれに伴って、戦争中の話を聞きづらくなった。

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みなさん、こんにちは。

私は昨年12月末に、ヨルダン川西岸地区の中でも、隣国ヨルダンとの境界地帯に位置するヨルダン渓谷に、日本からのゲストを数名お連れして訪問しました。ヨルダン渓谷は、農業に適した肥沃な土地で、パレスチナ人にとって生活の糧として重要な意味を持ちますが、その大部分はイスラエルの違法入植地に奪われ、イスラエル軍によるパレスチナ人の家屋破壊や強制的な追い出しも頻繁に起こっています。

また、入植者とパレスチナ人の間での水の分配も極めて不平等で、西岸地区の中でもパレスチナ人に対するイスラエルの人権侵害が特に著しい地域の一つです。(詳細は、現地便り最後の表をご覧ください。)

ヨルダン川西岸地区の地図(東側の白い部分がヨルダン渓谷)ヨルダン川西岸地区の地図(東側の白い部分がヨルダン渓谷)

今回私たちがヨルダン渓谷を訪問した際にも、イスラエル軍が、パレスチナ自治政府とヨルダン渓谷の住民らが作った農業用貯水池を破壊している場面に出くわしました。イスラエル軍は、「自分たちの許可を取らないで建設された違法な貯水池」といういつもの理由で破壊しました。

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新年あけましておめでとうございます。昨年は、JVCパレスチナ事業をご支援いただき、どうもありがとうございました。

昨年は、ガザ戦争をはじめ、パレスチナ/イスラエルは大きな事件が数多く起こりました。JVCパレスチナ事業では最近、昨年の主要な出来事と現地の人道状況をまとめましたので、ご覧いただければ幸いです。

ガザ戦争と復興支援

14年度の最大の出来事は、7月7日から8月26日までの50日間にわたる「ガザ戦争」(ガザ大規模侵攻、ガザ虐殺と呼ばれる場合もあります)でした。
パレスチナ・ガザ側で、死者2,205人(うち民間人1,483人)、負傷者11,099人、イスラエル側で死者71人(民間人4人:うち1人は外国人)の被害がありました。JVCは、この戦争に関する声明を公表し、要請文を各国関係者に提出しました。

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【その他・未分類】
Pポップ、ロック、壁の中で歌う若者たち

パレスチナ現地代表 今野 泰三
2014年12月25日 更新

もうすぐクリスマスですが、イエスが生まれたとされるパレスチナの町ベツレヘムはヨルダン川西岸地区に位置し、高さ8メートルの分離壁(隔離壁)と軍事検問所によって分断され、包囲され、違法入植地に土地を侵食され続けています。

しかし、その壁の中にも外にも、楽しみと自由を求め、恋や希望を歌うパレスチナの若者たちの姿があります。

高さ8メートルの壁で囲まれたベツレヘム、2014年12月16日今野撮影高さ8メートルの壁で囲まれたベツレヘム、2014年12月16日今野撮影

そうした若者の姿は、日本でも、11月に来日したパレスチナのヒップホップ・グループ「DAM」(動画はこちら)や映画『自由と壁とヒップホップ』などを通じて広く知られつつあります。しかし、DAMや『自由と壁とヒップホップ』を通じて知られるようになったヒップホップ以外にも、ロックやダブなどの分野でも若いグループが登場しています。

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東エルサレム事業の成果報告
(2012年9月~2013年9月)

パレスチナ現地代表 今野 泰三
2014年12月 1日 更新

2006年から開始した占領下の東エルサレムでの学校・地域保健事業は、今年で8年目を迎えました。これまで皆様からの大切な寄付や税金によって、この事業は支えられてきました。あらためて御礼申し上げます。

本事業は、「東エルサレムの学校や地域社会施設において、人々の健康を守り健康を促進させるための仕組みをつくり、発展させる」という目標を掲げています。そのためには地元住民が健康に関する知識と意識を向上させ、それを周囲に広めていくための仕組みを作り、活動を継続的なものに発展させていく必要があります。

そこで、現在はパレスチナ自治政府、学校、幼稚園、地域社会施設などの協力を得て、学校生徒や教師へのトレーニング、子どもたちや保護者への健康教育と健康診断、地域青年たちへの救急法トレーニング、孤立した村での巡回診療などを実施しています。

この事業によって、トレーニングを受けた子どもたちや教師たちが保健委員会等を通じ自発的に健康保健活動を行うようになり、上記目標のうち「人々の健康を守り健康を促進させるための仕組み」をつくる段階が進んでいます。

また、健康診断、巡回診療、サマーキャンプを通じ、医療や教育へのアクセスを制限される東エルサレムにおいて、住民の健康管理と健康に対する意識向上にも貢献しています。

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みなさん、こんにちは。パレスチナでは、本格的な冬が来る前にオリーブの収穫が行われます。私の3歳の娘も、通っている幼稚園が主催する社会科見学で、エルサレム南部の村へオリーブの収穫の様子とオリーブオイルの生産工場を見学に行くことになっています。これまでも子どもたちは幼稚園の社会科見学で近所の雑貨屋さんやクリーニング屋さんに行きましたが、今回はパレスチナならではの社会科見学。娘が羨ましい今日この頃です。

さて、JVCがMRSとともに占領下の東エルサレムで実施中の学校・地域保健事業では、分離壁の両側の東エルサレム全域が活動範囲となっています。その中でも、「C地区」と呼ばれる地域にある村々は、イスラエルの違法入植地に囲まれ、イスラエル政府によって開発と移動が制限されているため、厳しい生活を強いられています。

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ガザ戦争の現実(1)

現地代表 金子 由佳
2014年10月 9日 更新

9月22日~24日、28日~10月2日までの2回、ついにガザを訪れた。停戦後1ヶ月以上、待ちに待った入域だった。早速、今まで遠隔で行っていた緊急支援の現場を回り人々にあう。また、現地スタッフや、ボランティアさんに挨拶に行く。ひとり一人の真実を聞きたい、一つ一つの被害地を見て回りたい、またそこで働く人々、生きる人々の「活動」を知りたい。一秒も逃したくないという緊張感で、計8日の滞在中、話を聞けた人は60人近い。

51日という長い極限状態を耐え抜いた人々は、どの人も、苦難と恐怖、悲しみ、ドラマに満ちた時間を過ごしていた。また、それを少しでも外部者の私に伝えようと、みな一様に堰を切ったように話してくれた。身体的に無事な人でも、精神的に無事な人は一人もいない。どの人からも「今回の攻撃は非常に厳しかった」という声が聞こえてくる。緊急支援の報告は他のページに割くとして、今回の現地便りからは少しずつ、私が聞き取った話を共有したいと思う。

今回は特に、JVC現地パートナー市民団体であるアルド・エル・インサーン(AEI:人間の大地)のスタッフから聞いた話をまとめてみたい。

アマルの話

破壊されたベイト・ハヌーン アマル宅付近破壊されたベイト・ハヌーン アマル宅付近

戦争中も戦争後もずっと電話で連絡を取っていたAEIスタッフで、JVCプロジェクトコーディネーターのアマルは、私のガザで一番の親友であり、同僚だ。他の現地便りでも紹介している通り、彼女の家は、被害が最も多かった地域の一つ、ベイト・ハヌーンにあり、イスラエルによる地上侵攻によって、彼女の家も半壊となり、戦争中は知り合い宅や勤務先を頼りに点々と避難を繰り返していた。

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