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2014年11月25日

東エルサレム事業の成果報告
(2012年9月~2013年9月)

パレスチナ現地代表 今野 泰三
2014年12月 1日 更新

2006年から開始した占領下の東エルサレムでの学校・地域保健事業は、今年で8年目を迎えました。これまで皆様からの大切な寄付や税金によって、この事業は支えられてきました。あらためて御礼申し上げます。

本事業は、「東エルサレムの学校や地域社会施設において、人々の健康を守り健康を促進させるための仕組みをつくり、発展させる」という目標を掲げています。そのためには地元住民が健康に関する知識と意識を向上させ、それを周囲に広めていくための仕組みを作り、活動を継続的なものに発展させていく必要があります。

そこで、現在はパレスチナ自治政府、学校、幼稚園、地域社会施設などの協力を得て、学校生徒や教師へのトレーニング、子どもたちや保護者への健康教育と健康診断、地域青年たちへの救急法トレーニング、孤立した村での巡回診療などを実施しています。

この事業によって、トレーニングを受けた子どもたちや教師たちが保健委員会等を通じ自発的に健康保健活動を行うようになり、上記目標のうち「人々の健康を守り健康を促進させるための仕組み」をつくる段階が進んでいます。

また、健康診断、巡回診療、サマーキャンプを通じ、医療や教育へのアクセスを制限される東エルサレムにおいて、住民の健康管理と健康に対する意識向上にも貢献しています。

以下は、2012年9月から2013年9月までの簡単な成果報告になります。詳細は後日、東エルサレム事業のウェブサイトに掲載いたします。また、2013年9月から2014年9月までの成果報告も、追って現地便りでご報告いたします。引き続き、ご支援のほど、どうぞ宜しくお願い致します。

2012年9月から2013年9月までの成果

1. 生徒のトレーニング

4つの学校に保健委員会を設立。そのメンバーとなった約60人の生徒に対し、栄養、衛生、救急法などの講習を実施。生徒は、学校新聞の作成や朝礼でのスピーチを行うようになりました。参加生徒からは、「明快で論理的な説明をする能力が身について自信がついた」、「救急法を身につけたことで、自分や周囲の人間に安心感を与えられるようになった」といった声がありました。

トレーニングを修了した生徒に、学校や自宅で使える救急セットを授与しました。トレーニングを修了した生徒に、学校や自宅で使える救急セットを授与しました。
プレゼンテーションの練習を重ねた結果、生徒たちは大きな自信をつけました。プレゼンテーションの練習を重ねた結果、生徒たちは大きな自信をつけました。
保健委員会の生徒(左)と事業担当者の今野(右)。保健委員会の生徒たちの手作りのポスターが、学校の廊下に張り出されるようになりました。保健委員会の生徒(左)と事業担当者の今野(右)。保健委員会の生徒たちの手作りのポスターが、学校の廊下に張り出されるようになりました。

2. 教師のトレーニング

30人の学校教師と19人の幼稚園教師に対し、健康教育の講習を実施。また、幼稚園18校の15人の先生に対し、救急法講習を実施。トレーニングを受けた教師たちは、学校や幼稚園で月1~4回程度の健康教育講習を生徒や親たちに対して行いました。

  トレーニングの効果を図るため、参加者には事前・事後のテストを受けてもらいました。 トレーニングの効果を図るため、参加者には事前・事後のテストを受けてもらいました。
講習に参加した保育園の教師は、学んだことを自分の言葉で説明する訓練を受けました。講習に参加した保育園の教師は、学んだことを自分の言葉で説明する訓練を受けました。

3. 学校に対する健康に良い環境づくりの指導

45の学校に対し、学校環境(教室やトイレの衛生面、安全面など)に関するモニタリングと訪問指導を行った他、教師に対し、学校の衛生環境についての講習を実施。助言を受けた学校では、教師が生徒たちに掃除させたり、休み時間に校庭に散らかったゴミを片づけたり、不健康なお菓子を売店に置かないようになるなど、問題意識の向上が見られました。

4. 生徒・幼稚園児に対する健康診断

幼稚園での健康診断の様子。身長体重の測定、視力検査、触診などを行いました。幼稚園での健康診断の様子。身長体重の測定、視力検査、触診などを行いました。

1,286人の生徒と802人の園児に対し、健康診断を実施。肥満や視力低下など親が深刻に受け止めない問題が多く、専門医に適切に紹介された問題は約70%に留まりました。他方で、JVCおよびパートナー団体であるMRSと、自治政府・学校・幼稚園の間の連携は強化され、教師や政府職員の意識向上が見られました。

5. 生徒・園児・親に対する健康教育

15,115人の生徒と1,562人の園児に対し、健康教育の講習(テーマは、栄養、衛生、学校環境、救急法、交通ルール、校内暴力、喫煙・麻薬の害など)を行いました。また、主に保健医療へのアクセスの難しい地域で、858人の母親に、健康教育の講習を提供しました。

健康教育を受ける、難民キャンプの小学生。質疑応答を繰り返すことで、知識の定着を図りました。健康教育を受ける、難民キャンプの小学生。質疑応答を繰り返すことで、知識の定着を図りました。

6. 地域青年に対する救急法トレーニング

血圧の測定方法を教える医師(左)と、トレーニングを受ける参加者(右)。 参加者の一部はさらに専門的な救急法を学び、ボランティアとして東エルサレム各地で負傷者や病人の手当てを行っています。血圧の測定方法を教える医師(左)と、トレーニングを受ける参加者(右)。 参加者の一部はさらに専門的な救急法を学び、ボランティアとして東エルサレム各地で負傷者や病人の手当てを行っています。

6ヶ所の地域社会施設で、128人の地域青年に対し、救急法トレーニングを実施。その中から54人を選抜し、救急委員会設立に向けた専門的な救急法講習を実施しました。トレーニングを受けた青年は、エルサレム各地でJVCとMRSのサポートを受けながら、ボランティアの救急活動を始めるようになりました。

7. 地域住民に対する健康教育と健康診断

巡回診療での個人カウンセリングの様子。巡回診療での個人カウンセリングの様子。

イスラエルの違法な入植地や分離壁により孤立した村落を中心に、1,235人の住民に対し、健康診断と個人カウンセリングを実施。また、938人の住民に対し、健康教育の講習を提供。健康診断で問題が発見された場合は、専門医に紹介したり、医薬品を提供したりしたほか、高血圧や糖尿病に関するパンフレットを配布し、健康に関する意識の向上と生活の改善を促しました。

さらに、東エルサレム各地で開催されたサマーキャンプでは、延べ842人の子どもたちに健康教育や救急法講習を実施しました。

巡回診療と健康教育で配布している、糖尿病や高血圧に関するパンフレット。巡回診療と健康教育で配布している、糖尿病や高血圧に関するパンフレット。
サマーキャンプでの様子。真ん中は、MRSの医師。このセッションでは、血圧の測り方を学ぶことを通じて、健康や医療に関心を持ってもらうことを目指しました。サマーキャンプでの様子。真ん中は、MRSの医師。このセッションでは、血圧の測り方を学ぶことを通じて、健康や医療に関心を持ってもらうことを目指しました。

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