
前タイ現地プロジェクトコーディネーター: 松岡京子
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| 期間 |
2000年5月〜2005年12月 |
活動分野 |
農村開発 |
| 地域・対象 |
コンケン県ポン郡(タイ東北部)
コンケン県ポン郡ノンウェーンソークプラ村、ヤナーン村、チャイパッタナー村、約800世帯、他 |
| 関連団体 |
イサーンNGO−COD、イサーン・オルタナティブ農業ネットワーク |
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背景
タイ農村ではこの40年間、近代化、工業化を目指し、外貨獲得のための輸出指向型農業が森林の伐採を伴ってすすめられました。人々の生活の糧であった地域の資源が失われ、化学肥料や農薬の多投は、生産者の人体への影響としてもあらわれました。
また、売ることに特化した農業は、村人たちの主体性を失わせることとなりました。農作物の販売は農民ではなく、その作物を奨励する業者が行なうということが前提となりました。自分たちがつくる農作物は全て外部に売られるため、農民であるにも関わらず、自分たちが消費する作物のほとんどを外部の業者から購入するというような不自然な流通形態が定着しました。消費面での支出が増えた上に、耕運機などの耐久消費財による支出も加わり、その結果、農民の借金というあらたな問題が深刻化しました。
活動の概要
村人が安定した生活の営みを取り戻していくためには、業者や価格の不安定さに振り回されずに農業に従事できるよう安定した売り先を確保することが不可欠になります。そうした視点でこのプロジェクトでは、村人による村人のための地場の市場づくりを促進しています。
具体的には、村人が自分の村で朝市を立ち上げて、自分の作った作物や惣菜、加工品を村人を相手に販売するということを私たちが奨励し、支援します。
活動の成果
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■村の朝市で自分の農園の作物や 惣菜を売る。コンケン県コークスン村 |
この取り組みは、これまでの聞き取り調査でも以下のように多面的な効果が確認されました。例えば経済面の効果。1日の売り上げが50−100バーツ。このあたりの農民の日雇い賃金が120バーツと考えると、朝の時間帯のみの販売でこれだけの利益があるということは、村人の生活面の向上にかなり貢献しているといえます。また、そのお金が地域の中で循環します。これまで地域で生産できるものでさえ外部から購入するという状況がつくられていましたが、交換する場ができたことで、お金のみならず、地域の資源が村内で循環するようになりました。次に生産形態における変化。朝市が出来たことによって、生産者と消費者の顔が見える関係が作られ、農薬を使わなくなるといった実例が見られました。また、売り先が身近にあることで、村人は多品目をつくる複合経営農業に熱心になりました。社会面での効果。近代農業、労働の単一化によってはじき出されていた老人、子ども、女性など幅広い層がこの地場の市場に参加でき、村が活性化されます。また、物質的な面だけではなく、精神的な面においても、外部に依存してしまい失われていた地域独自の暮らしの智恵に気づき、それを取り戻していくきっかけとなっています。
対象の地域
朝市を始めた地域は、プロジェクトを始めた2000年当時は2地域4村でしたが、現在は8地域16村に広がりました。また、対象地域ではありませんが、スリン県やカラシン県でも、この朝市を見学した村人が、自分たちの村で朝市を立ち上げました。
これからの課題
現在では、村の朝市だけではなく、近くの郡(ポン)の郡役場の敷地内で、町の消費者に無農薬の安全な農作物を提供する市場が立ち上がっています。町の消費者と村の生産者が直接結びつく形で、販路が広がりつつあります。
中間報告(2000年5月〜2004年5月)
中間報告No. 1 (2000年5月〜2000年9月) (PDF:98kb)
中間報告No. 2 (2000年10月〜2001年2月) (PDF:55kb)
中間報告No. 3 (2001年3月〜2001年8月) (PDF:125kb)
中間報告No. 4 (2001年9月〜2002年3月) (PDF:113kb)
中間報告No. 5 (2002年4月〜2002年11月) (PDF:150kb)
中間報告No. 6 (2002年12月〜2003年3月) (PDF:337kb)
中間報告No. 7 (2003年4月〜2003年10月) (PDF:215kb)
中間報告No. 8 (2003年11月〜2004年5月) (PDF:213kb)
中間報告No. 9 (2004年6月〜2004年10月) (PDF:206kb)
中間報告No.10 (2004年11月〜2005年3月) (PDF:248kb)
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