タイの近隣国カンボジア。歴史的背景から、ニュースではタイとカンボジアの政治状況の関係がよく取り上げられています。タイ国内には、より良い収入を求めて労働者として入ってきたカンボジア人も多いですが、言語が違うタイでは建設現場や港で低賃金、重労働で働かされ、数年でタイからカンボジアに戻ってくる人も少なくないそうです。
今回、カンボジアで農村開発の活動を行うJVCカンボジア事務所を訪問させていただき、プロジェクトやプロジェクト対象農村の状況を知ることで、カンボジアにおける農村開発の取り組みを学んできました。
カンボジア滞在の日程
2月9日 午前:JVCカンボジアのプロジェクトについて、オリエンテーションをしてもらう。活動村であるタト村において、JVCカンボジア人スタッフが行う堆肥プロジェクトに同行。 午後:堆肥プロジェクト、家庭菜園プロジェクトを行った村へのフォローアップに同行。
2月10日 午前:CCV(Community Cooperate Volunteer)の月に一回のミーティングに参加した。ジェンダーについての勉強会を開催。 午後:タト村で堆肥のデモンストレーションをみて、一緒に堆肥作りを行う。
2月11日 午前:環境教育プロジェクトに同行。環境教育の一環としてのビオトープ作りや図書館での環境教育について、スタッフがフォローアップを実施。 午後:SRI(幼苗一本植え)の普及についての農村調査を行う。
2月12日 午前:環境教育の一環として行われている、小学校の先生に対してのスタディーツアーに同行。シェムリアップ近郊にある、パーマカルチャーを実践している農園を訪問。
カンボジア農村の背景について
カンボジアは、国民の約7割が農業を営んでいます。その多くが小規模な家族経営の農家であり、農業の生産性も低いことが課題です。農村からプノンペンやシェムリアップなどの都市、海外などへの出稼ぎに行く労働者も多いですが、都市に行っても仕事が少なく失業者も多い状況です。
近年では土地問題も大きな問題の一つです。借金のため土地を手放す農民、企業の土地買収の囲い込みに遭い、土地から追い出される農民など、その多くは都市のスラムへ流出してしまうか、農村で小作人になって働いています。
JVCプロジェクトについて(訪問した場所のみ)
JVCカンボジアは、生態系に配慮した農業による生計改善プロジェクトを、農村地域で行っています。堆肥作り、SRI(幼苗一本植え)の普及、家庭菜園の推進などの活動を行っています。農村地域では、米の生産性の低さによって、自給用の米さえ不足している農家がいます。そういう農家は、借金してお米を買ったりしています。現金収入を得る手段としては、お米を売るほかに川などで取ってきた魚を売るなどです。
ある農家(男性)に聞いた話では、町で働く娘から毎月25ドル送金してもらっているそうです。しかし、奥さんが病気で支出も多くなり、それでは足りないと言っていました。昨年お米が足りずにお金を他の村人から借り、お米で返したそうです。このように、自分たちで食べていくことが出来ず、借金して生活費を賄う人もいます。
・堆肥プロジェクト
はじめに堆肥の必要性を伝え、なぜ堆肥がいいのか、収量は変化するのかということを、村に入って伝えます。その際に、文字が十分に読めない人もいるので、絵を織り交ぜながら説明していました。それは小学校を卒業していないため、文字を読めない村人もいるからです。また、説明する側のスタッフの、ファシリテーション能力も必要になります。どのようなプロジェクトも、村人のためと思っておこないますが、村人自身が全く興味を示さなければ、良い活動は出来ないのです。
堆肥研修の様子・家庭菜園
ある家庭では、一回の食事につき一種類の野菜しか食べない、という話を聞きました。その野菜も毎回買わなければならず、そのたびに現金が必要になります。家庭菜園の活動では、野菜を買う支出を減らすのと同時に、野菜を食べて栄養を摂取することの重要性を伝えています。
・環境教育
小学校の先生を対象に、環境に対する意識を高めてもらうために、学校でのビオトープ作りやスタディーツアーなどを行っています。
環境教育のスタディーツアーで訪問したパーマカルチャーの農園その2へつづく