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車両整備による難民帰還支援・技術者養成による生活再建支援

 
2010年10月12日 更新
[現地スタッフ]

スーダン事業担当: 佐伯美苗

難民として故郷を離れていた人々が南部スーダンに安全に帰り、手に職を付けて新しい生活がスタートできるように

目的
  1. 難民帰還事業に使用される車両の整備により、帰還事業の円滑化を支援する。
  2.   
  3. 車両整備士育成により、帰還民の生活再建・再定住を支援する。
期間 2006年2月〜2010年3月 活動分野 車両整備、職業訓練
活動拠点 南部スーダン、ジュバ市
活動対象 [スーダン地図] ■難民帰還支援事業(車両整備):
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、南部スーダン政府救援・復興委員会(SSRRC)ほか、南部スーダンで難民帰還・復興支援に携わる諸機関。ならびに、国内外からの帰還民、地域住民。

■生活再建事業(職業訓練):
スーダン人帰還民およびエチオピア難民の研修生32名と家族。また、地域住民。
関連団体 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、スーダン教会評議会(SCC)


(1)車両整備による難民帰還・復興支援の後方支援事業

[大破した車両]
■大破した車両

安心して暮らせる故郷に戻ろう。故郷で新たな生活に踏み出そう。―― 2005年の和平合意締結後、南部スーダン政府(GOSS)、国連諸機関そしてNGOによって、近隣各国に難民として身を寄せていた人々が南部スーダンに戻るための難民帰還事業が開始され、南部各地では給水や教育分野などでの復興支援事業も始まりました。

JVCは2006年から、帰還および復興支援事業を実施するUNHCR、南部スーダン政府救援・復興委員会(SSRRC)、そしてNGO等の援助団体が使用する車両の整備を実施し「縁の下の力持ち」として帰還や復興を支えてきました。

長期にわたった内戦のため南部スーダンの道路は未整備の状態にあり、車両には非常に大きな負担がかかっています。帰還した難民が再定住し、国連やNGOが支援活動を行う遠隔地の村々では、大きな岩や切り株だらけの道路、また雨季には冠水した道路をボンネットまで水につかりながら車両を走行させなくてはなりません。当然ながら車両の消耗は激しく故障も多発します。

[車両整備をする研修生]
■車両整備をする研修生

ところが、南部スーダンには信頼できる技術者や整備工場は極めて少ないのが実情です。その中で、JVC整備工場の技術力の高さは高い評価を受けていました。

JVC整備工場は、元々はスーダン教会評議会(SCC)が海外の援助団体からの支援を得て1972年に設立したものです。内戦中に長らく機能停止状態にありましたが、2006年からJVCが運営を委託され、スーダン人整備士とともに建物の補修や機材の購入を行い、車両整備と同時に工場の再建を図ってきました。4年間にわたる事業の中でスーダン人スタッフの技能は向上、工場運営やスペアパーツ発注の方法も身に付け、JVCの事業終了と同時に工場はSCCに返還されてスーダン人による運営体制に移行しました。現在は、南部スーダン政府の各省庁やNGOの車両整備を中心にジュバでも屈指の工場として運営されています。

(2)整備士養成による生活再建支援事業

ようやく帰還を果たしても、住む場所が確定できない、生計をたてる術をもたない人が多くいます。とくに若年層は、生まれる前や幼児期に肉親とともに祖国を離れ、最近まで難民キャンプで生活を送っていたために就労経験や技能を持っていません。南部スーダンは復興景気に沸いているものの、技術や経験にまさるケニア人やウガンダ人などの出稼ぎ労働者に圧倒されて、スーダン人は職を見つけることが困難です。

[実習の様子。みんな真剣です。]
■実習の様子。みんな真剣です。

そこで、JVCは2007年に帰還した若者から希望者を募り、20代の青年14名(うち2名は女性)に自動車整備士としての知識と技術を身に付ける1年半の研修を実施しました。目標は、車両の構造や機能を理解し、適切な指示を受けて確実に基本的な整備、修理作業が行えるようになることです。この14名は第1期生として2008年12月に卒業、引き続き2009年1月からは第2期のコースが18名(うち女性2名)の研修生とともにスタートし、1年後には無事全員が修了、卒業しました。なお、第2期研修生のうち2名はエチオピアの故郷での紛争を逃れてスーダンの難民キャンプで暮らすエチオピア難民でした。

研修は車両の基礎構造や各部の機能を学ぶ講義と、実際の車両整備に携わる実習から構成されていましたが、大きな特徴は、多くの時間が実習に割かれたことでした。研修を受けるのが「整備学校」ではなく実際に稼働している「整備工場」であったために、研修生たちは指導員の監督のもとにナマの車両(国連や一般顧客から整備依頼された車両)の整備をふんだんに経験することになりました。当然ながら作業には大きな緊張が伴います。このことにより、1年または1年半という短期のうちに研修生たちはメキメキと腕を上げ、卒業時には即戦力としてどこの整備工場でも通用するだけの技術力を身に付けることができました。

[はれて修了式を迎えました。]
■はれて修了式を迎えました。

第1期、第2期合わせて32名の卒業生のうち、現在17名が整備士として働いています。そのほか6名が運転手や交通警察官、技師など何らかの形で研修を生かした仕事に就きました(他の9名は進学、警備員など)。就職機会が少ない中でも、しっかりと技術を身に付けた卒業生たちは着実に仕事の機会を得ています。将来、彼らが南部スーダンの車両整備の分野で中心的な役割を果たすことを期待しています。




 
 


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