
南アフリカ事業担当: 渡辺直子
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貧困やHIV/エイズなどの南アフリカが抱える問題は、社会的に弱い女性や子供にしわ寄せとなって現れています。実際に、世界最多のHIV陽性者を抱える南アフリカでは親を亡くす子どもや家族以外の人からのケアが必要な状況に置かれる子どもが増加し、社会問題化しています。また、シングルマザー率の高さ、高い失業率、貧困等も背景にあり、子どもに社会的なサポートが必要となっています。
現在南アフリカでは、学校で食事(給食)を提供することで子どもが学校に来るメリットを感じられるようにし、家族の事情等で学校をやめそうになる子どもたちの通学をサポートするケースが多く見られます。研修を実施するジフネレニ中学校でも、約700名の生徒中、通学困難な子どもが毎年50〜100名いて、先生たちがポケットマネーから給食を支給しています。これに対し、地域の人が自分の分の野菜づくりに加えて、学校に寄付をして子どもに食べさせたいとの思いから、学校の土地を借りて菜園をつくっていました。
しかし、技術面が弱く、十分な生産をあげられないと同時に持続的とはいえない状態であったため、JVCはこれまでの経験を活かして、生産性をあげるための技術を学ぶための研修を実施します。物価が高くより生活コストがかかるなか都市においても有機農業は生活改善の手段のひとつとして有効であり、活動を通して住民の生活改善と子どものサポートを目指します。
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| ■マルチをする研修参加者のセリーナさん。 |
◆2009年度計画
ジョハネスバーグ市近郊のソウェト地区(旧黒人居住地区)において、中学校の菜園を利用して地域住民を対象に菜園づくりの研修を実施します。自らの生活改善を目指すとともに、給食費の払えない子どもたちへの野菜提供を目的に地域住民が菜園を始めており、これを技術的な面からサポートしていきます。またこの活動を通じて人びとと関係を築き、地域に関する情報収集や調査を実施し、2010年度以降の活動の展開についても検討していきます。
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■最初は少ない水を有効活用するためのデザインを学ぶ。 枯れ草で土を覆い(マルチ)、水分の蒸発を防ぐことも重要。 |
活動ステップ
- 現状把握(各菜園の現状・課題および野菜の利用状況)に基づいた個々の年間の目標設定
- デザイン、土作り、植え方、マルチ、病害水管理、種採種、苗作り、コンポスト作りなどお金をかけず環境に負担のない形で持続的に菜園づくりを実施していくための研修(中学校菜園スペースで)
- モニタリング、フォローアップ。各家庭菜園や学校菜園での実践状況のモニタリング、菜園変化の把握、技術のフォローアップ
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■アリスさんの家庭菜園。狭いスペースをいかに有効活用 することができるかを実践で示すトレーナーのジョン。 |
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