村人物語の記事一覧
アジズラーさんは22才の高校生、休日には畑で働いています。もう10年以上、トマト、ジャガイモ、ナスなどの野菜を作ってきました。ジャララバードの北にある畑ではカリフラワーの収穫が真っ盛り。カリフラワーは寒い季節にできる野菜で、10月末から栽培します。

今回紹介するバズワンさんは、教師歴30年のベテラン先生です。ゴレーク村に生まれ、小さい頃から頭が良く、目上の人を尊敬し、記憶力も抜群でした。7才の時、学校の先生になりたいと父親に語ったところ、父親はその夢をかなえてあげると約束しました。父親はバズワンさんを学校に入れ、勉強も手伝ってくれました。一生懸命勉強したバズワンさん、成績はいつも一番でした。やがて学校を終えて念願の教師になりました。夢が実現してとてもうれしかったと言います。

アサドゥラーさんは、バル・カシュコート村の女子学校の校長先生です。タリバン政権崩壊後、多くの女子が学校に戻ってきました。しかし長年にわたる紛争で女性教員の数は不足しており、学校には女の先生が一人しかいません。もっと女の先生がいれば多くの家が娘たちを学校に行かせるようになり、生徒の数も増えるのに・・・と彼は言います。女性教員は、女の子たちが家から外に出るのを助け、それは村を変える力となります。
しかし村人たちは、娘が教育を受けると伝統的な規律を忘れてしまうのではないかと心配しています。教育を受けるより、家で編み物を習う方が大事だと考えているのです。大家族が多いアフガニスタンでは女性は多くの家事をこなさなければなりません。だから家族は女性を学校に行かせたがらないのです。
アサドゥラーさんは、学校で宗教も教えています。読み書きができることは闇の中で光を持つことだと、イスラム教でも言われています。それは男女によらず人間に必要なことです。彼はそういった教えを伝えながら、女の子たちを学校に来させるように人々を説得して回っています。

ディン・モハマド君は15才。彼の父親は字が読めず、教育に関心を持ったことは一度もありませんでした。ディン・モハマド君は、7才の時に伯父のすすめでクズカシュコートの男子小学校に入学しました。それを知った父親は「息子を学校に行かせるつもりはない」と言って、伯父と言い争いました。伯父は、親は子どもに教育を受けさせる義務があり、子どもの能力を最大限伸ばさなければいけない、と説明しましたが、聞き入れてもらえませんでした。

ラーマッラーは11才、ザビルラーは9才、クズカシュコート村の小学校に通っています。JVCスタッフのアジマルさんが、二人に大きくなったら何になりたいか尋ねました。

ヘナ(写真左)とネダ(写真右)は大家族。お父さんには奥さんが二人いて、子供が10人います。両親は二人が学校に行くことをすすめました。ヘナは12才、ネダは11才です。二人とも学校の成績はとても優秀です。二人は仲良し、学校では助け合い、家ではお母さんの手伝いをよくします。
ヘナには家より学校が大切です。家に閉じこもっていたら何も学べないけど、学校ではたくさんのことが学べるから。夢は助産師になること。アフガニスタンでは、お金がなくて薬が買えない人、治療が受けられない人がたくさんいます。彼女はそうした人たちを助けたいと思っています。
ネダは学校に行って毎朝友達と遊ぶのがとても楽しみです。彼女は絵を描くのも柔道をするのも大好きです。でもお母さんといっしょに市場に行くと、家で燃やすためにプラスチックや紙くずを集めている子供たちを見て、とても悲しくなります。子供たちは、学校に行かずに朝から晩まで通りを歩いてごみ拾いをしています。空き缶や鉄くずを回収業者に売るためです。ネダの夢は学校の先生になること、そして女の子たちにいろいろなことを教えることです。だって、人は教育がなければ、実がつかない果物の木のようになってしまうから。