会報誌Trial&Error
『Trial & Error』(トライアル・アンド・エラー/試行錯誤)は、JVC会員の方向けに年3回発行している会報誌です。アジア、中東、アフリカなどでの活動や国内活動を知ることができます。また、海外に活動地をもつNGOとしての視点で、現在の問題を語ります。最新号より前のバックナンバーは全文をPDFでダウンロードできます。(「会員のみ」と書かれているバックナンバーも、2022年4月よりどなたでもご覧いただけるようになりました。また、ウェブに掲載されていない号の閲覧を希望される場合は、お手数ですがお問い合わせフォームからご連絡くださいますようお願いいたします。)

- 「紛争経済」が支える避難民の生活を変えるために目指すこと
- 2011年に勃発したスーダン・南コルドファン州での紛争は数十万人の国内避難民を生み出した。だが皮肉なことに、避難民の生活を支えるのは、NPOや国連の支援よりも、ひとたびは生活を壊した軍が落とすカネである。避難民男性は兵役に就き、避難民女性も、兵士でにぎわう食堂や兵士宅での下働きで収入を得る。だが「紛争経済」は女性へのハラスメントや子どもの無教育といった負の影響を生み出している。紛争下での平和貢献は急務だ。
【発行年月日: 2016年7月20日】

- 特集 HIV/エイズのスティグマからの解放
- 人口の1割強の約610万人ものHIV陽性者を抱える南アフリカ。JVCは貧困州の一つリンポポ州でHIV/エイズに関する活動を展開してきた。果たして今、HIV陽性者が、スティグマ(社会的な烙印)から解放され、人生に前向きに歩き出し、地域の子どもを守るための地域の大人が立ち上がっている。国際的には、昨年の国連総会で採択された、貧困終焉を目指す「持続可能な開発目標(SDGs)」が南アのHIV対策にどう影響するかも注目されている。これまでの活動と展望を整理したい。
【発行年月日: 2016年4月20日】
- 特集 TPPは日本と海外の市民をどこに導くのか
- 昨年10月、TPPの大筋合意が発表された。これを受け、日本の農業の将来を危ぶむ報道が繰り返されている。だが農業に留まらない。食の安全、環境、保健医療、保険、公共サービスなどあらゆる分野が、外国企業の利益のために、根底から崩されようとしている。その協定内容も秘密にされたままである。TPPは日本と海外の市民生活をどこに導くのか。
【発行年月日: 2016年1月20日】

- 特集 アジアにおける外部環境の変化のなかでJVCは何ができるか
- 世界成長のセンターと呼ばれる東アジア(東北アジアと東南アジアを含めた地域)の中で、一足遅れて豊かさへの競争が始まったカンボジアとラオスでは今、市場経済の波は自給自足的な暮らしを続けてきた農村社会にも押し寄せ、その生活は急速に変貌している。そうした中で、JVCの今後の活動の方向やあり方を考えてみたい。
【発行年月日: 2015年10月20日】

2014年度ダイジェスト
- 【7月】ガザ緊急支援開始・即時停戦を求める共同声明発表
- 【8月】日朝関係改善の期待から8年ぶりに平壌で絵画展開催
- 【11月】イラクで武力衝突と治安悪化による避難民に対しての緊急支援開始
- 【12月】ロンドンで開催されたアフガニスタン復興支援国際会議に参加
- 【1月】各国のスタッフがタイに集まり、今後の地域開発のあり方について議論
- 【通年】ODA大綱や集団的自衛権、プロサバンナ事業などへの積極的な提言活動
【発行年月日: 2015年7月20日】

- 特集 軍事優先の思想への対置として国境を超えた市民協力を
- 集団的自衛権の行使に対して、JVCは、昨年6月に反対する提言を出した。しかし、国民の過半数も反対するなかでも、その行使を可能にする安全保障関連法案が衆議院を通過しようとしている(7月中旬時点)。政府に欠けているのは自衛隊派遣で何が起きるかの想像力と、軍事行動が平和創造に寄与するか否かの分析力だ。紛争地で活動するJVCの視点からそれを掘り下げたい。
【発行年月日: 2015年7月20日】

- 「住民によるまちづくり」にJVCは何ができるのか
JVCは東日本大震災による二つの被災地で活動を続けている。人口の大半が一時期原発避難民となった福島県南相馬市。そし て、津波で住居も仕事も失った被災民が暮らす宮城県気仙沼市。二つの地域が抱える課題は違う。だが、どちらにも行政主導では ない住民自治が芽生えている。「外部」であるJVCはどう関わるべきなのか。
【発行年月日: 2015年4月20日】

- 特集 ロンドン特集会合を機にアフガニスタンへの援助を考える
昨年12月3日、イギリスのロンドンで、61ヵ国と23機関が参加しての「アフガニスタンに関するロンドン会合」が開催され、アフガニスタンへの今後の支援と課題とが話し合われた。2001年の米軍空爆とタリバン政権崩壊で国際社会から高い関心をもたれたアフガニスタンだが、今もタリバン復活など治安の悪化、経済成長の鈍化、女性の人権問題など課題が山積するのに、国際社会からの関心と支援は減りつつある。
今後も長く続く復興を支えるには、どういう視点・現状認識をもつべきなのか。何が課題なのか。2001年から続くJVC の現地での取り組みも踏まえて考える。(編集部)
【発行年月日: 2015年2月20日】

- 今も続く紛争、その中で何を目指すのか
~「平和構築」が直面した壁と、その後に見えてきたもの~ - 紛争の影響下や不安定な状況にある地域での活動においては、いわゆる「人道支援」活動だけでなく、紛争やそうした状況そのものを無くしていく(せめて低減させる)可能性を求めたくなる。JVC において過去実際に試みてきた経験から、そうした取り組みの持つ意味を改めて考えたい。(編集部)
【発行年月日: 2014年12月20日】

- 変わりゆく風景と暮らし
~カンボジアは望むべき「豊かな未来」を目指せるか~ - カンボジアを含むASEAN(東南アジア諸国連合)の経済統合が2015年に予定されている。こうした大きな文脈の変化は、実際の現地の人々の暮らしにどのような影響を与えるのか(あるいはすでにある変化とどう関連していくのか)。今回は事業の報告とともに、今現在の風景から、カンボジアの今後の行く末を捉えようと試みた。(編集部)
【発行年月日: 2014年10月20日】