JVCのポリシー
中期目標(2016-2020年度)
JVCは、ここ5年間の中期目標を以下のように設定しています。
1.地域開発
目標1−1:RBAの手法の採用
地域開発の事業において、その計画時、実施時、評価時にRBA(Rights-Based Approaches=人権に基づく開発アプローチ)の手法が採り入れられ、これを生かして地域自立と人々の生活の安定を実現した良い事例が生まれる
【指標】
- 地域開発の計画時、実施時、評価時におけるRBAを取り入れた実績
- 2016年度末までに全ての事務所でRBAに関する勉強会が実施される
目標1−2:手の届かない人びとへの支援
構造的な極度の貧困、不適切な開発のひずみ、抑圧や差別、政治的迫害など、支援の網から漏れがちな人々へのJVCなりの支援のあり方が確立する。
【指標】
- 支援の網から漏れがちな人々へのJVCの活動から抽出された方法論
2.人道支援/平和構築
目標2−1:紛争地活動の指針
紛争地での活動において、紛争を助長しない、もしくは平和を促進・構築するための指針についての整備が行われ、適用されるようになる。
【指標】
- 2016年度中に指針が整備される。
- 指針を適用した、各事業の「複数年度」「単年度」の計画・報告の事例。
- 指針を適用した結果、実際に平和につながった事例。
目標2−2:平和構築の活動
紛争地での活動において、「人道支援」や「紛争を助長しない」活動に加え、むしろ積極的・直接的に「平和を構築する」ための活動が増加する。
【指標】
- 積極的・直接的に「平和を構築する」ためのプロジェクトや個々の活動の事例。
- 2016年度中に「人道支援」ならびに「平和構築」の定義が明確にされる。
3.日本国内の災害支援
目標3−1:「国内災害支援対応計画」を作成・運用
東日本大震災におけるJVCの対応の検証を行い、今後日本で起こりうる大規模災害(原発事故を含む)に対応するJVCなりの「国内災害支援対応計画」を作成し、運用する。
【指標】
- 「国内災害支援対応計画」を策定するチームが2016年7月までに発足され、検討を開始する。
- 2016年度中に暫定的な「国内災害支援対応計画」が作られる。
- 2017年度中に暫定計画で設定された基準をもとに東日本大震災における対応の検証を行い、検証結果を踏まえた正式な「国内災害支援対応計画」が作られる。
- 作成された「国内災害支援対応計画」において国内災害への対応にあたっての方針・基準と方針・基準の運用を可能にする体制・能力構築などが盛り込まれる。
- 該当事案発生があった場合に暫定的な「国内災害支援対応計画」あるいは「国内災害支援対応計画」に基づいた支援活動が実施されるか、支援の是非が検討される。
- 2016年度中にアドボカシー担当が置かれるか、事業担当の他にアドボカシーを推進する体制ができる。
- 現場のアドボカシーの提案が戦略を伴った具体的なアドボカシープランとして作成され行動に移す事例が年に最低1、2ケースはできる。
- 新自由主義経済の収奪から生活を守るために取り組む国内外の農民・市民グループのネットワークの構成団体になり、集会や経験交流に参加する。(ネットワークがプロジェクトを持つ活動国以外の国にある場合も含める)
- 経験交流と学び合いの中から、ある地域での土地収奪や資源管理に関する解決や予防の実践が他の地域でも取り組まれる事例が報告される。
- ネットワーク参加団体の間の連絡の取り合いが継続し、定期的な情報交換がなされる。
- 財務:期間内に、最低でも外部監査を1回受けて適正意見を受ける。運用については定期的に内部監査を行い監事の意見を受ける。
- 労務:各種労務規定を最新の法制度などに沿って2016年度末までに整備する。その後、外部専門家から運用面についての確認を最低2年に一度実施する。
- 人材育成:活動を担う職員がそれに必要な知識やスキルを身につけられるための「人材育成」について議論し、その「計画」を2017年度末までに策定、その後実施する。
- 意思決定:団体内での意思決定(決裁)プロセスを過去の経緯を踏まえて精査し、2015年度末までに確定・団体内で共有する。
4.アドボカシー/ネットワーク
目標4−1:活動現場との連携
活動現場から提起されるアドボカシー課題に対して、問題の進行を止め、問題解決の機運や代案が推進されるよう適切なタイミングで適切な関係者に働きかけができるようになる。
【指標】
目標4−2:地域主権と資源を守るための連帯
新自由主義経済や、それに起因する紛争を原因とした地域主権の侵害や資源の収奪から生活を守り、平和と尊厳ある暮らしを構築しようと取り組んでいる各国の農民や市民の運動と連帯し、経験交流の中で学び合いと提言を活性化する。
【指標】
5.組織基盤整備
目標5−1:組織基盤の強化と運用
上記のような活動を安定して展開するために、組織面(主に財務、労務、人材育成、意思決定)でのさらなる基盤整備の強化・その運用に取り組む。