代表理事 今井 高樹のメッセージ
激動する時代に、新たな挑戦を
JVC代表理事 今井 高樹
JVCへの日頃の温かいご支援とご協力に、心より御礼申し上げます。 12年間にわたり代表理事を務めた谷山博史が2018年6月をもって退任し、7月より私が代表理事に就任いたしました。 2007年に入職してから10年間にわたり南スーダン、スーダンに駐在しておりましたが、思い返せば、着任した当時は独立を前に希望にあふれていた南スーダンが、 今では内戦によって国民の3人に1人が避難生活を送る人道危機にさらされています。
JVC が誕生して40年近く、その間、世界は「良くなった」のでしょうか? 2018年、全世界での難民・国内避難民の数は6800万人と過去最高を記録しました。南スーダンのほか、JVC が活動するアフガニスタンやイラク、そしてイスラエル占領下にあるパレスチナでも情勢は悪化し、人々の命や生活が危機にさらされています。資源や土地を巡る「開発」の問題も世界各地で深刻化しています。小農から土地を奪って大規模開発が進められています。それらは必然的に住民の反発を招き、呼応するように政治弾圧や人権侵害が各国で強まっています。
危機的な状況にたじろぎ、戸惑いながらも、私たちは様々な課題に対して行動を起こしました。武装勢力の活動がやまないアフガニスタンでは、地域の住民が平和 について学びあう「ピース・アクション」が始まりました。モザンビークでは、日本政府が主体を担う大規模な農業開発プロジェクトに対し、「土地を奪うな」と立ち上がった農民とJVC を含む日本の市民社会が連携して権利を無視した開発が行われないよう、抗議の声を上げています。
激動する時代のなかで、最も困難に直面する人たちに寄り添うという原点を忘れず、JVC は新たな挑戦を続けていきます。皆さまの変わらぬご支援、応援をよろしくお願い申し上げます。
(2017年度年次報告書より転載)