10月19日、防災集団移転のアドバイザー派遣を実施しました。今回は、梶ヶ浦地区の造成地見学会及び総会が開催され、住民約25名が参加しました。
午前中に行われた造成地見学会では、はじめに気仙沼市の担当課から工事の進捗状況が説明され、あわせて世帯ごとの宅地の引き渡し時期が示されました。気仙沼市から説明を受けた後、図面を片手に造成地内を見て回りました。擁壁(ようへき)の設置工事の様子を目にした住民からは、「こんなに深く掘るのか」と驚きの声があがりました。
一方、アドバイザーからは、「住宅建設を進める上で支障が生じないように、埋め戻した部分を線で示してほしい」との要望が出されました。
また、これまで図面上での確認に留まってきた法面(のりめん)の高さや側溝の入り方が改めて確かめられ、「法面の最終的な仕上げは?」「側溝に蓋はつくのか?」「どこに排水すればよいのか?」等々、住民から気仙沼市に対して様々な質問が投げ掛けられました。中には、建設予定の住宅のスケールを自ら確認する住民の姿も見受けられました。
見学会終了後、仮設住宅の集会場にて総会が開催されました。今回の震災で自宅を失った住民は、住宅を再建する際にいくつかの支援制度を利用することができます。ここでは、その支援制度の具体的な内容と手続きの進め方が確認されました。
住民からは「これまでは皆で一緒に取り組んできたが、これからは各自で勉強して進めていかなければならない。支援制度の内容をよく確認して活用してほしい」との話がありました。また、造成工事完了を控えて、「番地はいつごろ、どのように決まるのか?」「地権者への御礼は?」といった質問が出されました。その他、造成地完成のお祝い会や津波の到達点を示す石碑の建立などについて、活発な意見交換がなされました。
梶ヶ浦地区の防災集団移転促進事業は、この10月から11月にかけて宅地の引き渡しの段階を迎えます。梶ヶ浦地区の協議会が発足してから約3年間、およそ40回にわたる協議会活動を経て、ようやくこの段階まで辿り着くことができました。
一方、宅地引き渡しの後も、協議会に参加する全ての住民が無事に住宅の再建を果たさなければ、本事業が完了したとは言えません。今後もJVCはアドバイザーとともに、個々の住民が取り残されることがないように住宅再建のサポートを継続していきます。