\n"; ?> JVC - 家づくり・まちづくりのアンケート-防災集団移転のアドバイザー派遣【11】 - 気仙沼支援活動レポート
2013年6月22日 【 防災集団移転について

家づくり・まちづくりのアンケート-防災集団移転のアドバイザー派遣【11】

震災支援担当 岩田 健一郎
2013年6月24日 更新

6月2日、防災集団移転のアドバイザー派遣を実施し、地区ごとの相談会を開催しました。今回の相談会では、主に家づくりに関する協議が行われました。

アドバイザーによる四つの住宅建設方式の解説アドバイザーによる四つの住宅建設方式の解説

相談会ではまず、家づくりの上で想定される四つの住宅建設方式について、アドバイザーから説明がなされました。一つ目の方式は、(1)「共同発注方式(ハウスメーカー)」で、複数の住民がまとまってハウスメーカーに発注を行います。住民は、ハウスメーカーが用意する商品化住宅のラインナップから住宅を選択することになります。二つ目は(2)「共同発注方式(工務店)」で、こちらも複数の住民がまとまって工務店に発注を行います。この場合、工務店は商品化住宅をもたないため、住宅の設計は住民の希望に応じて行われます。三つ目は(3)「共同建設方式」で、基礎工事や塗装工事などの各種専門工事を担う業者に対し、住民が組織を作りそれぞれの業者と契約を結び、共同で住宅を建設していきます。四つ目は(4)「個別建設方式」で、住民が個別に設計者・施工者を選定し、住宅を建設します。

四つの建設方式の内、(1)~(3)は何らかの形で住宅建設を共同化することになります。このことによって、業者が発注に応じやすくなる、あるいは現場管理者の人件費削減や建築材料の合理化によるコストダウンなどのメリットが生まれます。これらの建設方式は、震災の影響による資材や業者の不足、建設コストの高騰のために「宅地は確保しても住宅を建てられない」という状況が発生することを防ぐ上で、有効な手段となることが期待されます。

住宅建設の方法を検討していくには、個々の住民の家づくりに関する要望を把握することが必要となります。また、個々の住宅のみならず、以前の集落やこれから作り上げていく新しい「まち」に対する住民の思いを知ることも重要となります。そのためアドバイザーから住民に対して、家づくり・まちづくりについてのアンケートを行うことが提案されました。

アンケートの説明の様子アンケートの説明の様子

アンケートは、以前の住まいの規模や間取り、現在の仮設住宅やアパートでの生活状況、新しく建てる住まいに対する希望を聞き取る内容となっています。またアンケートの中では、震災前の集落の気に入っていたところや不便だったところ、新しいまちに対する希望やイメージについても、あわせて質問されています。アドバイザーからは特に家づくりに関して、「不安や分からないことを取り除き、これから住む家を具体的に想像することが重要です。どのような形で家を建てるにしても、そうした作業をしておくことは家づくりに取り組む上で役に立ちます」との話がありました。

今回のアンケートの結果を参考にしながら、今後住民・アドバイザー・JVCが協働して、すみやかな住宅再建のための方法を模索していくことになります。これと並行する形で、住民が暮らしやすいまちづくりに向けて、住宅建設における申し合わせについての具体的な検討を行っていきます。次回のアドバイザー派遣では、まちづくりの知見を得ることを目的として、住宅地の先行事例の見学会を実施する予定です。

家づくり・まちづくりのアンケートの一部。アンケートは2部構成で、合計14ページにわたる家づくり・まちづくりのアンケートの一部。アンケートは2部構成で、合計14ページにわたる
家づくり・まちづくりのアンケートの一部。アンケートは2部構成で、合計14ページにわたる家づくり・まちづくりのアンケートの一部。アンケートは2部構成で、合計14ページにわたる