4月28日(日)、10回目となる防災集団移転のアドバイザー派遣を実施し、梶ヶ浦・小々汐・大浦の地区ごとに協議会を開催しました。各地区で事の進め方や進み具合に多少の差はありますが、造成地の詳細設計などがほぼ固まるにしたがい、個々の家づくりと同時に全体としてのまちづくりについても話し合われるようになってきました。
梶ヶ浦地区では、前回の協議会で全世帯の区画割が決定したことを受け、家を建てる際に皆が守るべき最低限の取り決めについての話し合いが始まりました。「お隣の建物とはどれぐらいの間隔をあければいいだろうか・・・」「窓の位置は・・・」このような疑問に対し、アドバイザーから建築基準法や民法上の説明や経験に基づくアドバイスなどがなされました。また、家を建てるということがあまりに漠然としているため、建てたい家のイメージづくりに役立つアンケートシートが紹介され、今後の段取りやスケジュールなどについてもわかりやすく説明されました。次回以降は、住宅地の見学や家にまつわる様々なテーマを設けたワークショップを行っていくことになりました。
小々汐地区では、最終段階に入った造成地の詳細設計図面と移転用地の取得へ向けた手続きの進捗状況が報告されました。この地区では、抽選によって各世帯の区画を決定することがすでに合意されていますが、抽選に先立ち、移転地全体の利便性や安全性についての協議が市職員を交えて慎重になされ、今日までに様々な要望を伝えてきました。出入り口の位置や壁の形状などに統一性を持たせ、各区画の公平性がある程度保たれるなど、様々な条件が整ったのちに、いよいよ抽選に入っていくことになります。
大浦地区の集団移転先には災害公営住宅の併設が予定されているため、相談会の冒頭に市担当職員から公営住宅整備事業に関する説明が行われました。この地区の協議会では、防災集団移転事業に関わる人だけでなく、公営住宅への入居を希望する人も一緒になって、移転先のまちづくりについての話し合いを行っています。
前回の抽選で決まった優先順位に従って各々が希望する区画を次々と選択していき、今回で全世帯の区画が決定しました。この地区は比較的区画数が多いこともあり、手間と時間を十分にかけ、計3回の抽選により最終決定に至りました。個々の意思を最大限に尊重できるよう配慮してきたためか、「同級生で3軒並べてよかったな。」という声も聞かれました。
大浦地区でも、建てたい家のイメージづくりに役立つアンケートシートや今後の段取りやスケジュールなどについての説明がなされ、住宅団地を形成していくうえでの最低限の取り決めについて今後検討していくことが合意され、そのモデルとして他の市・県にある新興住宅地などを見学に行くことが決定されました。
市の計画では各地区とも夏には造成工事が始まる予定です。住民は今後これまで以上に具体的に将来の暮らし方について考えていくことになります。同時に、建築ラッシュによる業者不足の懸念も払拭しなければなりません。地区の規模により造成工事の完了時期は異なりますが、その後に滞りなく住宅建築へ取り掛かることができるよう、そして、円滑にまちづくりが進められるよう、アドバイザーと連携しながらサポートを継続していきます。