\n"; ?> JVC - 造成地の詳細設計へ-防災集団移転のアドバイザー派遣【7】 - 気仙沼支援活動レポート
2012年12月24日 【 防災集団移転について

造成地の詳細設計へ-防災集団移転のアドバイザー派遣【7】

震災支援担当 岩田 健一郎
2012年12月25日 更新

現在、大浦(おおうら)・小々汐((こごしお)・梶ヶ浦(かじがうら)で進められている防災集団移転促進事業は、造成地の詳細設計の段階に入りました。これに伴い住民からは、「造成地の高さなどを確認したい」「造成地の区画選びの方法を決めたい」といった具体的な要望が出されました。これらの要望を受けて、12月16日、アドバイザーを交えた地区ごとの住宅相談会を実施しました。

梶ヶ浦の住宅相談会では、設計に関わるコンサルタント会社の協力のもと、住民、アドバイザー、JVCで移転予定地を歩いて回りました。設計図を片手に、移転予定地の高さや形状を一つ一つ確認していきます。「この地点が設計図のこの部分に当たり、高さは○○メートルになります」。それぞれの場所を図面で確かめる際には、アドバイザーが住民に対して説明や補足を行いました。

梶ヶ浦の移転予定地の視察梶ヶ浦の移転予定地の視察
移転予定地を歩いて回る(手前左はJVC山崎)移転予定地を歩いて回る(手前左はJVC山崎)

「思っていたより低い場所になるんだなあ」「ここまで来ると、あの杉の木が壁になって、風が吹き抜けないわね」「ここは日当たりも眺めもすごくいいな」実際に自分の足で歩いてみると、周辺の環境をよく把握することができるため、住民の皆さんも盛んにその印象を語り合っていました。

移転予定地を眺める住民たち移転予定地を眺める住民たち
造成地の設計図と模型をもとにした話し合い造成地の設計図と模型をもとにした話し合い

大浦の住宅相談会では、造成地の区画選びの方法について、話し合いが行われました。造成地の中で、どの場所に自分の住宅を建てるかという点は、住民にとっても重要なテーマです。様々な条件を考慮しながらも、移転希望者に対する公平性を重視した結果、抽選とその後の個人間の話し合いによって区画選びを行うことが決定されました。

アドバイザーによる解説の様子アドバイザーによる解説の様子

また、コストの削減や早期の建設完了のために、以前から話題に上がっていた住宅の共同建設方式について、アドバイザーとの連携を図ることが協議されました。この点に関して住民からは「四ヶ浜(しかはま)全体での共同建設方式も模索していきたい」との提案がなされました。その他、今後想定される消費税引き上げの影響や現在の住宅建設事情に関する解説がアドバイザーによって行われました。

次年度の造成工事着工に向けて、いよいよ造成地の詳細設計が進められていきます。これに合わせて、造成地内に設けられる集会場や公園のあり方の検討が必要となっていきます。一方で、住宅再建のための共同建設方式に関しても、来年以降、より具体的な検討が求められます。今後もJVCはアドバイザーとともに、望ましいコミュニティの形成と個々のすみやかな住宅再建を目指して、住民に対するサポートを継続していきます。