大浦(おおうら)・小々汐(こごしお)・梶ヶ浦(かじがうら)で進められている防災集団移転促進事業では、この間、住宅相談会を通じて、造成地に関する要望の取りまとめを行ってきました。前回の相談会の内容をもとにして、先日、大浦地区の協議会から市に対する要望書が提出されました。また、毎回の相談会では市の担当課や設計に関わるコンサルタント会社が同席し、造成設計に関する検討を重ねてきました。その結果、造成地の道路設計に住民の要望が反映されるに至りました。
10月27、28日、防災集団移転に関わるアドバイザーが気仙沼を訪れ、地区ごとの住宅相談会が実施されました。造成地に関する要望の取りまとめが一段落したことを受けて、今回の相談会では住宅建設を中心的なテーマとして話し合いが行われました。
相談会ではまず、市からのヒアリングをもとに、防災集団移転促進事業および災害公営住宅整備事業の今後のスケジュールを改めて確認しました。住宅再建の計画を立てる上では、いつ造成工事が終了し、いつ住宅建設を開始できるかという点を、住民がしっかりと把握することが必要です。そのため、変更も含めた事業スケジュールの最新情報を提供することが、今後も重要となります。
続いて、話題の中心は住宅建設に移りました。はじめに、造成工事の終了時期に合わせた、資金計画、設計、建築工事などのスケジュールの確認を行いました。また、大工やハウスメーカーといった、それぞれの建設業者の特徴がアドバイザーから説明されました。さらに、前回も話題に上った住宅の共同建設方式について、アドバイザーが再度解説を行いました。
住宅建設という関心の高いテーマの下、住民間でも活発な議論が行われました。業者ごとの平均的な建設費用、南向き・北向きのメリット・デメリット、平屋に適した基礎部分の種類など、話し合いの内容は多岐にわたりました。住民からは、「色々と情報を集めて、自分の納得のいく建物を作っていきたい」という思いが語られました。また、「ハウスメーカーの展示場に、皆で見学に行こう」といった積極的な提案もなされました。
将来、住宅建設の需要増大が見込まれ、建築工事のための資材不足、業者不足が懸念されます。長引く仮設住宅での暮らしが大きな負担となりつつある中、住民のすみやかな住宅再建のためのサポートが、ますます重要となっていきます。今後もJVCは、アドバイザーと連携しながら住宅相談会を実施するなどして、よりよい住宅建設の方法を住民とともに模索していきたいと思います。