2月8日でグリーンネットの事務所滞在が終了しました。グリーンネットの事務所に滞在することで、タイのNGOの活動やタイのグループ、タイの農民の状況について知ることができました。それだけでなく、開発のあり方、フェアトレード、有機農業について色々と考えなおすことができました。開発のあり方やフェアトレードについては、すでにこのWeb日記でも述べましたので、有機農業に関連して考えたことについて述べたいと思います。
グリーンネットの事務所に滞在する前にはあまり意識していませんでしたが、グリーンネットの事務所滞在を経て、有機農業には単なる農業の一手法というだけでなく「安全な食べ物を選択する、支出を減らす、自然にあるもの・環境にやさしいものを利用する、循環や持続可能性を維持する」というような思想・哲学があると思うようになりました。
これが正しいかどうかはわかりませんが、これらができることが有機農業の良い点であるとも思っています。だからこそ、僕は有機農業に取り組む人がもっと増えてほしいと思うようになりました。可能であれば、この思想・哲学(良い点)を知った上で有機農業に取り組んでほしいとも思います。
とはいっても、現実には、有機農業を実施している農民がみんなこの思想・哲学、よい点を知っている(理解している)から有機農業を実施しているわけではありませんし、単なる農業の一手法あるいはお金を儲けるための一手段として捉えている人もたくさんいます。
しかし、思想・哲学を理解しないで有機農業を行っていても、有機農業を実施していることには変わりはなく、農薬や化学肥料を使う農業をやるよりはよいとも僕は思っています。それに、思想・哲学を前面に押し出して有機農業の普及を図っても、おそらく農民には敬遠されるだけでしょう。
ここから考えたことは、「他人に何かをしてもらおう、広めようとするときには、ベストな状態(有機農業の振興を例にすれば、思想・哲学を理解した上で取り組んでもらうこと)を求めるのではなく、ベターな状態でよし(思想・哲学を理解していなくとも、農薬・化学肥料を使う農業をされるよりはよい)とすることが大切だ」ということです。また、そのためには自分にとって何が一番重要なことかを自分が理解しておくことが必要だと感じています。このことはNGOの活動においても人間関係においても大切なことではないかと思います。
この「何が一番重要なことか」ということを、「有機農業をする人が増えてほしい」という観点から考えれば上記のようになります。しかし、有機農業それ自体について考え直してみますと、一番重要なことはその手法でもなければ取り組んでいる人の数でもなく、やはりこの思想・哲学(安全な食べ物を選択する、支出を減らす、自然にあるもの・環境にやさしいものを利用する、循環や持続可能性を維持する)にあるのだと思います。言ってみれば、有機農業はこの哲学・思想を実践する方法・手段なのだと思います。
さらにいえば、農的生活という言葉がありますが、僕はこれをこの思想・哲学を理解して実践することだと考えています。単に農業を生活に取り入れることが農的生活ではありませんし、この思想・哲学を理解していないのであれば有機農業をしている人がそのまま「農的生活をしている人」ということにはならない気がします。逆にいえば、この思想・哲学を理解して生活の中でこれを実践していれば、たとえ農業をしていなくても、それは農的生活なのだと思っています。
とはいっても、農的生活を0%か100%かでわけてしまうと実践が難しくなってしまうので、ここは「農的生活レベル」で考えたほうがよいのかな、とも思います。項目を作ってアンケート形式にして、生活の中でそれを意識して実践している数が多ければ多いほどレベルが上がるというような感じのヤツです。これがあったら実践もしやすい気がします。
どこかにこういう「農的生活レベル測定テスト」みたいなものがあったらぜひ教えてください!!(自分で作ればいいのかもしれませんけれど)