引っ越したといっても、派遣先の農家の方々のことではなく、僕だけです。今度お世話になっているのは、ガイさん(30歳 男性)のお宅です。ガイさんは以前は地域活動のコーディネーターや有機農業・複合農業を紹介・指導する活動などをされていた方で、現在は自ら有機農業・複合農業を実践しています。
ガイさんの家には、畑と田の一部が隣接しています。アヒルや鶏、豚を飼っています。彼らの糞が肥料になるように鶏小屋や豚小屋が作られています。更に、大きな池が2つあり、ここで魚も飼っています。時々ここから魚を釣ってきて食べることもあります。また、ガイさんのご両親が、鶏の卸業をしている関係で、販売用の鶏を飼育するための小屋や鶏をさばくための設備もガイさんの農園内にあります。
僕は、毎日ここで樹や野菜に水をあげたり、草を刈ったり、畑を耕して野菜を植えたりする他に、鶏をさばく作業や搬出する作業、飼育作業などの手伝いをしています。鶏をさばく手伝いでは、羽をむしったり、腎臓や腸を切り開いたりしています。
鶏の世話をする金森くんタイに来て、田植えや稲刈り、野菜植えやこれらに伴う田畑作りなど、様々なことを体験してきましたが、まさか鶏をこんなにさばくことになるとは思いもしませんでした。今は鶏をさばく工程の一部しかできませんが、鶏の首を切るところから最後の工程までできるようになったら、次は鳥料理屋で、鳥料理の修行に行かせてもらおうかと検討しています。(冗談です)
ガイさんがここで農業を自ら実践するようになってからまだ2年ほどしかたっていないそうですが、ここには色々な種類の樹木や野菜が植えられ、様々な家畜が飼われています。ガイさんとしては、もっと樹や野菜を植えたいし、土もあまりよくないからもっと豊かな土にしたいようです。「あれもしたいし、これもやる必要がある。それに両親の仕事の手伝いもしなければならない。仕事はハードだ。」とたまにガイさんは言っています。それでもほとんど何もないところから自分の描いた青写真を元に、少しずつ自分の農園を構築していくことが本当に楽しそうにみえます。思えば、カオデーン農園のデーンさんも同じでした。ここまで来るには、多くの人の支援があったのだろうとは思いますが、やはり多くの様々な苦労や困難を乗り越えてきたに違いありません。しかし、会社や団体に所属し、自分ではない、他の誰かの描いた青写真を現実にするためにしか働いたことのない僕からすると、ガイさんやデーンさんにうらやましさを感じてしまいます。
うらやましく感じているだけではどうしようもないので、タイにいる間はともかく、日本に帰国した後は、自分で青写真を描きそれを現実にしていけるようにしたいと考えるようになりました。ガイさんやデーンさんのように、自ら農業を実践するかはわかりませんが(ひょっとしたら鳥料理屋の店主かもしれません)、まずは青写真を描くことから始めることにしました。
