宮田さんのライバル私にはライバルがいます。12才の男の子です。ニックネームはデブ。私が名づけました。私が現在お世話になっているカセームさん宅に、親戚の子・デブが来たのは私がホームステイする3ヶ月前のことです。彼は父親を癌で亡くし、母親は働いていますがあまり家に居ないので教育上よくないということでカセームさん宅に住むことになりました。元々はコラート(ナコンラチャシマー県)生まれの都会っ子で、毎日食っちゃ寝をして太っていったそうです。タイ語では、「ミー」というかわいらしいニックネームがついています。
都会っ子なので、農業なんて全くしたことがなく、私がカセームさん宅に滞在する始めの頃は、私と同じくらいあまり何もできませんでした。しかしながら、マユリーお母さんのかなりの厳しい指導でみるみるうちに何でもできるようになりました。牛の世話、稲刈り、トラクターも動かすことができます。更には、もち米を蒸すのはもちろんのこと、洗濯(手洗い)、掃除、皿洗いと、遊び盛りの年頃ですが、休日はカセームお父さんの仕事を手伝うなど、あなどれない12才です。
私は、日本人であること、インターン生であることでお母さんが遠慮してやらせてくれなかったことも、デブはできます。これは負けていられない!
みるみる大きくなるデブの態度に、私は焦り始めました。「デブのくせにこのヤロー!」と叫んでみても、デブと私の間にはかなりの差が・・・。バイクに乗れることくらいが、私が彼に勝ったといえる唯一のことでしょうか。カセームお父さんは、女の子だからという理由で、私には牛の世話と精米の仕事は絶対にやらせてくれません。それでも出来ることはやっているつもりです。
私は彼に「佐賀のがばいばあちゃん」の著者である島田洋七を重ね合わせています。母親の元から離れ、農村生活、田舎生活に身を置いて、「それも自分の運命」と思っている彼を見ていると尊敬せざるを得ません。デブにとっては私なんてライバルとは言えないと思いますが、私にとってはとても大切な存在になっています。