ここカオデーン農園で僕たちは、田植えやバナナ植え、タイ語の学習ばかりをやっていたわけではありません。ここでは、豚や鶏、水牛の飼育や魚の養殖もやっています。もちろん、畑を開墾し、様々な野菜や果物も植えています。僕たちもこれらの作業をやっています。これらは全て有機農法(農薬や化学肥料を使わずに堆肥や自然が元々もっている力を活かす方法)を用いています。カオデーン農園で行われているような形態を複合農業とも呼ぶそうです。
畝作り。これが結構きつい!今日は野菜作りについて書きます。野菜を植えるには、畑を耕して畝(地面に敷かれたベッドの状態)を作ります。既に畝にしてあるところはそうでもありませんが、これから畝を作るところは大変苦労します。土は固いし、草の根が邪魔するし、石は埋まっているし、力と技を必要とします。これが終ったら、鶏、豚、水牛などのフンを発酵させたものを、土の状態に合わせて選んで土と混ぜます。またこれも力と技が要ります。なかなかうまく混ざってくれません。いつも僕はクワを武器に土と格闘しています。そんな時、デーンさんをちらっと見ると、いつも驚き、そして感心します。なんせ、うまい、早い、キレイと三拍子そろえて作業しています。僕がひとつの畝と戦っている間に、ふたつは終らせています。デーンさん(農民)はスゴイです。この後は、土をならします(土の塊を小さく砕く)。そして、畝の形を整えます。そうしたら、種を蒔いてマルチ(土の乾燥や雨による表土の流出、野菜以外の草を生えにくくしてくれます。草やワラ、日本だとビニールなどを使います)を畝にかぶせて完了です。マルチをかぶせてから、植える場所に隙間を開け、種や苗を植えることもあります。野菜によって方法を選びます。おっと、最後に水をやることを忘れてはいけません。
オクラを植える畝。先にマルチをしてから穴をあけ、堆肥を入れて種を植える。こうして、早いものでは数週間、ものによっては数ヶ月から数年後に収穫できます。このようにして作った野菜は、形は整っていませんが、なんというか味があります。味が濃いです。おいしいです。何より、無農薬なので安全です。日本で食べていた、見てくれのキレイな、値段の高い野菜と同じとは思えません。日本でも有機農産物は手に入ります。もし、僕たち消費者がこのような野菜をもっと選べば、もっと手軽に食べられるようになると思うと同時に、どうすればそうなるかについて考えさせられます。
(金森 史明)
土のなかにはたくさんのミミズとカブトムシの幼虫が!! 土が良い証拠です。