これまで研修の中で、NGO関係者、農業関係者など、様々な人の話を聞いてきました。しかし、私の中でいずれの話もうまく消化することができず、頭の中に知識として残っていても、本当に理解できてはいませんでした。
NGO的視点、農業的視点、そして日本人としての視点、考えれば考えるほど、自分が何をしたいのかわからなくなりました。
そこで、とてもシンプルな視点に立つことにしました。自分を「食べる人」として捉え、「おいしい食べ物を食べる」とはどういうことかを考えたのです。カオデーン農園で食べるご飯はタイのどの屋台、どのレストランよりもおいしく感じます。農園で育てた野菜や家畜などの素材もおいしいのですが、一生懸命働き、一緒に食べる人がいることで、更においしくなります。
《楽しい!》タイ式焼肉&鍋 店で食べるよりずっとおいしい。日本での生活の中では、食事は単に空腹を満たすだけのものでしたが、今では「食べることの幸せ」を全身で感じるようになりました。
「おいしい食べ物を食べること」というシンプルな視点に立つと、これまでの私の消化できずにいたことが全てひとつの輪のように繋がっていきました。「おいしい食べ物」とは、単に味が良いのではなく、野菜を育てること、料理を作ること、人と食卓を囲むことなどを含め、「おいしい」と感じるのではないでしょうか。それは農的生活に価値を見出すことへ繋がります。
ある本に「農業をすることで直接には戦争やテロを止めることはできないが、関節的に平和に貢献できるのではないか」と書いてありました。他から奪って満足感を得るのではなく、自分で幸せを作り出すには、農的生活がもっとも近いのではないかと思います。多くの人がおいしい食べ物を食べることで幸せを感じることができれば、世の中の自殺や犯罪も減っていくのではないかと思います。
カオデーン農園のデーンさんが「家族みんなでおいしい食卓を囲むことが幸せだ」と言っていましたが、その意味がやっと理解でき、共感することができました。ある人に世界の問題を考える前に、自分の足元を見るべきだと言われました。私は食という視点から、自分の足元を見直し、そこから開発問題を考えていきたいと思っています。
《素敵!》洋食&和食はテーブルで。まるでオープン・カフェのよう。(宮田 敬子)
