労働をお金に換算しない価値
苗抜きをしては田植えという作業が連日続きます。しかし、雨がほとんど降りません。降ったとしても、ほんの少しですぐ止んでしまいます。
カオデーン農園では、水浴びや野菜に水遣りなどのための水はポンプで地下水を汲み上げて使用しているのですが、水道水を使用している農家では水道がとても高くなってしまうので、水田にはとても使えません(ここでも、水田に入れるときには池の水を汲み上げます)。池もポンプもない場合は、雨が降るのを待つしかないそうです。しかし、あまりに雨が降らないと、苗が枯れてしまったり、雨が降るのを待ちすぎて苗が育ちすぎてしまったりするそうです。まさに天水農業です。ある本に「東北タイは天水農業だ」と書いてありましたが、その言葉が少しばかり理解できたように思います。
農業の相手は自然です。雨は自分の思うようには降ってくれず、自然に合わせないといけないのだと思いました。
さて、私の田植えのスピードはとても遅いものの、ようやく田植えが終りそうです。日雇いで田植えをやると、この地域では一日200バーツもらえるそうです。私は日雇いで働けるほど上手に速く植えることはできませんが、今までやってきた作業をお金に換算したくはないと思ってしまいます。「だから自分たちで食べるのが一番なんだよ」と薫子さんが言っていました。
田植えは米作りの一部分でしかありません。これから水田の管理、稲刈り、脱穀、精米(カオデーン農園では全部手作業です)などがあります。稲たちが元気に育って、おいしい新米が食べられますように。
(宮田 敬子)
一生懸命作った野菜も、値段をつけると一束たったの5バーツ(約20円)...。値段をつけた瞬間に一気に価値が下がってしまいます。その一束を自分で料理したおいしさと感動は、5バーツでは決して買えません。
