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そばに居てエールを送りつづける

タイ事業担当 下田 寛典
2008年6月20日 更新

今日は、ロイエット県ポンサイ郡シーサワン行政区の行政区運営機構長であるタナトーンさんを訪問した。タナトーンさんは、2007年5月に山形県長井市のレインボープランの(生ゴミ堆肥化による地域循環プロジェクト)視察で日本を訪れたことがある。そのとき私も視察のお手伝いをした。だから、ちょうど1年ぶりくらいの再会だった。

シーサワン行政区で人口は8000人近く。行政区運営機構の役割は村の人の生活の改善で、道路や電気などのインフラ整備、高齢者福祉・職業訓練などの活動をサポートしている。シーサワン行政区には10のグループ活動がある。タナトーンさんは、有機農業活動を例にとって説明してくれた。

シーサワン行政区では95%が農民で、水田を中心とした稲作農家がほとんどだ。7年前、タナトーンさんが機構長に着任する前は、みんな化学肥料や農薬を使用して、作っても作っても赤字になってしまうという状況があった。これを打破するために、まず、行政区内での稲作に使用されている化学肥料代金を調査した。すると行政区内全体でなんと900万バーツ(約3000万円)も投入していることが判明した。

「農業支出を減らすことが先決だ!」ということで、村人と話し合って有機にしようという話になった。タナトーンさんの話では、すぐに有機に切り替えられる人ばかりではなかった。はじめの1,2年は辛抱の年だったという。少しずつ少しずつ投入する堆肥を増やしている人もいれば、「やっぱり難しい」と途中で諦めてしまう人もいたそうだ。はじめてから3〜4年くらいで徐々に土が改良され米の収量が増えるようになってきた。そればかりか、田んぼに魚や蟹が戻ってきて食料の種類が多くなった。化学肥料代も確実に減ってきた。この間、行政区運営機構は、知見のある有機農業の専門家を呼んだり、他村の有機農業の取組みを見るツアーを企画したりした。最初の1,2年は、そばにいて「がんばれ!がんばれ!もう数年すれば土がよくなる!」とエールを送りつづけたそうだ。当初120人が集まった有機農業グループは、現在では500人になった。

そばに居てエールを送りつづけてきた。地道だけれど、村人と話し合ってお互いに納得し進めてきた。そして現在、それが広がっている。農村開発分野で活動するNGOも同じような活動をしている。けれどタナトーンさんたちと同じだけのことが出来るかな、と自分もNGOスタッフでありながらちょっと自信をなくした。その先を信じてそばに居てエールを送りつづける。できそうで、なかなかできない活動だ。

(下田 寛典)

タナトーンさん(中央、座っている男性)たちの頑張りに脱帽タナトーンさん(中央、座っている男性)たちの頑張りに脱帽

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