パレスチナ最新情報
パレスチナ事業30周年の特設ページでは、「Trial&Error(JVC会報誌)で振りかえる パレスチナ事業30年の歩み」をお届けしています。

第4弾「和平の兆しと挫折」では、オスロ合意和平直後と現在のパレスチナについて、当時の駐在員の視点で書かれた記事を通してお伝えします。
パレスチナ事業30周年特設ページはこちら
https://jvcpalestine30.hp.peraichi.com/
記事を掲載しているnoteはこちら
https://note.com/jvcpalestine/n/n447491025c8e
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第2弾「占領下のオリーブは咲くか」では、1992~95年、パレスチナで活動を開始したJVCの、植林事業に関する記事を掲載しています。ぜひご覧ください!
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https://note.com/jvcpalestine/n/n766889a181e2
一足早く、パレスチナの夏は終わりを告げているようです。
パレスチナ事業の夏休みではどんなことをしたのでしょうか。
今回は、東エルサレムの女の子たちがこの夏に体験したさまざまな学びについて、ご紹介したいと思います。長くなるので「前編」と「後編」に分けてお届けします。
2022年8月5日に発生したイスラエル・ガザの攻撃を受け、JVCでは、2022年8月11日付で、停戦継続に向けた共同要請文を発表しました。
8月5日現地時間16時頃、イスラエルがガザ内にいる武装組織イスラミック・ジハード(以下、PIJ)の要人を狙って空爆を行ったことをきっかけに、3日間にわたり双方からの激しい攻撃が続けられました。
イスラエルからの空爆はガザ地区の北から南まで一般人の居住地域を含めて広範囲にわたり、ガザではこれまでに15名の子どもを含む44名が亡くなり、360名が負傷しています。イスラエル側では、ほとんどのロケットやミサイルが防空システムによって迎撃されましたが、避難する際などに負傷者が出ました。

その後、エジプト政府の仲裁によって7日夜(現地時間)から双方が停戦することで合意しました。ただ、これは一時的なものであり、これまでにも何度も攻撃が再開されてきたので、いつまた攻撃が勃発するかわかりません。。
JVCでは、現地の状況を引き続き注視しつつ活動を続けてまいります。
*掲載した写真はAEIのスタッフから共有されたSNS上のものです*
現地パートナー団体スタッフの安否報告
現時点では、現地パートナー団体のArd El Insan (アル・デル・インサーン:AEI)のスタッフおよびボランティアの方々など、JVCの関係者については安全が確認されています。ご心配の声をお寄せいただいた皆さま、ありがとうございました。
現地からのメッセージ
■現地パートナー団体スタッフからのメッセージ■
現地パートナー団体のArd El Insan (アル・デル・インサーン:AEI)のスタッフは、同じガザの人たち、特に子どもたちが犠牲になっていることに大変心を痛めています。恐怖と戦う中、AEIのスタッフがメッセージを寄せてくれました。
--------------------------------------------------【AEI ラナさん】
私たちはパレスチナ人として、本当に悲しい・腹立たしい気持ちです。なぜパレスチナ人の子どもが、眠っている間に、恐怖で眠りから覚めた時に、自分の家が破壊されて泣き叫んでいる時に、家族の誰かを失い悲しみに暮れている時に、亡くなったりけがを負わなければいけないのでしょう。
世界中の誰がこんな恐怖や痛みの中で生きることに耐えられるでしょうか。こんなことが突然起こるなんて夢にも思わず、多くの罪のない人や子どもたちが亡くなり、また家族をなくしています。 みなさんに問いたいです。ガザの子どもたちには恐怖や痛みなくしては、幸せに平和に生きる権利がないのですか?
--------------------------------------------------【AEI ジュマーナさん】
私は自分たちの身に起きていることや、小さな子どもたちがガザに住んでいるというだけの理由で家族を失って悲しみに暮れていたり、けがを負っているのを(SNSなどで)目にすることが悲しくて仕方ありません。そして次はだれの番かわからないのです。子どもたちが直面している恐怖や、子どもたちの思いについて言葉で表すことはできません。
--------------------------------------------------■駐在員:大澤からのメッセージ■
攻撃が止んだとはいえこれまで何度も停戦が破られてきたことから、ガザの人々はまたいつ空爆が始まるかわからないという不安の中にいます。 今回、空爆の最中、ガザのリハビリ専門病院であり、身寄りのない高齢者や障がいを持つ人を受け入れているエル・ワファ病院の院長バスマン氏からこんな言葉がありました。
「私が最も心配しているのは、ガザの人々は死んで良くて、ウクライナの人々は死んではいけないかのように、世界が私たちから目を背けていることです。」
ガザだけでなく、現地にいると普段から「世界は自分たちパレスチナ人のことなんてもう気にしていない」「世界から無視されている」という言葉をよく耳にします。攻撃が止んでも、占領地であるという問題が解決したわけではありません。パレスチナの人々は、高く厚い壁に囲まれた地域の中で監視されるという異常な日常を強いられ、外とも自由に行き来できず、時に家や土地、家族などを奪われるという日々を過ごしています。
日本も含め世界中で様々な問題や戦争が起き、一つの問題をずっと追い続けることは難しいですが、今後もパレスチナに関心を持ち続けていただけたらと思います。

こんにちは、JVCパレスチナ事業です。
昨年5月に発生したガザ空爆から1年が経ちます。昨年ほど大規模ではないものの、4月のラマダン(断食月)に入った頃から東エルサレムやヨルダン川西岸地区のいくつかの都市では、イスラエル治安部隊とパレスチナ市民との衝突、それに対するパレスチナ人の不当逮捕などが相次いで発生しました。今年は、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教の宗教行事や祝祭が4~5月にかけて重なり、今週は「ナクバの日(※1)」(5月15日)も控えるなか、現地では少し緊張が高まりつつあります。

(写真:ラマダン中のエルサレム旧市街の様子。日没後の食事や買い物を楽しむパレスチナ人(イスラム教徒)の傍らには、銃を持ったイスラエル兵士がいます(右奥)。2022年4月9日木村万里子撮影 @エルサレム旧市街)
その最中、今週の水曜日(5月11日)パレスチナ北部のジェニンという街で、アメリカ国籍のパレスチナ人でありアルジャジーラの記者であるシリーン・アブ・アクレさんが銃撃され亡くなりました。
ジェニンでは最近イスラエル兵とパレスチナ人武装グループの衝突が頻発し、複数の死者がでており、その取材に入ったところでシリーンさんは銃弾に倒れました。
彼女はヘルメットをかぶってPressと大きく書かれたベストを着ており、彼女が撃たれたのは耳の下のあたり、ちょうどヘルメットでカバーされていない部分でした。イスラエル側は、同じ時間帯にジェニンで起こっていた銃撃戦のビデオを公開し、パレスチナ人武装グループによるシリーンさん殺害の可能性を示唆していますが、彼女に同行していた他の記者や近くにいた人たちは、その時周囲に武装したパレスチナ人はいなかったと証言しています。また、その位置関係についてイスラエルの左派NGOであるベツレム(B'Tselem)が分析した結果、公開されたビデオからはパレスチナ人武装グループが彼女を撃ったとは考えにくいという結論が出ています。
一方イスラエル政府は、パレスチナ人武装グループがシリーンさんを撃ったと主張し、調査を表明しましたが、パレスチナ政府はイスラエル政府による調査ではなく、ICC(国際刑事裁判所)に調査を依頼する意向です。

(写真:家屋収奪反対とシェリンさんの死の真相究明を求めるデモを行うパレスチナ人(右)とその様子を見るイスラエル兵士(左)。2022年5月13日木村万里子撮影 @シェイク・ジャラ地区)
彼女はジャーナリストとして、パレスチナ人だけでなくアラブ諸国の人びとに大きな影響力がありました。2000年の第二次インティファーダ(※2)をはじめ、現地で起こっている事実を広く世界に伝え、パレスチナ人の声なき声を代弁し、アラブの人びとから絶大な信頼を寄せられていたこともあり、とても多くの人が彼女の死について投稿したり、葬儀に参列しています。しかしシリーンさんの遺体の送致や葬儀の間ですら、イスラエル兵と警察が集まったパレスチナ人に対して、国旗を奪う名目(※3)で過剰に攻撃を加えたり、逮捕するなどしました。
ジャーナリストを殺害することは国際法違反ですが、それ以前に武器も持っていない一般人を撃つこと自体が犯罪であり、私たちはいかなる暴力にも反対し、ICCを通じた公平な調査による真相の究明を支持します。そして、二度とこのような尊い命が理不尽な形で奪われないように、真相究明後のしかるべき責任が明らかにされ、その責任が果たされることを求めます。
最後に、パレスチナ人の悲しみに寄り添い続けたシリーンさんのご冥福を心からお祈りしています。彼女が51年の生涯をかけて伝えたかったパレスチナの現状や人びとの声、悲しみ、怒りがより多くの人たちに届くことを願ってやみません。
* * *
(※1)ナクバの日: ナクバとはアラビア語で「大災厄」を意味するが、1948年5月15日、イスラエル建国によりパレスチナ人が住んでいた土地を追われて難民となった日を指す。
(※2)イスラエルがパレスチナを軍事占領していることに対して行われたパレスチナ人による民衆蜂起。
(※3)イスラエルの法律において、パレスチナの国旗を掲揚することは明確に違法とはされていませんが、エルサレムではパレスチナの国旗を掲げることで逮捕される例が後を経ちません。
本日、4月7日は世界保健デーです。 世界保健デーは世界保健機関(WHO)によって定められ、保健に関する重要性の高いテーマに、世界規模の注意を喚起する機会とされています。
今回は、JVCと現地パートナー団体がパレスチナのガザ地区で展開する保健関係の事業を紹介する動画を、2つ紹介します。
子どもの健康を取り戻すことができたお母さんからの喜びのメッセージ
栄養不足により骨や歯がうまく成長せず、元気のなかった娘のハナちゃんを心配していたお母さん。 JVCとパートナー団体の栄養改善の活動を通じたお子さんの経過を語ってくれました。
保健師とボランティアさんによる家庭訪問と講習
現地パートナー団体AEIの保健師ラナさん。 活動にかける思いや、母として感じる仕事へのやりがいについて語ります。
ラナさんとJVCの活動については、こちらのインタビュー記事でも詳しく紹介しています。
【コロナ禍のガザで ~女性保健師からのメッセージ~】
彼女の力強いメッセージを、ぜひお読みください。
パレスチナ駐在スタッフ木村万里子が昨年12月に現地に赴任してから、はや2ヶ月。 エルサレムでの活動や日常生活を、これからゆるゆると「note」に綴っていきたいと思います。今回は間もなくやってくる春をお届けします。
現地はすっかり肌寒くなり、雨季に入っています。毎日晴れたり雨が降ったりを繰り返し、不安定な天気が続いています。日本人からすると雨は少し面倒だな、と思うことが多いですが、パレスチナ人たちは「やっと雨が降った!」「恵みの雨だ!」と雨季の到来を喜んでいます。また、雨季の始まりはオリーブ収穫シーズンの合図です。今年最初の雨が降ってから少し経ってしまいましたが、 各地でオリーブの収穫が行われていました。しかし、そのオリーブ収穫にも占領の影響が影を落としています。今年は新型コロナウイルス蔓延の陰で、入植者からのパレスチナ人に対する暴力が増加していることも大きな懸念事項となっています。
11月5日付で、JVCもメンバーの一員であるAIDA(国際開発機関協会:占領下のパレスチナで活動する80以上の国際NGOの調整機関)は、国連機関と下記の内容(概要)の共同声明を発表しました。主な主張は下記になります。
ご報告が遅くなりましたが、9月17日に開始したクラウドファンディング、10月30日に無事終了しました!!
この間たくさんの方からご支援と温かい応援のメッセージをいただき、最終的に531名の方から、6,274,000円のご支援をいただきました。インターネット上での申し込みができないという方々からもJVCに直接ご支援をいただき、チーム一同、感謝の気持ちでいっぱいです。
情報拡散も含め、ご協力いただきましたみなさま、本当に本当にありがとうございました!