駐在員の大村です。ここ最近ため池の話が続いたので、今日はもうひとつの活動の柱である農業技術研修にスポットを当ててブログを書きたいと思います。
JVCカンボジアは各家庭での家庭菜園づくりをサポートするため、定期的に技術研修を実施しています。研修は誰でもウェルカムで、希望する人は何回でも参加することができます。対象者を選ばず、興味がある人は誰でも好きな時に参加できるようにしています(研修のほか、そもそも農業用水を得るのが特に難しい地域で実施しているのがため池支援です)。
事業村では、以前に紹介したボッパーさんやチョムノーさんや、先日紹介したネム・ソーンさんのように、余剰分を販売して現金収入に繋げている方も増えています。最近はこのような方々の庭を借りて研修を実施し、実際の菜園を見ながら、日々の手入れや苦労した点など、実践者から研修参加者に直に伝えてもらう機会も設けています。
2020年は新型コロナウィルスの影響で3月末から5月末まで研修活動を停止していましたが、6月から新しいルールのもと再開し、現在に至ります(→記事:2ヶ月ぶり!新ルールで農業研修再開)。研修は各家庭でどのように生かされているのでしょうか。
①害虫対策研修
マネージャーのチャトラが事業村を周り住民と話す中で生まれた研修。雑草の管理や基本的な菜園の手入れなどをレクチャーしつつ、身近で手に入りやすい自然の材料を使って害虫忌避剤をつくる研修です。
②液肥・たい肥づくり研修
身近にある材料(牛糞、葉、農用石灰など)を用いて、栄養たっぷりなたい肥をつくる研修。この数年色々な村で実施している人気のある研修で、最近は過去の研修参加者が講師を担ってくれるようにもなりました!

③節水・冠水対策研修
こちらは乾期と雨季、それぞれ時期に合わせて実施する研修です。これらとあわせて、年間を通して育てやすい多年生の作物の栽培方法や、苗の作り方なども扱います。
雨季の冠水対策は、こんな感じです。前回の記事に詳しく載せていますのでぜひご覧ください。
④加工・出荷研修
主に①~③の研修参加・実践を経て、自給を達成し余剰分を販売に回すことができている方に向けた研修です。とはいえ、他にも参加したい方がいたらそれはウェルカムです。研修で扱った技術や情報をどう活かすかは参加者の皆さん次第なので、「こういう条件の人でないと参加できない」などの規定はつくらないようにしています。JVCが繋ぎ役となり、ハーブティの原料となるドライハーブを生産・出荷したり、野菜を街に出荷したりするための研修です。売れたドライハーブの収入は参加者に分配されることもあり、人気のある研修です。詳細はこの記事(レモングラスの初出荷!)やこの記事(コリアンダーチャレンジ)などをどうぞ。
去年はこの収入を貯めて、皆で水を汲み上げるためのポンプを購入したグループもありました!ケミカルを使わないカンボジア産のハーブや野菜、またそれらを使った製品は、特にカンボジア都市部で人気があります。

ということで、今回は農業技術研修の様子をお届けしました。また更新します。