新型コロナウィルス情報
駐在員の大村です。前回の記事では、新型コロナウィルスの影響で4月から8月に延期されていた振替正月休暇(9連休)の様子をお届けしました。帰省ラッシュや国内旅行の需要の高まりが見られ、140万人が国内を移動したとされましたが、新規感染者は海外から戻ってきた人々に限られており、カンボジア国内は落ち着いた日々が続いています。
雨が降らない日々を越えて・・・
JVCカンボジアはこの3月・4月に、事業村で8箇所のため池と3箇所の井戸を掘削しました。今日はその後の様子を報告したいと思います。
今年は雨の始まりが全体的に遅く、7月下旬までまったく降らない地域もあり、スタッフも村の方も田んぼや菜園のことを大変心配していました。下の2枚の写真をご覧ください。
この2つのため池は、同じ村の中にJVCが掘ったものです。左の方は雨の始まりが遅かったとはいえ、7月になると順調に雨水がたまり、下旬にはほぼ満水になりました。一方右の方は、この周辺に7月下旬までほとんど雨が降らず、下旬になってもこの水の量。村長や近所の人も、「こんなに雨が降らないなんて・・・」と困惑していました。
8月に入ってこのため池のある一帯にもようやく雨が降るようになり、8月10日には、下の写真のようにほぼ満水になって一安心。とはいえ、一般的に5月下旬から雨季が始まるとされているカンボジアとしては、降り始めが非常に遅い2020年の雨季の始まりとなりました。水道がなく、然の恵みとともに暮らしている農村地域では、このような気候の変化が生活に大きく影響します。
ため池の周囲に起きた変化① ネム・ソーンさん
ため池にたまった水を使って、周囲では家庭菜園が始まっています。下の写真は過去にJVCが掘削したため池の周囲の様子ですが、このようにひとつ池があると、その周囲で小規模菜園を始めることができ、周囲の景色がどんどん変わっていきます。
この3月、4月に掘ったため池の周りでも、嬉しい変化が起き始めています。ここでは近隣住民の1人、ネムさんの例をとりあげて紹介します。
- ネム・ソーンさん
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4月にJVCが掘削したため池のおかげで、野菜を育てるのに十分な水を得ることができています。シェムリアップの街に出稼ぎに出ている夫が帰省した時、菜園の様子にとても驚き、そして喜んでくれました。庭で野菜を収穫して、彼が街に戻る時に持たせることができたのが、とても嬉しかったです。健康には気をつけて欲しいから・・・。
ため池の周囲に起きた変化② セン・トーンさん
こちらは、同じくJVCが4月に掘った別のため池の近隣住民、セン・トーンさんの様子です。
- セン・トーンさん
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菜園の準備は毎日耕したり、たい肥をつくったり大変でしたが、JVCスタッフのフォロー があってなんとか続けることができました。池ができる前は100メートル離れた知人の池から水をもらっていたのですが、乾期には水が少なくなるので、「必要最低限以外は使わないで欲しい」と言われて菜園の水やりには使うのが難しい状況でした。
今では色々と自宅で収穫できるようになり、家計がとても助かっています。タイに出稼ぎに出ている夫に、菜園の変化を写真でいつも送っていて、彼もともに喜んでくれるのが一緒にいるような気持ちになり、嬉しいです。
井戸のその後
ため池を掘るスペースがなく、でも水源が遠い地域には、井戸を掘りました。現在ではこんな感じで活用されています。
農業用水用に3つの井戸を掘削しましたが、水質検査の結果、煮沸などの処理をすれば飲用も可能という結果が出たので、人によっては飲用水として利用している方もいます。
今回はため池と井戸の最新情報をお届けしました!多くの方のご支援でこのような活動を継続し、現地で小さな変化を積み重ねることができています。いつも応援ありがとうございます。