駐在員の大村です。まずは新型コロナウィルスについて、最近のカンボジアでは空港検疫でのみ陽性者が確認されており、市中感染は確認されていません。7月に入り、カラオケなどの娯楽施設がレストランに登録変換することなどを条件に再開可能となり、また一部の教育施設が「早期再開認可校」として再開される可能性が出てきました。現在までの累計感染確認数は141例。少しずつ、元の暮らしに戻る試行錯誤が始まっています。私は引き続き一時帰国中の日本から、遠隔で業務をおこなっています。
3月・4月に8箇所のため池、3箇所の井戸を掘削!
JVCは3月下旬から5月末まで、農村部での感染拡大を防ぎ、また事業村の住民の不安に繋がるような行動を避けることが第一であると考え、村への出入りを最小限に抑え、人の集まる研修などの活動を停止していました。その間、行政と協力し、2度にわたり衛生用品や食料などの緊急支援を実施しました。
そんな中、5月頃から始まる雨季の前に掘削を終える必要のあるため池が8箇所(一部修繕を含む)、井戸が3箇所あったため、これらについては3月・4月に最少人数で掘削予定地に入り、進捗管理などの作業をしていました。今日はその報告をしたいと思います。
掘削場所選定会議(2月~3月)
各村での調査を経ていくつかの候補地を出しつつ、最終的に住民や村長を交えて全体会議をして場所を決めるのは昨年度と同じ。今年度は4村で掘削する必要があると判断したため、2月下旬~3月頭にかけて4回、各村でこのような会議を持ちました。この頃はまだ、人が集まったりできていて、今となっては少し懐かしい光景でもあります・・・。
掘削スタート(3月中旬~4月)
場所が決まったら、村の掘削業者さんを交えての現地調査をおこない、掘削スタートです。
今回は過去に村の方が自力で掘削して、深く掘り切れないまま崩壊してしまっていた池の修繕もおこないました。
ちなみに掘削に使われているのは10年くらい前にプノンペンの中古屋さんで買った日本製のショベルカーだそう。業者のソチアさんは事業地が地元で、自分の仕事を通じて地元の生活が少しずつ改善するのが嬉しいそうです。
こんな感じで約1ヶ月かけて、8箇所のため池(一部修繕)と3箇所の井戸の掘削を終えました!
掘削、その後(5月~現在)
5月に入り少しずつ雨が降るようになると、こんな風にため池に水がたまり始めます。
6月に入ると、JVCも国や村のルールに則りながら少しずつ研修を再開できるようになりました。さっそくため池の水を使った菜園研修などを実施し(今のところ定員は5名にしています)、少しずつ今回掘ったため池の周りの景色が変わってきたところです。
そろそろ本格的な雨季を迎えるカンボジア。今回新たに掘ったり修繕したりしたため池がどのように活用されていくか、またレポートしていきたいと思います。
近隣住民の声
「私は8人兄弟で、現在は60歳になる母と暮らしています。水をメインで使うのは母なので、近くに水源ができて母はとても喜んでいます。これからレモングラスやモリンガ、にんにくを植えるほか、パッションフルーツの木などを植えることを検討し、JVCのフォローを受けながら準備を進めています。近所の人たちと一緒に大切に使います!」
「男手がなく、高齢なので、水汲みの手間が省けてとても助かります」
また更新します!