\n"; ?> JVC - 新型コロナウイルス(COVID-19)緊急支援報告@カンボジア - カンボジア現地通信
2020年5月 7日 【 新型コロナウィルス関連

新型コロナウイルス(COVID-19)緊急支援報告@カンボジア

カンボジア現地代表 大村 真理子
2020年5月 7日 更新

駐在員の大村です。前回は、事業地の新型コロナウィルスの影響について更新しました。私は引き続き、日本から遠隔でカンボジアのスタッフとともに業務にあたっています。

3週間以上、新規感染者ゼロ!

5月4日のカンボジア保健省の発表によれば、カンボジアは4月13日から新規感染者ゼロ!が続いています。累計感染者は122名、累計治癒者は120名、入院中が2名です。感染経路は、何かしらの海外由来がほとんどです。このまま落ち着いていくことを願うばかりです。

村での聞き取りとその結果

現在JVCは、事業村に出入りすることを控えていますが、ため池掘削の進捗管理などの業務のため、マスクの着用、こまめな手洗いと消毒、ソーシャルディスタンスの遵守、などのルールを設けて、事業地出身のスタッフを中心に、最少人数のみ必要に応じて出入りをしています。

ため池の掘削中、インタビューができそうな住民がいたら協力していただき、石鹸を使った手洗いを実施しているかどうかや、マスクやアルコールの所持率、気をつけていることなどの簡易聞き取りをおこなってきました。

結果としてはほぼ100%の人が石鹸を使った手洗いに取り組んでおり(水の質が良くないケースも含む)、これらは保健省のこまめな巡回や村長のアナウンス、ポスターが効果的なようです。石鹸は村の市場で購入でき、価格の高騰なども見られないため、普段より意識して洗っている方が大多数を占めました。この調子で進めば、村で日常化している下痢なども減っていくのではないか?と思います。

村で手に入りにくいマスクやアルコールの所持率は半数以下にとどまったものの、極力人と集まらない、などのルールを徹底している人が多く、総じて皆さんできる限りでよく対策していらっしゃるな、という結果となりました。

村を巡回する保健省のバイク。手洗いの方法や症状が出たときのホットラインのアナウンスなど村を巡回する保健省のバイク。手洗いの方法や症状が出たときのホットラインのアナウンスなど
バイクの後ろには手洗いの方法が。同じようなポスターも村の中に貼られていますバイクの後ろには手洗いの方法が。同じようなポスターも村の中に貼られています

行政との情報交換、支援の依頼

これらの調査結果は地区の行政官とも共有し、彼らの持つデータと照合したり、情報交換を実施してきました。こうした取り組みの中で、行政から相談されたのが「タイの出稼ぎから帰ってきた人々の支援」でした。

JVCの事業村のある地域は、隣国タイに出稼ぎに出ている人が多くいます。3月下旬のタイ国境封鎖から現在まで、断続的に人々が村に戻ってきており、その数は事業村のある6地区(コミューン)で約400人となっています。これらの方々は、初期のころは対策が徹底しておらず、隔離をしないままになった方もいるそうですが、そのほとんどが村に戻ってきた日から14日間の隔離対象となっています。隔離場所は休校中の小学校で、期間中は行政官、警察、村長などが対応にあたっています。

検温のようす検温のようす

タイから戻ってきた方々は残念ながら、急な失職、中には給与未払いのケースもあり現金がほとんどなく、隔離中の食事やマスク、アルコールなどは行政に集まる寄付や支援でまかなってきていました。それらが少しずつ底を尽きつつあり、可能であれば衛生用品の支援をしてもらえないか?との相談が行政からありました。

タイから村に戻ってきた人々への支援の決定

チームで話し合いを持ち、現状、村に残っていた方々は自分たちでできる限りの対策をされており、外部から来るのはタイから戻ってきた人々にほとんど限られていることから、彼らへの物資提供をすることは、農村部での感染拡大を防ぐために効果的なことであると考え、5月5日、今回の支援を決定いたしました。

物資は車で一時間程のシェムリアップの街で仕入れ、品質確認を行ったうえで、購入しました(現在カンボジアでは、これらの品切れなどは起きていません)。とりいそぎ、1地区(コミューン)に、アルコール30リットル箱が1つとマスクが200枚渡る計算です。

  • 消毒用アルコール 30リットル×6個
  • マスク 50枚入り×24箱
  • アルコール用スプレイヤー×6個

(計810米ドル)

5月7日、物資の配布

本日5月7日(木)、事業村のある6地区(コミューン)に、スタッフが物資を届けました。隔離施設には入れないため、それぞれのコミューンのリーダーのもとに運び、リーダーと担当者が施設での配布をおこないました。

それぞれのコミューンに車で物資を運び・・・それぞれのコミューンに車で物資を運び・・・
コミューンの担当者が隔離施設で対象者に物資を配布しますコミューンの担当者が隔離施設で対象者に物資を配布します
まずは14日間、何事もなく安心して過ごせますように・・・まずは14日間、何事もなく安心して過ごせますように・・・

担当者の話

Pongro LeuコミューンのリーダーPongro Leuコミューンのリーダー

「状況は以前よりも良くなってきています。新規感染者がずっと出ていません。しかしながら、タイからの帰国者の受け入れは続いており、私たちは毎日対応に追われていて少し疲れています。衛生用品のほか、食事の手配なども必要なので、今後も何か相談させていただくことがあるかもしれません。このたびのサポート、本当にありがとうございます」

とりいそぎ、本日の報告は以上です。JVCカンボジア事業は引き続き、地区(コミューン)と連携しながら、必要に応じて新型コロナウィルス支援を検討して参ります。今後について動きがあれば、また更新させていただきます。引き続き、活動のサポートをどうぞよろしくお願いいたします。いつも応援ありがとうございます!

日本も少しずつ、感染がおさまりますように・・・。

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