イラクウォッチ
イラクボランティアチームは、紛争で深刻なトラウマを抱えるイラクの子どもたちに専門医による治療を届けるため、8月末よりクラウドファンディング(インターネット募金)に挑戦しています。10月16日に第一目標の60万円を達成し、現在目指すは100万円! 100万円あれば、子どもたちがさらに、精神科医の診察や治療を受けられます。残りわずかな期間ですが、最後のひと押しを応援していただきますよう、どうかお願い申し上げます。
INSANアリー代表から日本の皆さんへのビデオメッセージです。ぜひご覧ください。
「2015年夏、始動。」というスローガンのもと、7月にキックオフしたばかりのJVCイラクボランティアチーム。会社員、学生、主婦など、さまざまな個性とバックグラウンドを持つメンバーが集まり、さっそく活動を本格化させています(イラクボランティアチーム活動案内はこちら)。
イラクボラチームの記念すべき最初の活動は、ずばり資金調達です。「ボランティアでいきなりお金?」と思われるかもしれませんが、ボラチームの活動資金を集めるわけではありません。JVCイラク事業の現地パートナー団体INSAN(インサーン)にプロジェクト実施資金の一部を届けるため、「クラウドファンディング」に挑戦しています。
この夏、新しく発足するイラクボランティアチームのキックオフイベントとして、7月13日(月)に「現地事業を体験しよう!ワークショップで知る『イラクの横顔』」を開催しました。ご参加いただいた皆さま、どうもありがとうございました。
はじめにスタッフの池田が、4月に現地で撮影した写真や動画を紹介しながら、最近のイラクの状況を報告。クルド自治区スレイマニヤのショッピングセンターや、郊外の緑豊かな山地の様子、楽しそうにビデオに映る現地NGOのスタッフなど、報道では目にしないイラクの「横顔」に、参加した方々からは驚きの声もありました。
過激派組織「イスラーム国」が2014年6月にイラク第2の都市モスルなどを制圧し、イラクとシリアにまたがる地域で国家樹立を宣言してから1年。イラク国内の避難民数は、2015年7月現在、300万人に上り、戦闘を逃れるために家を離れた多くの人々が、見通しが立たない状況下で現在も避難生活を送っています。
JVCのパートナー団体「インサーン」が活動するキルクーク県は、クルド自治政府の治安部隊が展開し「イスラーム国」の支配下には置かれていませんが、昨年6月以降、同県にはイラク各地から多数の避難民が流入しつづけています。
キルクーク県では、多くの国内避難民がキャンプに入れず、親類の家や学校、建設現場で寝泊まりすることを余儀なくされています。また避難民に食料などを提供する地元住民の負担も、避難生活の長期化に伴い増大しています。
昨年度はこうした状況を受け、JVCとインサーンが連携して緊急支援を実施しました。2014年8月末から呼びかけて集まった寄付金で、2014年11月と2015年2月の2回、キルクーク県の国内避難民、難民、受け入れ住民の困窮世帯を対象に、食料品や日用品の配布を行いました。詳細は2014年度イラク緊急支援最終報告書をご覧ください。
2014年度イラク緊急支援最終報告書
イラク緊急支援報告書(PDF:1022KB)4月19日(日)にチャリティサロンコンサート「アラブの月 ~紛争下に生きるイラクの子どもたちのために~」が開催されました。会場は新宿御苑そばのマエストローラ音楽院。小雨が降る中、多くの方に足を運んでいただきました。
出演者は日本のアラブ音楽界を牽引するお二人、ウード奏者の常味裕司さんと、レク(アラブのタンバリン)奏者の和田啓さん。ふだん聞いている音階やリズムとまったく違うのに、耳に心地よく、どことなく郷愁を誘う美しい響き。小さな会場のため、お二人の手元の動きもよく見え、いったいどうしてそんな音が出せるのだろう...と私は終始感動しながら聞き入っていました。
2月中旬、インサーンを通じて、キルクーク県内に逃れてきた避難民200世帯を対象に追加の食糧支援を実施しました。詳細は追ってご報告します。
2014年8月末からイラク緊急支援の呼びかけを始めてから11月末日までにJVCへ集まった寄付金のうち約40,000ドルが今回の配布に役立てられました。多くの方々にご理解・ご支援いただき、避難民の方々のために何かを出来ると言うことは貴重で、とても有り難い事だと感じています。皆様、本当にありがとうございました。
【追加の食糧配布の様子】
【2015/7/15追記】
この緊急支援に関する最終報告書を作成いたしましたので、こちらのページぜひご覧ください。
キルクークでは夜間時には気温が約マイナス2~9度になり、国内避難民は厳しい環境の中、日々の生活を送っています。現地協力団体、「インサーン救援と開発のためのイラク人協会(以下、インサーン)」は1月上旬より調査を開始し、障害者や母子家庭を中心とした最も脆弱な家族中心に2月12日(木)より物資配布を開始する予定です。
2014年8月末からイラク緊急支援の呼びかけを始めてから11月末日までにJVCへ集まった寄付金のうち約17,000ドルが今回の配布に役立てられる予定です。多くの方々にご理解・ご支援いただき、避難民の方々のために何かを出来ると言うことは貴重で、とても有り難い事だと感じています。皆様、本当にありがとうございました。
【2015/7/15追記】
この緊急支援に関する最終報告書を作成いたしましたので、こちらのページぜひご覧ください。
当初の計画ではIDP50家族、受入れ家族50家族に緊急支援物資の配布予定でしたが、現地協力団体、「インサーン救援と開発のためのイラク人協会(以下、インサーン)」から、特にIDPの暮らしが大変ということで対象割合を変更しIDP85家族、受入れ15家族での配布を行いました。この配布は11月15日(日)から開始し20日(木)に無事終了しました。
8月末からイラク緊急支援の呼びかけを始めてから11月末日までにJVCへ集まった寄付金のうち20,000ドルが今回の配布に役立てられました。多くの方々にご理解・ご支援いただき、避難民の方々のために何かを出来ると言うことは貴重で、とても有り難い事だと感じています。皆様、本当にありがとうございました。
【2015/7/15追記】
この緊急支援に関する最終報告書を作成いたしましたので、こちらのページぜひご覧ください。
イラクを長年取材するジャーナリスト・綿井健陽監督の新作映画『イラク チグリスに浮かぶ平和 Peace on the Tigris』が10月25日、東京の映画館「中野ポレポレ」で公開されました。私も公開二日目に見にいってきました。
(今回の「イラクウォッチ」は通常のニュース翻訳ではなく、翻訳ボランティアとして関わってくれている井川さんが書かれた記事です。)
大学時代、シンポジウムを企画し運営するクラスに入った。シンポジウムへは、十数カ国から参加者が来るため、クラスの生徒は、一人ひとり外国からの参加者を寮や家に泊めるよう勧められた。これは、宿泊代を削減するためでもあるが、両者が触れ合える場を作るためでもあった。
私は、外国の人を泊めることでわくわくしていた。どの国の人でもいい、早くその人に会いたいと思っていた。